続・てんしん日記2022

teacapブログから引っ越しました。
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高野悦子著「母」を読みました

2006-12-03 10:33:00 | ノンジャンル
岩波ホールを主宰している高野さんが、お母さんを介護されたことを中心に50代から70代をどんな気持で過ごされたか、というとても貴重な記録です。
桜色のきれいな表紙と、昔、高野さんの心の風景として新聞に出ていた白山の風景が息をのむほどに美しく、どんな方が育つのだろうという興味から手にしました。
「母」の偉大さが書かれてあまりあるほどで、いまになって自分が母像を何も持たず母になった後悔がおしよせてもきます。が、明治の女たちが強いのは吹く風が強かったから、というお母さんたちの立場で、志を持ち生きた女たちのつながりが、高野さんの映画人生に引き継がれ、世界の女性たちへとつながっていく様は見事です。
岩波で見た大好きな「ローザルクセンブルグの生涯」「芙蓉鎮」は介護の大変な時期にこのようにめぐり合ったのだと知り、興味深かったです。
高野さんが日舞や韓国舞踊をしているということもなんてステキでしょう。
茨城に住むエキプドシネマ会員のAさんからお誘いがきました。さあ、久しぶりの岩波です。