続・てんしん日記2022

teacapブログから引っ越しました。
花の写真、本の感想、日々のできごと等々かな。

新年おめでとうございます。

2013-01-02 07:07:00 | 雑感
 穏やかないい一年になりますように。
 暮れから読んだアメリカ小麦戦略」と日本人の食生活という本が面白く、2日で読み終わりました。
 前半は戦後アメリカでの農産物の大量の余剰が出たこと。その量たるや1日1億ドルの保管料に値するもので、その押しつけ先を国を挙げて探すところに、敗戦後の日本の食糧難があり、おりしも欧米追従の食事をいいものだと飛びついた話。そのいきさつには日本での脚気という国民病を克服する論争が続いていたこと、白米たらふくという軍隊での食事が日清日露戦争時代に大勢の脚気患者の死者を出すことになったこと等々。子どもの頃の味覚はその将来も影響することを考えて、学校給食でパンと牛乳というメニューが半ば強制されたこと、キッチンカーはじめ戦後の食指導にアメリカの小麦戦略が深く関わっていたこと。この60年で日本人の食生活が根底から変わる要素となっていったこと。
 後半には日本人の食生活とは本来どうだったのかの考察があり、16世紀フランシスコザビエルが書いた「彼らは時々魚を食膳に出し、米や麦を食べるがそれも少量である。ただし彼らが食べる草(野菜)は豊富にあり、またわずかではあるが、いろいろな果物もある。それでいて、この土地の人々は、不思議なほどの達者な体をもって居り、稀な高齢に達する者も多数いる。したがって、たとえ口腹が満足しなくても、私たちの体質は、僅少な食物によって、いかに健康を保つことができるものであるかは、日本人に明らかに顕れている。」とあります。この日本型食生活とは?
 日本型栄養学とは、白米を主食としたのではない、精米が十分できない時代の主食は分つき米であったところから、主食を見直そうと述べられています。パンか米かではなく、米が主食、しかも玄米により近い形で、という主張です。

 広大な土地を持つ国は自国の生産したものを他国へ売ることが重要で、他国の文化である食の習慣など壊す位は平気であることがよくわかる本です。戦後すぐ始まった小麦、大豆、トウモロコシの大量輸入から日本的食が見事に破壊され、病気が増え続けていると警告しています。農業自給力の低下は完全に仕組まれたものだったのです。それはいま沖縄で行われている不良品オスプレイの押しつけともつながってくると私には思えます。

 というわけで、新年早々、読書三昧?と言いたいところですが、締め切り間近です。
紅白の美輪明宏さんはよかったですねえ、とってもかっこよかったです。大人の男の要件を満たした人という感じでした。石原親衛隊など吹っ飛んだでしょう。
 小さなデンファレが小さな温室で咲いています。