WESTWOOD -手作りビンボー暮らし-

持続可能な社会とは、必要なものはできる限り自分(達)で作る社会のことだ。衣食住なんでも自分で作れる人が偉いのだ。

世界の3極支配構造に異議を

2022年03月22日 | このごろ思うこと

米欧日の好戦的連中は、「善良」な各国民衆の「これ以上犠牲者を増やさないために、ウクライナはロシアに多少譲ってもいったん停戦して、その後話し合いを続ける方がいいのではないか」という声があがり始めていることに危機感を募らせ、「プーチンを調子づかせてしまっては危険、ミュンヘン合意の宥和政策でナチスドイツを調子づかせてしまった過去の歴史に学んで抗戦すべきだ」などと的外れなことを言って戦意高揚させようとしている。

あのねえ、それを言うなら、そもそも2014年のクリミア「併合(実効支配)」に対する「西側諸国」のサボタージュにさかのぼって自省すべきではないか。
プーチンを調子づかせてしまったのはまさにこの時なのだ。毅然と対処しなかった(できなかった?)「西側民主主義」諸国、米、そして何よりウクライナそのものにも大いに責任があるんだよ。

この時、プーチンは思っただろう、「あれっ?、これ行けるんじゃない。NATOを切り崩してロシアが欧州の盟主として今の第3位、3極最弱の位置から3強のトップにのし上がるチャンスかもしれない」。以降、その本音は隠しながらいろいろと欧州に声かけ工作をしてきた。ところが、一向に話も聞いてくれない、振り向いてもくれない。で、ここへきていよいよ業を煮やして暴発してしまった。「オレの話も聞けよ。ロシアをワシをなめるなよ」というわけなのだ。

プーチンロシアは米中露3極では最弱のロシアを最強の一角とするためには、ロシアが盟主となった欧州連合として米中に対抗しなければならないと考えている。ところがその欧州、とりわけNATO加盟国は米の下僕となってしまって結果、米を最強としてしまうのを助けているという認識なのだ。まあ、その認識自体は的を射ているわけだが。

3極の一角、中国はどうか。一帯一路の世界戦略で欧州へ影響力を拡大したい中国は、欧州を率いて世界の盟主となりたいプーチンロシアとは、世界戦略的にも民族的にも相容れないし、欧州をめぐっていずれぶつかる可能性も高い。
しかし今のところは、東方太平洋沿岸の目の前に、今や米軍の最前線基地と化した米傀儡日本の脅威を抱える現状では、北方領土と旧ソ連に対する反共意識から嫌露感情の根強い日本に対する防波堤としてロシアは利用価値がある。なので、今のところは付かず離れず戦略をとっているのだ。

今の世界の現状を動かす主力は、まことに残念ながら、まず武力(抑止力?)、次に経済的影響力(これとてうまく立ち回って巨万の富を得た「富豪」達の意向に左右される)に頼った3極の覇権争い。こいつらにとって最も困るのは、この構造そのものに世界中の一般民衆から異議の声が上がることなのだ。
能天気に「平和」だの「反戦」だの「民主主義」「自由」「平等」とお経のように唱えられたところで痛くもかゆくもない。


「全ての国の非武装中立(各国憲法への明記と国際法化)、全ての軍事同盟解体」を

2022年03月21日 | このごろ思うこと

ロシアのウクライナ侵攻に、またぞろ池上さんがしゃしゃり出て来て、「ロシアに譲歩した停戦合意なんかしてしまうと、ミュンヘン会談の宥和政策でナチスドイツを調子に乗らせ、第二次世界大戦を招いてしまった歴史の二の舞になる。だからウクライナは徹底抗戦せよ。世界は団結してロシアに対抗せよ。」としたり顔で「解説」、同席のキャスターやゲストがウンウンとうなずく。

あれ?これってどっかで見たような光景。ロシア国営テレビの「先生」が子供に、「これはロシア同胞を救うための『軍事行動』なんだよ。西側の謀略宣伝に乗せられないように、情報の真偽をきちんと確かめようね」と諭し、子供がウンウンとうなづき「ハイ分かりました。気を付けます」のプロパガンダと全く同じで笑ってしまった。日本国民はこんなプロパガンダにやすやすと乗せられてしまうんだろうか?

