WESTWOOD -手作りビンボー暮らし-

持続可能な社会とは、必要なものはできる限り自分(達)で作る社会のことだ。衣食住なんでも自分で作れる人が偉いのだ。

リーマンブラザーズの破綻

2008年09月17日 | このごろ思うこと

 リーマンブラザーズがどこにも助けてもらえずに破綻した。これで、虚構のバクチ資本主義の化けの皮が少しははがれるだろうこと自体はむしろ歓迎すべきことなのかもしれない。
 一方では周知のとおり、アメリカ版「住宅金融公庫」フレディマックとファニーメイに続いて、「いいな、いいな」の保険屋AIGにも9兆円の延命資金が投入されたそうだ。日本でも、米政府から自民党政府に圧力をかけて健康保険制度を崩壊させ、貧乏人の命をネタに庶民から金を巻き上げ、証券市場という賭場に金を送り込んでいたヤツラだ。
 米国の貧乏人から金を巻き上げる装置サブプライムローンの震源地、フレディマックとファニーメイの貸付残高は合わせて500兆円にものぼるという。日本の国地方合わせた借金が800兆円と言われるからその額がいかに巨大かが分かる。この2社は本来民間事業者だが、貸付残高が巨額すぎてつぶすにつぶせず、7月に米政府は公的資金投入で政府管理下に置きなんとかもたせた。

 米財務長官らは「リーマンへの公的資金の投入は国民の税金を使うことになり理解を得られない」などと言っていた。なぜリーマンは見放されてフレディマック、ファニーメイ、AIGは「公的資金」で救われたのか?
 それは、リーマンに限らず例え証券トップのゴールドマンサックスであろうが、前者は単なる賭場の一プレイヤーであり、少しくらいいなくなっても他のプレイヤーが有利になるだけで賭場そのものはなくならないからだ。しかし、後者は賭場へ資金を吸い上げるための集金装置なので絶対に潰すわけには行かなかった。米国にとって重要なのは、世界の富を自国に集めるための集金システムなのだ。

 あまり表立って報道はされていないが、実はもう一つ米国が狙っていた有力な集金システムが、日本にはあった。消費者金融だ。サブプライムローンと比べると個々の金額は小さいが、サブプライムローンのように「住宅」というダミー商品を介在させなくてもよい、低コスト高収益のオイシイ集金システムだった。

 当初消費者金融は、日本の銀行が貧乏人から金を巻き上げるシステムとして子飼いにしていた。そのあまりのオイシサに外資も目をつけた。しかし、貧乏人を金づるとして生かさず殺さず生き血を吸い続ければよかったものを、あまりにアコギに短期間で大量に吸おうとしたため、肝心の金づるがバタバタと死に始めた。このまま放っておいて金づるが疲弊してしまっては元も子もないと、ついに政府も金利制限(それでも生活破壊的高金利だが)などで規制しはじめウマミがなくなってしまった。

 シティグループの「ディック」、「ユニマットレディース」、GEの「ほのぼのレイク」がすでに売りに出されている。ウマミのなくなった集金装置は日本人(銀行)に買い取らせて尻拭いさせようというわけだ。

 「金融工学」という一見難しいようで、実は単なる集金、虚金製造システムで虚構のマネーを作り出しかき集め超巨額の博打を打つ、米国を中心とした「賭場システム」が行き詰り始めた。
 この「賭場システム」を支えているのは、実は米国債を背負わされている諸外国だ。

 米国債保有残高は、発行元の米国はもちろん、保有各国も正確なところを明らかにしていないようで、同時期の数字でも調査機関などによってバラツキがあるが、2008年1位は当然のように属国日本で60~100兆円、中国50~70兆円(1年で倍!。近いうちにトップになるだろうという観測も)、英国、ブラジル、OPECが各15兆円前後、以下韓国、台湾、シンガポール、タイ..と続く。
 アングロサクソン同盟の英国、資源大国のブラジル、OPECをのぞくと、実は米国のバクチ経済はアジア各国が支え(させられ)ているという構図が見えてくる。

