WESTWOOD -手作りビンボー暮らし-

持続可能な社会とは、必要なものはできる限り自分(達)で作る社会のことだ。衣食住なんでも自分で作れる人が偉いのだ。

正常化の第一歩

2008年09月30日 | 今日の出来事

 ヘタを打って大損したバクチ屋達に75兆円恵んでやろう、などという馬鹿げた法案が米下院で否決された。めでたいことだ。メディアなどでは、選挙をにらんでの議員どもの日和見だとする見解を振りまいているが、そんなことよりこの事象自体が人類にとってプラスなのかマイナスなのかで判断すべきなのに。
 日本でも、株、証券バクチに手を染めている方々はこれから大慌てにならざるを得ないだろう。正常化のステップとして、欲をかいた連中がそれなりの報いを負うのは当然のことだ。

 どうせこの75兆円は、米政府だけではとても用意しきれないのだから、子分の「西側同盟諸国」に拠出させることになる。しかし、そのために米欧はじめ「西側諸国」はさらなるバクチを打ち、貧乏人からいっそう収奪する必要に迫られるに決まっている。現に日本などは、ご主人様に擦り寄る犬のように真っ先に拠出の手を挙げた。ところが、当のご主人様は金は出さないと言い出したのだから、いい面の皮だ。もっとも人類の幸福を長期的展望で考えればご主人様の判断の方が正しいのだが。

 欧米では銀行・証券などの金融機関を次々と国の管理下に置く(事実上の国有化)という、“社会主義化”をせざるを得ない情況に追い込まれているのは皮肉なことだ。もっともこれは一般国民のための“社会主義化”ではなくバクチ打ちのための“社会主義化”である。悪あがきという意味では、金正日さん同様“新手の「社会主義」”国家の出現だ。それにしても、相変わらずプーチンのロシアは埒外にいて静かに様子を窺っている。不気味だ。

 今、やらなければならないことはバクチで膨れ上がった、マジックで書いて増やした子供銀行のオモチャの金のような虚金を全て破棄してしまうことだ。それによって何百何千億、何兆円といった馬鹿げた「資産」を所有している連中には、無一文に近くなるやつも出るだろう。当然だ。そんな虚金を作り出すことが環境破壊の大きな要因にもなってきた。全人類の幸福という視点で見れば、それに反する“犯罪”を犯したのだから。不当に得た大金など必要とせず、自らの力で食料をつくり、家を建て、人の役に立つモノを造ることの出来る人間こそが生きる権利があるのだ。


ヌメリアヌス!?

2008年09月26日 | まつたけ

 松本のIさんからマツタケ豊作とその他キノコ情報が届いた。その中に「りこうぼう」というキノコが採れたとある。
 「りこうぼう」?、聞いたことがない。写真を送っていただいていたのでそれを手がかりに調べてみる(表題写真の→)。どうやら「ヌメリイグチ」のことらしい。で、確認のためお尋ねしたところ、確かに長野県松本あたりでは「ヌメリイグチ」のことを「りこうぼう」と呼んでいるとのこと。また、カラマツ林に生える「ハナイグチ」のことは「からまつりこうぼう」というそうだ。

ヌメリイグチ=りこうぼう

ハナイグチ=からまつりこうぼう

上のキノコ写真はWebllio辞書(農林水産技術情報協会)より。

 さらに調べてみると、「長野県や山梨県では「ヌメリイグチ」のことを「りこぼう」「じこぼう」と呼び、山梨県の一部では「あみじこう」とも呼ばれ、...「マツタケ」よりもうまいと言われることもある(Wikipedia)」とある。
 「ハナイグチ」についてはやはり「長野県では「りこぼう」「じこぼう」と呼び、北海道では「らくよう」と呼ぶ(Wikipedia)」となっている。。「ハナイグチ=らくよう」は北海道ではかなりポピュラーに食されているキノコらしい。

 「らくよう」はカラマツ(落葉松)の“落葉=らくよう”からきているのだろうか。では、「りこ(う)ぼう」「じこぼう」はどこからきているのだろう?