おそらく、「これ以上ウクライナの人々の犠牲を増やさないためにも、(多少譲歩しても)ロシアとの合意・停戦を急ぐべき」という声が出始めているのだろう。これはマズいというわけで、こんなプロパガンダを始めたわけだ。

こうした動きには背後で糸を引くアメリカの匂いがプンプンする。
米としては、3極の一角ロシアが消耗して国力衰退してくれれば大成果なわけだ。米の本音は、正義の味方面で子飼いの欧州諸国や属国日本を動かして「経済制裁」「武器物資供与」で火に油を注ぎ消耗戦を長引かせ、あとは高みの見物で相対的に米の力が強まること。できれば消耗戦に中国も巻き込むことができれば1石二鳥の大戦果。

日本は、本当に平和を目指す気があるのなら、これを機に「全ての国の非武装中立(各国憲法への明記と国際法化)、全ての軍事同盟解体」を全世界に訴えるべきだ。なのに米軍基地固定化「思いやり予算」は増やすは、「核兵器配備」まで言い出すに至っては何をか言わんやだ。


イワシの丸干し

2022年03月17日 | ビンボー技

庶民の魚イワシ。昔より値段は上がっているとはいえ、まだまだ他の食材に比べれば安い。ただ、干物(目ざし)となると値段も倍以上になります。そこで安い生イワシを買って干物を作ってみました。

イワシ。15cm~20cmくらいの中サイズ5尾で100円。
塩を振って新聞紙でくるみ、ビニル袋に入れ冷蔵庫で2、3日脱水します。

脱水したイワシ。水分が抜け少し硬くなる。

晴れの日に、ざっと塩を洗い落とし、干し網に並べて1日天日干し。

出来上がり。

焼いて食べてみた。市販品より脂がのっていて美味しい。ただ、ちょっと塩味が強かった。脱水用の塩が多過ぎたようです。塩は魚全体に軽くまぶす程度で良さそう。


習近平が動き出す

2022年03月14日 | このごろ思うこと

「西側」が期待した大きなトラブルも無く、「コロナ」も抑え込んで北京冬季五輪・パラが終わった。ポイントを稼いだ習近平は、いよいよウクライナ紛争に向けて動き出すだろう。

ヒーロー気取りのゼレンスキーと、メンツばかりにこだわる欧州と、あまり利のないもめごとに関わってロシアと共倒れだけは避けたいアメリカの面々は、プーチンロシアが唯一隙を見せた「ウクライナの非武装中立」提案にちっとも頭が回らず、ポイントを上げるチャンスも逃して泥沼化させてしまった。

それがために、死なせずに済んだはずの多数のウクライナ市民犠牲者を出させてしまい、「経済制裁」とやらで侵攻に無関係なロシア市民の生活までも追い詰めてしまった。市民を犠牲にして屈服させようという戦略においてはどちらも目くそ鼻くそでしかない。「天に唾する」ように「反戦、平和」を叫ぶのも無意味とは言わないが、まずもって考えねばならないのは、いかにして無辜の犠牲者を出さないようにするかであろう。国や同盟のメンツなどその後の話だ。

プーチンロシアが自らの愚行でいずれ国力衰退、場合によってはロシア分割にまで進むかもしれない可能性まで生み出してしまったのは明らかだ。しかしそれゆえにこそ今、最も恐れられるのはプーチンロシアの暴発である。

交渉術というのは「いかに相手の顔を立て(ていると見せ)ながら実利を取るか」である。
世界中から総スカンを食らったプーチンロシアと、一般市民に犠牲が増え続けるウクライナは、今まさに何とかしていったん矛を収めたい(しかもメンツだけは確保しながら)状況にある。
しかし、米とその子飼いのNATO、腰ぎんちゃく日本は今さら仲介などに出てこられるわけもない。

