横田喜三郎
満州事変で軍を批判した彼は社会主義的法学者として東京裁判を翻訳したことで知られる。著書天皇制においては廃止を暗示していることからも反日日本人の第一人者である。後に最高裁判所長官に就任し廃止論はなかったことになっている。
天皇の地位は、国民からも与えられたものである。国民の意志から伝来したものである。
その結果として、もし国民が欲するならば、つまり、国民の多数が欲するならば、天皇の地位を廃止することもできる。
天皇をもう国家と国民統合の象徴として認めることをやめ、天皇という地位そのもの、制度そのものを廃止することもできる。
(『天皇制』70頁)
彼の論を能動的廃止論と呼ぶならば、女系論は皇統断絶を企む時限爆弾とも言えよう。小林よしのりが新天皇論において過去の継承2例を女系継承と印象操作するのも現代人に女系継承を受け入れ安くするためだろう。
小林よしのりの新天皇論より
8人10代の女帝は、男系女子であり、皇統はすべて男系だという主張は、実はこの皇統をめぐる議論が起きてから出てきたのであって、それまでは8人の女帝が男系か女系かなど、重要視されていない。
それどころか「女系継承」と考えられていたケースすら、2例も存在していた。
1例目は、第37代斉明天皇〈女帝〉から第38代天智天皇への継承である。天智天皇は、斉明天皇の実子。すなわち、母から息子へ皇位が移ったのだから、素直にこれは、「女系継承」と意識されていた。
しかし、斉明天皇は第34代舒明天皇の未亡人であり、天智天皇を産んだのは天皇に即位する前だったということで、あくまでも天智天皇は、男帝・舒明天皇の子として、男系に位置付けられるという、少々ややこしい解釈・こじつけ・言い訳がなされ、今ではこれを「男系男子だった」ことにされている。
2例目は、第43代元明天皇〈女帝〉から第44代元正天皇〈女帝〉への継承である。
元正天皇は元明天皇の実子で、これは母から娘への譲位である。しかも元正天皇の父は天皇ではなく草壁皇子だ。祖父は天武天皇だが。』
八木秀次教授
一方八木秀次教授は図解入りで判りやすく女系継承と男系継承を説明し、女系継承がシステムの崩壊を招く危険性を言及している。
「例えばこの系図で説明すると、まず女子Aは父方が天皇(男子)なので“男系女子”、そして男子Bを“男系男子”となる。一方、女子Aが皇族の以外の方と結婚して生まれてきた子どもは母方が皇族になるため、男子Cは“女系男子”、女子Dは“女系女子”となる。その子どもたち(男子G、H)、さらに男子Bの子どもの女子Eと孫の男子I、男子Fの子どもの女子Jも含め、女系は皇族の身分から離れ、民間人になるのが今の仕組みだ。 そして残った“男系男子”である男子B、男子F、男子Kの3人だけが、11人いる天皇の子孫のうち、皇位継承資格がある、ということになる。これが“男系継承”と呼ばれる、天皇になる資格を持つ者を絞り込む仕組みだ。一般の家庭の場合、女子が跡継ぎになったり、他家の男子に養子を迎えて跡継ぎになったりすることがある。
ところが天皇の地位だけは完全に男系の血統、血筋を継ぐ者のみが皇族となり、天皇になれる正統性があるということになっている。これは他の国の王室とは異なるもので、遺伝子、極端に言えば育てられた環境や能力とも関係がない。
ここに対して“女系継承”を認めることになると、11人全員に皇位継承資格を持つことになる。そのことにより、確かに安定的にはなるが、65、66世代前の天皇の子孫にまで対象が広げてみると、多くの民間人、おそらく我々にも皇族、皇位継承資格があるということになってしまう。それでは皇室というシステム全体が壊れてしまう。
以上のように我々一般国民にも皇位継承資格が認められるようになると天皇と国民の関係、つまり國體は脆くも壊れ去るのである。
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