続・てんしん日記2022

teacapブログから引っ越しました。
花の写真、本の感想、日々のできごと等々かな。

読書

2010-11-25 13:21:00 | ノンジャンル
 年長の尊敬するTさんに「子どもたちと話す天皇ってなに?」池田浩士著・現代企画室の本をいただき、読んでみました。
 天皇ってなんでしょう。戦争を始めたり終わらせたり。象徴になったり。近くには昭和記念公園があって、庭ですといって毎日のように散歩する人が大勢いる中、私は「生物学者で緑を愛した天皇」「牧野博士の病床にアイスクリームを賜る天皇」という展示を見せられても、何だかなあとあんまりぴんとこなくて足が向かない所です。
 この本は子どもへのメッセージとして書かれていますが、私には初めて勉強することがたくさんありました。戦後のあの時代に作家たちが違う方向で天皇制を考え、権力と芸術を通して個人の心の問題まで、空気のように支配する思想を今一度考えなおそうとした本を提示しています。中野重治、坂口安吾、竹内好などです。それから皇室典範の元ともなった福沢諭吉の「帝室論」「尊王論」。福沢諭吉の言う「わが帝室(皇室のこと)は日本人民の精神を収攔(しゅうらん、人の心を自分のほうに集めてつかむこと)するの中心なり」という考え方などはいまの憲法にもつながっているのだろうか。等々。
 中心地点が誰の心にも明確であるとすると、遠隔の部分では国家の安全保障の負を背負っていてもいいという考え方にならないだろうか、と戦後引き続いている沖縄の基地問題を思う時、ついつい考えてしまうのですが。
 写真は居ながらにして見える秋景色です。イチョウの葉っぱを那覇に送って喜ばれたことがありました。