ここで停戦を誘導できれば、米中露覇権争いの中で大きなポイントを稼ぎ、一歩も二歩もリードすることができる。SWIFTを締め出されたロシアには金融援助をはじめとする経済的依存強化を図り、復興に大量の物資供給を必要とするウクライナには、物資の提供と引き換えに「一帯一路の欧州への入り口承認」をのませ、あわよくば中国圏の欧州前線国化してしまうことも狙える。

提示する停戦条件は、
1.「ウクライナの非武装中立化」
「西側」でいたいウクライナは難色を示すだろうが、「あまりプーチンを追い詰めて暴発させれば、相当の市民の犠牲を出して国が崩壊するぞ。ロシアからの圧力は中国が抑えてやる。非武装中立を憲法化したところで、頃合いを見て日本のようにまた改憲を策謀すればいいだけの話」と説得する。

2.「クリミアのロシア主権承認」
ウクライナとしては敗戦に近い屈辱であろうし、「西側」に顔向けできない条件ではある。しかし、もともとロシア人、親ロシア派が圧倒的多数を占める地域で、現状はロシア領と変わらないのだからあとは面子だけの問題。いかにしてウクライナのメンツを立ててやるか。中国お得意の「自治区」、「ドネツク、ルガンスクからロシアの手を引かせる代わりに『自治区』として承認」あたりが落としどころか。

3.以上をウクライナに飲ませるからロシアは全面撤退。

これでまあ、双方のメンツも何とか立ててやりながら大きなポイントを稼ぐことができるわけだ。ただ、そこで不安なのが、こんどはポイントを持って行かれた米の動き。中国の勢いをそぐため、いっそうアジア太平洋地域で日本のポチ右翼連中と反中危機をさらに煽り、無くて済んだはずの緊張を作り出そうと躍起になって来るだろう。


ロシアのウクライナ侵攻における「西側」の罪

2022年03月08日 | このごろ思うこと
ロシアのウクライナ侵攻問題が混迷を深めている。プレイヤーもフランス、トルコ他有象無象の参加者がどんどん増えている。一方で、さすが習近平の中国はなかなかの狸だが。
日本はというと、相変わらず米の顔色をうかがいながら防弾チョッキや食料医薬品などを送る程度の逆に戦闘を煽るかのような「支援」以外、何の役割も果たせず、マスメディアは「西側」発の真偽不明情報と「専門家?」「評論家」のとりとめもない解説を垂れ流すだけ。どこからも解決策の提案もなんにも聞こえてこない。
そんな中、あの橋下氏がTV番組で、曲がりなりにも収束へ向けての提案をしたら炎上、袋叩きにあっているらしい。
彼の提案は端的に言えば「ウクライナの無条件降伏」。「圧倒的な戦力差のもとでこれ以上抵抗戦を続けても犠牲者が増えるだけだから、ウクライナはいったん降伏して雌伏し、機が熟したら再興すればよい」ということのようだ。
私は過去の彼の言動と施政には組しないし、現在は一介の市民でしかない彼をコメンテーターとして引っ張り出すTV局の節操のなさはさておくとして、中身はさておき「収束方向の提案をした」こと一点においてだけは評価したい。
日本では、野球解説よろしく戦況解説する輩ばかりで解決策を提案するやつが1人もいない。
マスコミやSNSでガタガタぬかす奴は、まずおのれの収束提案を示してから言えといいたい。
彼は「日本でウクライナの旗を持ってデモなんかやったって無意味」とまで言ってのけたが、まったく無意味とは思わないけれど当たっている面もあると思う。
プーチンロシアが、まだそれほど犠牲者が出ていない侵攻当初に「ウクライナの非武装中立化、クリミア半島のロシア主権の承認」の2点のみ要求してきた時点で、(言葉は悪いが言葉尻をとらえて)迅速、適切に対処、合意していれば、これほどの市民の犠牲、混迷を招かずに済んだはず。
しかもロシア側からの「非武装中立要求」はこれを機にロシア傘下の諸国や、難しいだろうがロシア自身にも返す刀で「非武装中立化」を求める論拠、足枷にもできえたはずだ。
クリミア半島のロシア主権(=併合)の方は、確かに不平等で屈辱ではあるかもしれないが、2014年以降8年もの間手をこまねいてきた「西側」やゼレンスキーのサボタージュにも責任の一端はある。(むしろ米欧の差し金で戦争・武器商売のためにあえて火種を残しておいたんじゃないかと勘繰ってしまう)
今でも実質はロシア領として容認状態なんだから、今さら実態を追認するだけでどっちみち何も変わらない。
ま「西側」、特に武器で商売する米欧にとって「非武装中立」を合意することは、自分たちにもブーメランで帰って来るのだから渋ったのだろう。
グダグダ渋っているうちにプーチンをいらだたせ、させなくても済んだ戦線拡大、民間人無差別攻撃を許して犠牲者を増やしてしまい、さらに出させなくても済んだはずの「追加要求」まで出させてしまった。
混迷ここに及んではプーチンロシアも振り上げたこぶしをますます下ろしにくくさせてしまった。プーチンロシアとは比較にならないが「西側」の罪も重い。