 また、「Wikipedia」には、長野あたりでは「ヌメリイグチ」も「ハナイグチ」も「りこぼう」または「じこぼう」と同じように呼んでいるかのように記載されているが、これは「Wikipedia」の記載が調査不足で、実際には地元のIさんがおっしゃるように「ハナイグチ」は「からまつりこうぼう」と呼んで「ヌメリイグチ=りこうぼう」とは区別されているのだろう。
 で、なんだか卑猥なニオイのする「ヌメリアヌス」。「ヌメリイグチ」を調べている途中でひっかかってきた。
 “マツタケ”に“ヌメリアヌス”う..!!?。興味深々調べてみたら、実は就任間もなく若くして謀殺された、古代ローマ帝国の悲劇の皇帝だった。

スイマセン、くだらないオチで


安曇野学校 ―タイガースが―

2008年09月22日 | チェンソーカービング

 先週末から長野~山梨とまわって帰ってきたら、タイガースがえらいことになっているではないか。あの“クソ”巨人と同率首位。オイオイオイオイ。ま、巨人もずらり並べた金食い虫“4番”連中が、ようやくまともに仕事をしだしたのだから当然か。また、つまらない野球に戻っちまった。

 さて、痔民党総裁選同様、出来レースになっちまった野球はほっといて..、安曇野学校へ行ってきた。詳しくは月光仮免さん。ただし100Mbps以下の通信環境の方は覗かないほうが無難かもしれません。

「好きなように練習しなさい」ということで、私の今回の習作はアラブ風フクロウに白くま?

 会場のある長峰山はマツタケシーズンでいたるところ「止め山」の看板がはられていた。会場の「天平の森」では“遊魚券”よろしく「入山券」が3,000円で売られており、1人購入者も目撃した。1本でも採れれば元を取ってオツリがくるほどだが、どうだったのだろうか。

 安曇野と言えば「わさび」、「大王わさび園」が超有名だが、豊科IC近くにもっとおいしいわさび屋さんを見つけた。「望月わさび店」、おすすめです。

つづいて「八ヶ岳南麓景観を考える会」の「甲斐の森」作りへ。

 ログハウス用の間伐材について問い合わせたのが縁でメンバーに加えていただいたのだが、偶然にも15年前八ヶ岳でログ用地取得の際お世話になった(有)アシストの畠中さんもメンバーだった。新月伐採の国産天竜杉にこだわって、儲け主義でなく親身にお客さんとよい家作りに取り組まれている、お勧めのログハウス会社だ。で、これまた偶然にも私の共感するトッテンさんの会社と同じ名前。

 おじいちゃんが店番の農家の野菜直売所で、真っ赤な完熟トマトが4個150円。涼しい八ヶ岳では、9月に入ってもおいしい完熟露地物トマトが食べられる。

 一方で“マツタケ”を売る怪しい露店も。100gほどのが4本で20,000円!。店番のいかにも胡散臭いオヤジに聞くと、「長野県の八ヶ岳で朝採ってきたもの。安くしとくよ」と言う。しかし、“柄”が日本産にしては細くおそらく中国か韓国産だろう。こんな店は出して欲しくない。せっかくの八ヶ岳のイメージが悪くなってしまう。


リーマンブラザーズの破綻

2008年09月17日 | このごろ思うこと

 リーマンブラザーズがどこにも助けてもらえずに破綻した。これで、虚構のバクチ資本主義の化けの皮が少しははがれるだろうこと自体はむしろ歓迎すべきことなのかもしれない。
 一方では周知のとおり、アメリカ版「住宅金融公庫」フレディマックとファニーメイに続いて、「いいな、いいな」の保険屋AIGにも9兆円の延命資金が投入されたそうだ。日本でも、米政府から自民党政府に圧力をかけて健康保険制度を崩壊させ、貧乏人の命をネタに庶民から金を巻き上げ、証券市場という賭場に金を送り込んでいたヤツラだ。
 米国の貧乏人から金を巻き上げる装置サブプライムローンの震源地、フレディマックとファニーメイの貸付残高は合わせて500兆円にものぼるという。日本の国地方合わせた借金が800兆円と言われるからその額がいかに巨大かが分かる。この2社は本来民間事業者だが、貸付残高が巨額すぎてつぶすにつぶせず、7月に米政府は公的資金投入で政府管理下に置きなんとかもたせた。

