道々の枝折

好奇心の趣くままに、見たこと・聞いたこと・思ったこと・為たこと、そして考えたこと・・・

鄙稀れ(ひなまれ)

2022年01月20日 | 人文考察
「鄙には稀な美人」と謂う。これを短くつづめて鄙稀れ(ひなまれ)とも謂う。辺鄙なところに美人は少ないという都会人に独特の偏った思い込みである。AIの顔認識システムでも使って、無作為に街行く女性の顔を判定するなら、客観的な信頼性の高いデータが得られるだろうが、現代でも相変わらず根拠の不明な直感的認識が、鄙稀れ説を支えている。我が国には、大昔から鄙(地方)を蔑み都(中央)を尊ぶ弊風があ . . . 本文を読む
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先進国の国民

2022年01月18日 | 随想
ある国が先進国か発展途上国か後進国かを別けるものは、GDPでも国民の大学進学率でも、インフラの完成度でもなく、その国の国民が、どの程度政府を醒めた目で見ているかどうか、ということで決まる。先進国の国民は、自分達の政府を心底から信用したりはしない。制度というものには欠陥が必ず付き纏い、自分たちが選んだ議員たちや官僚は清廉潔白とは限らず、時には私利私欲に駆られることがあることを理解しているからだ。制度 . . . 本文を読む
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恐竜

2022年01月15日 | 随想
食卓の目の前の窓の外に、油圧ショベル(ユンボ)が、バケットをニューッと差し伸べた。肉食恐竜の頭のように見える。昨年末から、我が家の周りの道路で、老朽化した水道管の更新工事が始まっていることは承知していたが、眼前間近にユンボのバケットを見るのは、滅多にないことで愕いた。迫力があり、思わずたじろぐ。当方の食事時刻が遅いことで遭遇した光景、寒さで外出を嫌い、観察不足を嘆いていた身には、誂え向きの好シーン . . . 本文を読む
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佐鳴湖散歩

2022年01月08日 | 佐鳴湖公園
スマートニュースに、毎日40分ほどの散歩が脳の海馬の体積を増やし、記憶力が向上するという10年前の研究が載っていた。年間で1、2%ほどらしい。たかが1、2%と云う勿れ。プラスとマイナスでは大きな違いだ。粗忽者のやつがれ、今朝から佐鳴湖への散歩を躊躇なく再開することにした。海馬が増えるなら、万難を排して散歩を続ける意欲が湧く。寒さなどはものの数ではない。行ってみると、三連休の初日ということもあって、 . . . 本文を読む
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民主主義の目的

2022年01月07日 | 人文考察
人間は物を蓄える動物である。人類は農耕を知って初めて、穀物を保存することで富の蓄積を覚え、それを人生の目的とするようになった。「資本主義」は、人類の社会に富が現れ、富を拡大再生産する様々な方法を次々に発見し開発した結果成立した、人間の本性に由来するイデオロギーである。「自由主義」はその始め、資本の無制限な活動と増殖の自由すなわち王侯貴族など特権支配者たちの自由を保障するものだった。近世になって、欧 . . . 本文を読む
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