ロシアのウクライナ侵攻と「西側」の対応のまずさ

2022年03月05日 | このごろ思うこと
<ロシアによるウクライナ原発攻撃の核戦争並みの危険性>
プーチンロシアがウクライナのザポロジエ原発を爆撃、火災が発生と報道されている。IAEAは今のところ「放射能漏れはない」としているようだが、これはえらいことだ。
第一に、これは核ミサイルを使わない核攻撃に他ならないからだ。しかし、ロシアは「原発を狙ったわけではないが、不測の事態でたまたまミサイルが原発へ飛んでしまった」とかなんとかいくらでも言い訳できる。
初めから核ミサイルによる核攻撃であれば(あってはならないことだが)核ミサイルによる報復という手段が、理屈上は成立しうる。しかし、通常のミサイル攻撃に対しては、まともな国なら核ミサイルで報復するわけにはいかない。それこそ思惑通りとロシアから本物の「報復」核ミサイルが飛んで来るだろう。
第二に、原発が崩壊すれば、チェルノブイリや福島第一原発とは比較にならない重大な損害を周辺地域に与え、しかもその悪影響は100年以上にわたって周辺地域を苦しめ続けることになる。
カーリングじゃないけれど、どちらに転んでもプーチンロシアとしては次の一手を先手で打てることになるのだ。年をとってしまったプーチンは認知症気味で怒りっぽくなった暴走ジジイかもしれないが、参謀は官兵衛顔負けのなかなかの軍師のようだ。
<ロシア、ベラルーシパラ選手排除の愚>
IPCがロシア、ベラルーシ国籍の選手の個人の立場での北京パラ出場を一転、認めないとしたそうだ。世論は、誘導もあってだろうが「当然」とする空気に流されている。しかし、よく考えてほしい。ロシア、ベラルーシの選手には、国籍がそれらの国であるというだけで、ロシアのウクライナ侵攻には何の責任もないのだ。まあ、「自国の侵攻を指示する」などと表明があれば道義的責任は問われても仕方ないだろうが、しかし百歩譲っても、侵攻を提起も命令も参加もしていない選手を侵攻懲罰の具に使うなどということは許されることではなかろう。むしろ、プーチンや自国の暴挙に失望、反対している選手や選手を応援している国民の、侵攻反対の気持ちを揺るがせてしまう可能性すらある。
侵攻を止めさせるうえで侵攻国国民の感情・意向は、何かといえば「報復攻撃力」だの「抑止力」だのと暴力的な方向でしか頭が回らない連中の単細胞脳より、ずっと抑止力も強く大事なのではないか。
<西側諸国は本当に世界平和を追求する気があるのか?>
ロシアの要求の1つ「ウクライナの非武装中立化」、こんな願ってもない提案にNATO、「西側」諸国は、愚かなことにメンツが邪魔してか受け入れられないでいる。
世界平和の究極の理想は「全ての国の非武装中立化」。腹の底はいざ知らず、その方向にそった提案が、わざわざロシア側からなされたのだからさっさと合意すれば少しでも世界平和に近づくのに、「ロシア側からの提案に乗るわけにはいかない」という、くだらないメンツにこだわってせっかくの和平チャンスどころか、ロシアに平和に向けての枷をはめられるチャンスをも反故にしてしまっているのだ。
その理由が、マスメディアも世論誘導する「ロシアの言う、『NATO不拡大約束』なんか無かった」と、これまた的外れの詭弁のような言説である。
あのねえ、プーチンロシアとしては『NATO不拡大約束』があったか無かったかなんてどうでもいいことなのよ。ただ侵攻の口実が必要なだけ。奴らとしては侵攻を正当化できるへ理屈が成立するなら何でもいいわけだ。奴らにとってこの提案はある意味賭けだった。奴らにとっては「ウクライナの非武装中立化」提案に「渡りに船」と飛びつかれていたらむしろ困ったわけだ。だからこそ、「クリミア半島のロシア主権承認」なんて難題をバーターで提案してきているのだ。こんなもの、2014年の併合以来の「西側」のサボタージュのおかげで事実上成立してしまっていることだが、この要求を飲むということは「西側」サボタージュが表に出てしまうということで「西側」としては簡単に飲めないことを見透かされている。情けない。
『NATO不拡大約束』があったらあったで、「ウクライナが約束を破りそうな動きを見せるからこんなことになったんだ」と言うだろう。『NATO不拡大約束』が無かったらなかったで、「NATO拡大を狙う動きはロシアにとって脅威だから対抗措置をとったんだ」と言える。
プーチンロシアの深層心理は要するに「米中露3強による世界秩序管理の一角としてもっとロシアに忖度せえや。ワシの言うことも聞けよ」ということに他ならない。もっと平たく言えば「かまって、かまって攻撃」、心理は金正恩と大差ない。異なるのは、ハッタリではない危険な軍事力、核兵器を有しているかどうかだ。ま、大きな違いではあるが、その点を踏まえて彼らの言説に少しでも隙があればそこを突いて縛りをかけ、その縛りをじわじわと強くしていく戦略をとるべきなのに、まったくもって何をやってるんだと言いたい。
 

