道々の枝折

好奇心の趣くままに、見たこと・聞いたこと・思ったこと・為たこと、そして考えたこと・・・

ナチュラリスト

2018年06月24日 | 随想
私はプロフィールに掲げたとおり、ナチュラリストの端くれと自認している。日頃は人工にとりかこまれて生活の利便を得ているが、若い頃から山野を跋渉することが大好きだった。それでも自分が、深い自然に包みこまれ、獣の匂いを身近に嗅ぎ、鳥の声を聴いている時に、最も幸福感を感ずると気づいたのは、すでに初老に近くなっていた。 それからは、「南ア深南部」と呼ばれていた光岳以南の山々の原生林の奥に分け入り、其処 . . . 本文を読む
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淡水魚食文化

2018年06月21日 | 人文考察
月に1回、日帰りで近江の歴史を探る旅を重ねて早くも3年目に入った。主目的は古代から中世の史跡を訪ねることだが、近頃ではそれに付随して、近江の味覚を探るのが副目的になりつつある。日帰り行とはいえ、昼食(時には夕食も)は成る可く江州ならではの伝統の味に触れるようにしている。海に恵まれた在住地の遠州では、一般に淡水魚は好まれない。川魚というと顔をしかめる人が多い。惣菜魚は海魚一辺倒、宴席でも魚はもっ . . . 本文を読む
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レプリカ

2018年06月16日 | 人文考察
3世代同居家族の中の3つ違いの小学生兄弟。学校から帰ると我々祖父母の居室に来て、祖母にミルクティーをねだり、おやつを食べてから宿題。遊んだり喋ったり、ひとしきり騒いでから引き揚げる。 「行ってきます」「ただいま」に、「行ってらっしゃい」「お帰り」と応答するのは、我が家では老人の役目である。両親は子どもたちが登校する前に出勤し、下校後に帰る。下校時には、祖父母のどちらかが必ず在宅するように . . . 本文を読む
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長浜市国友町

2018年06月10日 | 歴史探索
近畿地方も梅雨入りしたが、近江路に前線が掛かるまでには、まだ間があるようだ。今回も好天に恵まれた。爽やかな風が岸辺の葦原に吹き渡り、堰堤の落ち込みの白泡が煌めいている。 伊吹山地の新穂山(1065m)に源を発して南に下り、途中で向きを西に変え琵琶湖に注ぐ姉川は、流程わずかに39km。流域の半ばは山地で、平野に出ても流れは比較的速く水は清い。 元亀元年(1570年)6月28日、織田 . . . 本文を読む
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梅雨入り発表

2018年06月06日 | 人文考察
名古屋気象台は今日6月6日、近畿、東海、関東・甲信が「梅雨入りした」と見られる」と発表した。例年、セミの最初の一斉奏鳴と気象台の梅雨明け発表とを比較し、梅雨明け認定能力の優劣を比較評定している。  セミは毎年明快に梅雨明けを教えてくれているのに、気象庁の梅雨明け認定の仕方は、推定と確定の2段階表示方式で歯切れが悪い。  セミの奏鳴は本能行為、気象庁の . . . 本文を読む
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