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大分市・大友氏遺跡 キリシタン遺物「メダイ」の成分・銅はタイ産 鉛同位体比法の応用により推定

2010年06月01日 | Weblog
 大友氏遺跡(大分市)から出土した「メダイ」に含まれていた産地不明の鉛が、タイ西部にあるソントー鉱山で生産されたものである可能性が高いことが、30日に別府市であった日本西洋史学会第60回大会で報告された。
 発表したのは、別府大学の平尾良光教授(文化財保存科学)と飯沼賢司教授(文献歴史学)らの研究チーム。タイ、カンボジアの遺跡から発掘された青銅器が産地不明とされていた鉛の同位体比と合致した。
 戦国時代の日本で、鉛は鉄砲弾の材料であり、当時の輸出品『銀』の精錬に欠かせない金属だった。当時需要過多により不足した鉛を、火薬やその他の物質とともに南蛮貿易により調達したのではと推定する。
 ソントー鉱山で生産された鉛は、タイの貿易港であったアユタヤやパタニに運ばれ、外国船に積まれて日本にやってきたとみられるという。
[参考:大分合同新聞、「鉛同位体比法の応用-歴史資料の産地推定」平尾良光/J-GLOBAL]

過去の関連ニュース・情報
■2002.12.06 大友府内町遺跡から、製作途中とみられるキリスト教のメダイ6点が出土した。うち5点は狭い範囲でまとまって見つかったことから、工房跡の可能性もある。残りの1点は既に見つかっているメダイの近く、16世紀後半当時の御内町または堀ノ口町付近(第21次調査地点)で出土した。縦2.4cm、横1.8cmほどの縦長の楕円形。表面に十字架とみられる彫り込みがある。成分分析をした結果、主に鉛と錫の合金だった。ほかの半製品とみられる5点は、いずれも大きさはほぼ同じで、材質は鉛と錫が多く、一点だけ銅。
[参考:大分合同新聞]
■2001.8.25 大友府内町遺跡(大分市元町、第13次調査地点)から、16世紀後半の「メダイ」が出土した。メダイはほぼ円形で、直径約2cm。一方にキリストの顔、片方に子どものイエスを抱えるマリアを描いたとみられる浮き彫りがあった。
[参考:大分同道新聞]
 2008.9.11発掘された日本列島2008 「…江戸の誕生」初期のキリシタン遺物
 2008.7.15日向市塩見城跡 中山遺跡 国内初の土製キリシタン遺物が出土

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