今シーズン最後?

2022年03月03日 | お遊び
またまたまた性懲りもなく、朽木スキー場。雪面コンディションは10時ころまではまだましでしたが、気温上昇とともに次第に緩み始め昼頃にはシャーベットのような重たい雪。年寄り極楽スキーヤーは早々に切り上げててんくう温泉へ。今シーズンのスキーはこれでラストかな。
帰路は恒例のてんくう温泉からの宝牧場。今回はお肉の特売は残念ながら無かったですが、スィーツコーナーに珍しい特売品、「バウムクーヘンの耳」!?残り2パックを私とツレとで完買。
見た目より重量感、帰宅して量ったら350gありました。200円チョイ/100g。43円は消費税か?バウムクーヘンを量り買いしたことはないので安いのか高いのか分かりませんが🤔、味はとても美味しかったです。

ウクライナ紛争の陰に3極の争い

2022年03月02日 | 里山

ロシアの要求は2つ。
1.ウクライナの非武装中立化
2.クリミア半島のロシア主権承認
2.はまだしも、1.はロシアにとっても欧州にとってもさらには世界にとってもまったく当然で、世界平和のためにはウクライナに限らず世界のすべての国がむしろ進めるべき方向ではないか。日本は対米従属政府によってなし崩しに米の前線基地化が進められてしまったが、憲法9条によって少なくとも憲法上は1.に関しては先進国だった。
2.はちと難しいが、すでに2014年のロシアによるクリミア併合をNATOも米国も世界も軽視しあいまいうやむやに対処し、事実上容認してきてしまった。
この問題を今ごろになって「一見正当と見ざるを得ない、1.の安全保障問題要求」を「西側」が簡単には飲めなくさせるための戦術カード」として持ち出され、対応に苦慮、問題を泥沼化させざるを得なくなってしまった原因なのだ。
しかしこれら1.2.を認めれば、少なくともロシアの侵略理由・「正当性」は失われ、ウクライナの要求「全てのロシア軍の撤退」に大きく近づくことになる。もしそれでもロシア軍が居座り続けるなら、ロシアと手を組んでまずは3極の一角、米国の勢いを弱めようとたくらんでいる中国も動きづらくなり、ロシアとしてもむしろ困ることになるのだ。
一方、3極の残り2つ米国、そしてとりわけ中国。
ロシアに国境を接し一帯一路の中東経由欧州への影響力拡大を狙う中国にとっても、また米国にとっても、対中最前線として重要な地勢的位置にある日本と違って、所詮、対岸の火事。むしろこのままもめ続けてロシア、欧州がともに疲弊し、相対的に中国、米国それぞれ自国の影響力が強化・増大できるであろうことを計算しているのは火を見るより明らかだ。
NATOや米国がウクライナに武器を供与するだの、ゼレンスキーの市民を竹槍ならぬ木銃や火炎ビンで武装させるだの、火に油を注ぐだけの愚策をけしかけるなんてもってのほかではないか。
憲法9条のおかげで曲がりなりにも80年近く他国と事を構える事態を避けられた日本は、その事実をもとに世界各国が向かうべき方向を指し示すことができるはずだ。