 不気味なのは、この米国中心の賭場システムのらち外にいるプーチンのロシアだ。米国債などという紙切れ寸前の「証券」には手を出していない資源大国、ソ連時代を通じて実質はずっと「覇権主義的帝国国家」のままだ。
 ソ連時代は自称「社会主義」を標榜しており、米国をはじめとした「西側諸国」もそれを利用して「怖い共産主義国」との「冷戦」を吹聴し、「自由で豊かな西側国家」を演出するのに好都合だった。おかげで、ロシアがソ連崩壊を演じ自称「資本主義国家」となって、「西側」のお仲間の仮面をかぶっている今、よほど大きなチョンボをしない限り「西側」も表立って何も言えなくなってしまった。ある意味、悪丸出しの「金正日さんの国」よりも悪賢いと言えるかもしれない。

 今、ロシアは自称「自由で民主的な資本主義国家」となった(と思われている)。しかし、実質は何も変わっていない。それは資源独占指向からくるチェチェン、グルジア(オセチア)紛争や増大する武器輸出などを見れば透けて見えてくる。
 おまけに自称「資本主義」国家となって、「西側」のマネをして小さいながらも資本主義最悪の産物=賭場(株式市場)を、外国資金を導入してにわか作りしてしまった。最も早く破綻する賭場(株式市場)はロシアだろう。日本や中国のように国家としては米国を中心とした巨大バクチ場には組み込まれてはいないが、国内資金に乏しい国民はバクチ資金を外資に頼っている。リーマンショックの影響は及ぶだろうし、バクチで大損した国民の不満をガス抜きをしなければならない。プーチンはどう出るのだろうか?


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2 コメント

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神の見えざる手・・・? (ポンペイウス)
2008-09-21 23:04:36
「神の見えざる手」はあるのでしょうか??
  近所の銭湯で おっチャンがリーマン・ブラザーズて吉本の若手芸人みたいなインチキくさい名前やなぁ~!?て言ってはったケド・・・ある意味「当たり」ですネ??
 チョッと極端に言えば実体のナイ虚構?のモノに価値をムリにつけて売り買いして・・・手の込んだ「詐欺」みたいなそして”はじめ”のヤツ(資本家?)は儲けるケド・・・そんな実体のないもん
なので最期に誰か?ババを引くホンマ手の込んだ世界規模的「ねずみ講」なんか世の中(資本主義?)て実はいい加減なもんだと思いますわ・・・個人規模だやると犯罪なのに・・世界規模でやると少なくとも法的には裁かれないから不思議・・被害者 被害規模はホント 個人の犯罪なんかくらべものにならないのに??

 ・・いまだ、あらゆる世界の富 いくら大国ロシアやアジアなど新興国が伸びてもは最期は米国を中心に絶対利己主義的アングロサクソン プロテスタント(ユダヤ資本?)の支配下なのかと「マジ」陰謀説を信じるワケではないですが・・考えます・・・それにつけても「日本」は一時期「経済大国」とか言ってましたが・・・・たまに逆らうとスグ圧力がかかって「市場開放」等・・いかにも合理的な理由で巧みに巧妙な米国の言いなり~ やっぱり「敗戦国」なのでしょうかぁ?? 戦前戦中の大日本帝国を正当化するつもりはゼンゼンないですが(コレも国民は不幸でしたが)今の「日本」は相当情けないと思います?? 
 スイマセン、ついまとまりのない話になりました~~失礼しました(^^
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全く同感です (みや)
2008-09-23 00:26:33
「手の込んだ世界規模的「ねずみ講」」まさに言いえて妙ですな。
 わたしゃ、「株」なんてバクチには手を出さないし、衣食住自分で何とかする目途も立っているので、欲かいた連中が暴落で大損しようが、恐慌になろうが知ったこっちゃないですが。
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