 米財務長官らは「リーマンへの公的資金の投入は国民の税金を使うことになり理解を得られない」などと言っていた。なぜリーマンは見放されてフレディマック、ファニーメイ、AIGは「公的資金」で救われたのか?
 それは、リーマンに限らず例え証券トップのゴールドマンサックスであろうが、前者は単なる賭場の一プレイヤーであり、少しくらいいなくなっても他のプレイヤーが有利になるだけで賭場そのものはなくならないからだ。しかし、後者は賭場へ資金を吸い上げるための集金装置なので絶対に潰すわけには行かなかった。米国にとって重要なのは、世界の富を自国に集めるための集金システムなのだ。

 あまり表立って報道はされていないが、実はもう一つ米国が狙っていた有力な集金システムが、日本にはあった。消費者金融だ。サブプライムローンと比べると個々の金額は小さいが、サブプライムローンのように「住宅」というダミー商品を介在させなくてもよい、低コスト高収益のオイシイ集金システムだった。

 当初消費者金融は、日本の銀行が貧乏人から金を巻き上げるシステムとして子飼いにしていた。そのあまりのオイシサに外資も目をつけた。しかし、貧乏人を金づるとして生かさず殺さず生き血を吸い続ければよかったものを、あまりにアコギに短期間で大量に吸おうとしたため、肝心の金づるがバタバタと死に始めた。このまま放っておいて金づるが疲弊してしまっては元も子もないと、ついに政府も金利制限(それでも生活破壊的高金利だが)などで規制しはじめウマミがなくなってしまった。

 シティグループの「ディック」、「ユニマットレディース」、GEの「ほのぼのレイク」がすでに売りに出されている。ウマミのなくなった集金装置は日本人(銀行)に買い取らせて尻拭いさせようというわけだ。

 「金融工学」という一見難しいようで、実は単なる集金、虚金製造システムで虚構のマネーを作り出しかき集め超巨額の博打を打つ、米国を中心とした「賭場システム」が行き詰り始めた。
 この「賭場システム」を支えているのは、実は米国債を背負わされている諸外国だ。

 米国債保有残高は、発行元の米国はもちろん、保有各国も正確なところを明らかにしていないようで、同時期の数字でも調査機関などによってバラツキがあるが、2008年1位は当然のように属国日本で60~100兆円、中国50~70兆円(1年で倍!。近いうちにトップになるだろうという観測も)、英国、ブラジル、OPECが各15兆円前後、以下韓国、台湾、シンガポール、タイ..と続く。
 アングロサクソン同盟の英国、資源大国のブラジル、OPECをのぞくと、実は米国のバクチ経済はアジア各国が支え(させられ)ているという構図が見えてくる。

 不気味なのは、この米国中心の賭場システムのらち外にいるプーチンのロシアだ。米国債などという紙切れ寸前の「証券」には手を出していない資源大国、ソ連時代を通じて実質はずっと「覇権主義的帝国国家」のままだ。
 ソ連時代は自称「社会主義」を標榜しており、米国をはじめとした「西側諸国」もそれを利用して「怖い共産主義国」との「冷戦」を吹聴し、「自由で豊かな西側国家」を演出するのに好都合だった。おかげで、ロシアがソ連崩壊を演じ自称「資本主義国家」となって、「西側」のお仲間の仮面をかぶっている今、よほど大きなチョンボをしない限り「西側」も表立って何も言えなくなってしまった。ある意味、悪丸出しの「金正日さんの国」よりも悪賢いと言えるかもしれない。

 今、ロシアは自称「自由で民主的な資本主義国家」となった(と思われている)。しかし、実質は何も変わっていない。それは資源独占指向からくるチェチェン、グルジア(オセチア)紛争や増大する武器輸出などを見れば透けて見えてくる。
 おまけに自称「資本主義」国家となって、「西側」のマネをして小さいながらも資本主義最悪の産物=賭場(株式市場)を、外国資金を導入してにわか作りしてしまった。最も早く破綻する賭場(株式市場)はロシアだろう。日本や中国のように国家としては米国を中心とした巨大バクチ場には組み込まれてはいないが、国内資金に乏しい国民はバクチ資金を外資に頼っている。リーマンショックの影響は及ぶだろうし、バクチで大損した国民の不満をガス抜きをしなければならない。プーチンはどう出るのだろうか?


年をとると...