プーチンロシアのウクライナ侵攻をめぐって

2022年03月01日 | このごろ思うこと

ウクライナ侵攻問題の本質と解決の方向を探る上で、単に侵略戦争反対を叫ぶだけでは解決はない。プーチンロシアの「安全保障」=「世界の主導権争い」への危機感を理解しておく必要がある。

過去のキューバ危機。冷戦時代、米と目と鼻の先キューバにはソ連の基地があり核配備の疑念もあった。NATOに対するキューバと中南米の左派政権国家群とのバランスが冷戦膠着の基礎になっていたのである。
バルト3国やマケドニアはじめ軍事力に関しては問題にならない国々がグループを離れ米を盟主とするNATO組の子分に寝返っても、いたずらに無益な摩擦は避けてきた。しかし、ウクライナはロシアにとっての安全保障上の性格が全く異なるのだ。自国での核兵器開発能力がありロシアと国境を接し、ミサイルが配備されればその射程範囲は極東にまで及ぶのである。これはかつて米がキューバに感じていた脅威をはるかに上回るものだ。

NATOが欧州諸国だけであったならロシアからの射程内であり、その「抑止力」をもって抑制できると踏んで黙認していたであろう。しかし、今やキューバとてかつてのようなロシア(ソ連)の子分ではなく、米周辺にロシアが攻撃能力配備可能な場所はないのである。この不均衡の中で、ウクライナが子分でなくなることにいかにプーチンはじめロシア中枢、軍部にとって大きな脅威を感じるかは明らかだろう。
これは沖縄はじめフィリピン、グァムの米軍基地の脅威にさらされている中国にもいえることである。
ちなみに、日本のバカどもが何かと言えば騒ぎ立てる「台湾有事」なる幻想。台湾には米軍基地は”無い”のである。米国は中華人民共和国を国として承認しているが、台湾=中華民国を国としては”承認してはいない”のだ!この事実をいったいどれだけの日本人が認識しているのだろうか。もっとも、それでも米国は台湾に武器供与し、事実上の「国交」も行っている。それほどに米は狡猾なのだが、対する日本の安倍的政治家や論者の単細胞的思考にはただただ呆れるばかりだ。

不気味なのは習近平の中国。
ウクライナの事態に今はおとなしく高見の見物を決め込んでいるが、裏ではプーチンと今後の大陸支配の分け合い、さらには当面手を結んで3強からの米排除を狙っているのは間違いない。そして、それが首尾よく達成されたあかつきに、次に待っているのは中露の主導権争いだ。
パラリンピックを滞りなく成功させた後には、ロシアと結んでの動きが表面化してくるのは間違いない。中国は問題だらけの国ではあるが、少なくとも五輪という世界的事業をコロナを抑え込んで成功させた事実は直視し、その教訓を学ぶべきであるのに、相変わらずおバカな日本人たちは、中韓たたきで的外れなうっぷん晴らしをするしか能がない。いずれ世界の流れの本流を見せつけられ、あっけにとられることになるだろう。