歴歩

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徳島市・庄・蔵本遺跡 装飾に再利用した突線鈕式銅鐸片が出土

2013年02月09日 | Weblog
 徳島大学埋蔵文化財調査室は7日、徳島市蔵本町の庄・蔵本遺跡で、紐を通す小さな穴がある弥生時代後期後半(2世紀頃)の突線鈕式(とっcmゅうしき)銅鐸の破片が見つかったと発表した。 加工された銅鐸片の出土は藤井原遺跡(静岡県沼津市)、段遺跡(静岡県伊豆の国市)に次いで全国3例目。
 破片は上部の飾耳(かざりみみ)の一部で縦7cm、幅4・5cm、厚さ7mmで、復元長推定115cm程度とみられる。 穴の直径は約2mmで、ペンダントなどの装飾品として再利用していたと考えられる。
 今回の調査では、東海地方に多くみられる様式の方形周溝墓も見つかり、東海地方との文化的なつながりがあった可能性も考えられるという。
[参考:四国新聞、NHK徳島]

過去の関連ニュース・情報
 庄・蔵本遺跡
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香川県善通寺市・旧練兵場遺跡 分銅形土製品が完全形で出土

2013年02月09日 | Weblog
 弥生時代を中心に縄文時代から近代までの多様な出土品が確認されている旧練兵場遺跡(善通寺市仙遊町)から、今月6日に弥生時代に祭祀で使われたとされる分銅形土製品1点が完全な形で見つかった。 分銅形土製品は長さ6・7cm、幅6・3cmで、弥生中期頃の土穴で見つかった。
 香川県内ではこれまで約60点出土しており、その中で同遺跡から6割に当る32点が出土している。 今回33点目となる。 ただ、破片で見つかることが多く、完全形での発見は少ない。 四国では、愛媛、徳島、高知から出土し、ほかに瀬戸内の吉備地域を中心に出土(注1)していることから、瀬戸内海を挟んで共通する祭祀を行っていたことが推察されるという。 同遺跡が瀬戸内圏の交流をつなぐ拠点的な集落だったことを裏付ける資料としている。
 同遺跡では今年1月に、弥生時代末期~古墳時代初頭のものとみられる四国最大級の勾玉(全長4・7cm)1点も出土した。 素材の蛇紋岩は徳島や高知が主産地で、これも同遺跡が地域交流の拠点としての役割を果たしていたことを証明しているとした。
 今回の出土品は19日~3月17日、同市善通寺町の市立郷土館で展示される。
[参考:四国新聞、香川県埋蔵文化財センターHP]

(注1) 岡山県古代吉備文化財センターHPでは、現在のところ、720点あまりの分銅形土製品が見つかっていて、その約43%が岡山県であるとしている。また、香川県の出土は20点前後としている。

過去のニュース・情報
 旧練兵場遺跡
 2012.11.9 愛媛県東温市・揚り畑遺跡 分銅形土製品を発掘



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