道々の枝折

好奇心の趣くままに、見たこと・聞いたこと・思ったこと・為たこと、そして考えたこと・・・

初恋

2017年05月27日 | 随想
年齢のせいか、半生を振り返ることが多い。 中学2年の時に、初恋らしきものを経験した。一方的で先方の気持ちを確かめた訳でもなく、恋の範疇には入らないような仄かな感情だが、初恋らしきものという外はない。 ただ普通でないことに、ほとんど同時にふたりの女性に似たような感情を抱いた。決して軽佻浮薄な気持からではなく、それぞれの女性と接する生活空間が異なっていて、そのどちらの生活空間も自分にと . . . 本文を読む
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初夏のスナップ

2017年05月24日 | 自然観察
この時季の自然の移ろいは足が早い。  坂道のスイカヅラの花がめっきり減って、代わりにテイカカズラの花が目立つようになった。 リス坂にヤマザクラの巨木があることをこれまで気づかなかった。あまりに木が高すぎて、幹の脇を往来しながら花が目にはいらなかったのかもしれない。 中学校の傍に下る坂を降り、民家の庭のホタルブクロを観賞しながら川に出て橋を渡る。 淵では、小ガモが二羽、追い . . . 本文を読む
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若気の至り

2017年05月22日 | 人文考察
「若気の至り」という言葉は、若い時の破廉恥な振る舞いに対する免罪符のように使われる。懐旧の思いを籠めて「若い時ゃ莫迦ぁやったもんだ」と老人がよく口にする。今は違うという主張が、言外に表れている。時効となった放埓を、ちょっぴり誇る気分がある。 「そんなこたぁない!」今でも相変わらず莫迦をやっているのだ。自分を客観視できていないのと、年の功と社会的地位が、批判の防波堤になっているだけのことだ。人の本 . . . 本文を読む
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キジバト2

2017年05月21日 | 自然観察
今頃の季節は野鳥の行動が活発で、住宅地に在っても外にはいろいろな鳥の鳴き声が満ちている。それをウチの中から聴くのも嬉しい。  夜が空け初める頃、目覚めてまだぼんやりしている時に、キジバト(ヤマバト)の遠い鳴き音を聴くのはとても心地が好いものがある。  ベッドの中はほどよく温かく、外周りで鳴くスズメの声もしじゅう聞こえている。その声が何かで途絶えた僅かの合間を縫って、キジ . . . 本文を読む
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ツバナ

2017年05月19日 | 飼育・栽培
毎年ハイキングに好適な今頃になると、川の土堤や草原などで、一面に広がるチガヤの白い穂が風に波打っている光景を目にする。古く万葉の時代には「チ」と呼ばれていたらしい。この穂をツバナと呼ぶ。  イネ科チガヤ属の国内ただ一種の植物で、日当たりの良い場所に好んで生えるから、農村地帯の草刈りを頻繁にしている一帯に広く群生する。川の堤も常に刈り込まれているので群生地になる。 同じ . . . 本文を読む
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