2008年09月13日 | 今日の出来事

横丁のご隠居のように、どうも世の中のあれこれにイチャモンをつけたくなる。
で、今日のイチャモン。

イチャモンその1)

ものすごくローカルな話で恐縮だが、岩倉の田舎から町へ出る道中の話である。
 宝ヶ池から坂を下って北山通りの交差点(写真の前方)を右折するのだが、途中、同様に右折できた一方通行の道路が3本ほどある。前方の交差点が赤だったり、青でも右折すると必ず次の信号で引っかかるため、この一方通行の道路が抜け道になっていた。「右折できた」「なっていた」と過去形なのは、つい最近、この抜け道が「右折禁止」になってしまったのである。
 写真の交差点右折車線途中、黄色センターライン上に赤の標柱が立って右折できなくしているところ。左には直進の道路標識と右折禁止の看板。

 なぜ、抜け道が「右折禁止」になったのか?それは、抜け道沿いの住民が、「我々の住宅のある「道路」を車が「抜け道」に使って迷惑なので通れないようにしてくれ」と言ったからである。それを共産党の議員が「住民要求」として警察に要請しこうなってしまったのである。

 これってただの住民エゴではないか。私道ならまだしも、こいつらは公共の道路をまるで自分達のものといった感覚なのだ。
 国民の6割近くが生活が苦しいと感じているというご時勢に、この界隈は坪単価150万円前後もする高級住宅街、つまり金持ち達の町だ。そういう住民の生活感覚というのは、さもありなんとは思ってしまうのだが。
 問題があるとしても、「抜け道」になっていることそのものではなくて、「通る車の運転が荒っぽくて危険」だとか、そういう範疇の問題だろう。それは運転手のモラルに属する、また別の問題だ。こんなことをすると、「おとなしく安全運転している車」まで締め出され、この道路は住民以外使い道のない実質私有道路となってしまった。

 私は、今の日本の政党では地道に弱者の生活要求を拾い上げている点で共産党が一番マシと思っている。しかしこれはいただけない。いくらなんでも票欲しさに金持ちに媚びるようなことはして欲しくなかった。

イチャモンその2)

 今日、京都縦貫道路の「綾部安国寺IC-和知IC」間が開通した。これで「舞鶴大江IC-綾部安国寺IC-和知IC」がつながった。で、大江からの帰りに利用してみた。まだ、「和知-丹波」間はつながっていないのでこの間は国道になるが、確かに「大江-丹波」間全て国道を利用するより10分くらいは短縮できた。
 で、問題は料金。「舞鶴大江IC-和知IC」間はほんの5~6分だ。それがなんと650円!、しかもETC通勤割引の時間帯でだ。たっか~、ナメとんのか!ちなみにすでに開通済みの「宮津IC-綾部安国寺IC」は750円だった。1回だけ利用してみたがバカらしくてやめた。「舞鶴大江IC-和知IC」間も、もう2度と利用することはないだろう。
 
 


昨日の補足 -WTO協定について-

2008年09月09日 | このごろ思うこと

 昨日の「いわゆる『ミニマムアクセス米』は最低限輸入を義務付けられたものではない」との私の主張に対して、ある方から「その根拠を示せ」とのご意見をいただいた。

 「経産省WTO協定集のページ」に協定文日本語訳が掲載されているので、あとはご自分でお調べ願いたい。とりわけ政府の言う「最低限義務輸入量」の根拠となっていると思われるのは「関税及び貿易に関する一般協定」第二部、13条、11条であるが、それ以外の協定全文を含めてどこにも「輸入しなければならない量」などの記載はない。あたりまえだろう。本来、(米国に都合のよい)「自由貿易」を阻害させないための取り決めなのだから。

 また、農水省消費者相談室のミニマムアクセス米に関する質問への欺瞞的回答も、政府の手法を知る上で参考になるだろう。“最低輸入機会(ミニマムアクセス)”とすべきところを、こっそりと“最低輸入量(ミニマムアクセス)”などとしてさも「義務」であるかのように誤解を与えるように書き換えている。

 もっとも、今はインターネットという便利なツールがあるのだから、これぐらいは自分でお調べなさいと言いたい。有名なWikipediaも参考になるだろう。まあ、日本のインターネット情報にも、中国ほどではないにしろ、バイアスがかかっているであろうことには注意しなければならないが。

 末筆ですが、米国を「アメ公」呼ばわりしたり、国民をバカ呼ばわりしていると誤解を与える記述をしたことについては反省いたします。


お人好しの日本人は、やっぱりアメ公の「家畜人ヤプー」なのか

2008年09月08日 | このごろ思うこと

 昨日は大江で農業体験ツアーの稲刈り。美しい棚田での稲刈り体験は、あらためておいしいお米を自給できる日本のよさと、それを口にできるありがたさ、大切さに想いを深めた一日であった。
 そんな夜、帰宅して見たTVから全く不愉快極まりないニュースとコメントが流れてきて、せっかくの気分が台無しになってしまった。

 三笠とかいうチンケな会社(だいたい最近よく続く食品偽装はチンケな会社ばかりだ)が、 政府から仕入れたミニマムアクセス米の「事故米」を「食用米」に転売してリスクのわりに割に合わない銭儲けをしたことがバレて問題となっている。まあ、おそらくヤクザな三笠とかいう会社に日ごろいじめられて、快く思っていなかった取引業者のどこかがチクってバレたのだろう。

 さて、この事件で一番ビビッているのは、三笠の社長でも「事故米」を食ってしまったかもしれない国民でもなく、この小事から大事に国民の目が向くことを恐れている政府だろう。もっともこれまでも騙し続けてこれたし、実はそれほど心配はしていないかもしれない。バカなマスコミも、国民の目をそらさせるのに役に立っているし。それにこのところ、「茶番総裁選」や「二大政党争い」、もともとヤクザの興行でさもありなんの相撲界の薬物汚染など、目くらまし事件にはこと欠かない情勢ではある。

 TVや新聞報道を見ていると、「事故米」を「食用米」として売った三笠や、「事故米」を卸業者に売った政府を咎めているものばかりだ。そんなことは誰が見たって悪いに決まっている。この事件の本質には、そんなケチな小悪よりももっと大きな問題があるのに誰も何も言わない。もともとコメンテーターがバカで気がついていないのか、あるいは意識的に触れないようにして国民に気づかせないようにしているのか(多分こっちと、日本の“知識人さん”もそこまでおバカではないと信じたいのだが)。

 まず、事故米を売りつけられた政府だが、そんなものを売りつけた国(どの国だかはお分かりですよね)に抗議も返品も不払いないしは代金返還補償要求すらもせずに、こっそり民間悪徳業者に流してしまっていたのだ。契約時に不良品に対する補償条項を交わしておくなど常識中の常識だろう。粗悪品と分かった時点でまず返品は世間の常識だ。お人好しにも程がある。アメ公の顔色ばかり伺って何も言えないのか。まったく情けない話だ。

 そしてさらにその裏に隠されたもっと重大な問題、いや別に隠された問題でも何でもない、ちょっと考えればすぐ分かる話なのだが。多くの国民がその国辱的取引に何も感じていない情けなさ。「ミニマムアクセス米」だ。政府の言う「WTOの取り決めで最低限輸入しなければいけない量の米」なのだという説明を能天気にも信じている、あるいは考えもしていない思考停止状態の国民が多すぎる。

 そもそも「ミニマムアクセス」とは、WTOウルグアイラウンドでの取り決め、「輸入品にバカ高い関税をかけて事実上輸入できなくするようなことは、“自由貿易”の観点からよろしくないのでやめよう。しかし『何でもかんでもオレの言いなりに買え』というのでは、おまえらも国民の手前困るだろうから、国産品と競争できるレベルの一次関税での輸入量を決めておき、それを越えた場合だけバカ高い関税をかけてもいいことにしてやろう」という、アメ公が持ち出した都合の良い妥協の産物なのだ。

 しかも「妥協の産物」といっても、「“自由貿易”をたてまえに諸外国に自国産品を制限無く売りつけたいけれど、一方で自国産品と競合する輸入品には高い関税をかけて入ってこないようにしたい」アメ公の身勝手さの妥協の産物ということであって、対等な国同士の交渉の結果の「妥協の産物」というのでは決してないのだ。

 「協定」は、断じて「最低限輸入しなければいけない米の量」なんかは決めていない(それでは建前の“自由貿易”が自己矛盾を起こしてしまう)。決められているのは「関税のかけ方」なのだ(それでも十分屈辱的だが)。

 はたして国民はこの馬鹿げた屈辱的「協定」解釈にいつ気づくのだろうか?

 

 


ホームレスネコ

2008年09月02日 | 岩倉発見記

 地下鉄国際会館駅にダンボールハウスで暮らすネコがいる。誰かが餌を与えているらしく食器も置かれている。おとなしいネコで毛つやもよく、人が側を通ってもノンビリと居眠りをしている。人間は友好的な動物と理解しているようだ。

 いつもビクビクしていて、人間の気配を感じただけで隠れてしまう野良猫もいる。そういう野良猫は人間からひどい仕打ちを受け続けてきたのだろう。そういう意味ではこのホームレスネコは、優しい人間に恵まれたようだ。立派な家に「閉じ込められ」て「美味いもの」を喰い、玩具のようにもてあそばれている飼い猫よりも自由を謳歌して幸せなのかもしれない。
 人間の「格差社会」、「いじめ・ひきこもり問題」の解決のヒントがこのホームレスネコにあるような気がした。
 


マツタケの全国大会

2008年09月02日 | まつたけ


「長野日報」2008年8月29日付

「マツタケ生産振興全国交流長野大会」に行ってきた。大会の様子は「まつたけ十字軍」ブログをご覧ください。

 さて、全国のマツタケ生産量は、戦前10,000t以上あったものが戦後半減し、昨年(2007年)はたった51t、実に200分の1以下にまで落ち込んでしまっている。対して、外国産まつたけの輸入量は昨年が1,554tと、国産の実に30倍にものぼる。それでも輸入量も2,000年の3,452tをピークに減少傾向にあり、消費量も2,000年の3,633tから2,007年には1,605tと半減している。国産のあまりの高額さと外国産の品質の悪さに国民のまつたけ離れが進んでいるのだ。「まつたけ」に秋の到来を感じる日本人の豊かな感性、文化が失われつつあるのではないだろうか。

 下のグラフは、1989年ー2007年の全国と上位ベスト5県のマツタケ生産量の推移である。林野庁の特用林産品統計から作成したもので、お役所が把握できていない自家消費分や闇取引分(別に「自由経済」だから“闇”とするのは適切ではないが)は含まれていないが、大まかな実体をつかむには今のところこのデータしかない。

全国はもちろん、かつてのマツタケ王国広島県の落ち込みようは目を覆うばかりである。
 京都も1980年代ころから激減し長期低迷に入っている。よく「丹波まつたけ」と言われるが、京都と丹波山地を共有する兵庫県の生産量は、意外にも1992年を最後に圏外に去っている。
 岩泉ブランドが有名になった岩手県も、1991年に5位に顔を出した後は5年間低迷が続き、1997年、突如として4位に浮上しているがその後は漸減傾向にある。

 長野県もゆっくりと漸減傾向にあるとはいえ、コンスタントにベスト5を維持し続け、ここ2年はトップの座についている。もっとも、長野のトップも他県の自滅傾向によるものではあるが。全国的に激減する中での長野の健闘は、継続的な生産者の努力、「森林税」や各種助成事業など県を挙げての努力の賜物であろう。もちろん、かつては西日本に多かった上位県に比べて高冷地が多く、地球温暖化やマツクイムシの拡大などの環境変化を受けにくいといった条件に恵まれた面もあるだろう。岩手や北海道(北海道ですよ!)ではマツクイムシ被害はまだないと聞くし、長野でも問題となり始めている鹿の食害などの獣害も北日本ではまだ少ないようだ。
 このままでは10年後には、マツタケは長野や東北のごく一部と北海道だけの特産物になっているかもしれない。しかももはや庶民の口には国産まつたけは入らないようになっているだろう。

 こうした情況を見るにつけ、マツタケの復活・増産はもはや農林業の問題であるだけではなく、むしろ環境問題としての色合いが濃くなってきていることを、あらためて思い知らされる。生産者もそのことを十分認識して、単に山作りの技術的問題や利益だけを考えていたのでは早晩行き詰るであろうことを認識しなければならない。
 「マツタケ生産者の全国大会」に参加してまず感じたのは、この意識の差であった。「とにかく自分の山(入札含めて)の生産量を上げて儲けたい」方々と、環境や文化の視点で問題意識を持った、あるいは持ち始め環境団体や市民ボランティアとの協働を模索している方々との格差が開いてきているのを感じた。
 この「大会」は前回開催が10年前の1998年、岩手で行われたそうだ。次回がまた10年後では遅すぎる気がする。ただし、問題意識が栽培技術にのみ終始するのであれば何回開いても事態は改善しないだろう。