道々の枝折

好奇心の趣くままに、見たこと・聞いたこと・思ったこと・為たこと、そして考えたこと・・・

木洩れ陽の道

2019年11月18日 | 随想
半世紀ほど前までは、市街地の中心部から郊外の三方原台地の真ん中を縦貫し、湖北の奥地に至る鉄道線が通じていた。大正の時代に敷設された歴史ある鉄道だったのだが、戦後のモータリゼーション社会に存続の余地はなかったようだ。廃線跡の軌道敷の一部が遊歩道になって通学や散策に便宜を与え、市民の多くに親しまれている。台地を掘り下げた切り通し道は、住まいから街まで歩く際の、静かで安全な絶好の間道である。軌道跡 . . . 本文を読む
コメント

その後のスズメきょうだい

2019年11月16日 | 自然観察
前エントリーでご紹介した「スズメのきょうだい」はその後も元気で、毎日朝昼晩、他のスズメたちと共に餌台に来る。他のスズメと識別がつくかと訝しむ向きもおありだろうが、そこはそれ、お互いに何となく通ずるものがあるから一目で判る。ただしどちらが兄か弟かはもう判らない。彼ら「きょうだいスズメ」の特徴は、形態ではなく行動にある。しぐさというか癖というか、他のスズメが絶対にしない行動をする。そ . . . 本文を読む
コメント

沼津港で

2019年11月12日 | 人文考察
朝から新幹線と在来線を乗り継ぎ、御殿場線の山北と御殿場に行った。用を了えた帰りに沼津で降り、バスで港まで行き定まって立ち寄る店で昼食を摂った。食後沼津港を撮ろうとしたら、撮りたい情景がない。港というものは、不思議なものだ。港湾設備が整い大規模であるほど、写真や絵になる景色が乏しくなる。小さな、湊と呼ぶような、海で魚を獲る人と小型の船の束の間の安息と憩いが伝わってくる、生活感ある光景は此処にはもうな . . . 本文を読む
コメント

虚栄心

2019年11月07日 | 佐鳴湖公園
佐鳴湖を巡る公園は一周約6km。湖は三方原台地から流れ込む水を集め、水門を経て運河で浜名湖に繋がっている。水面と台地面との比高が約30mあり、湖外周の斜面は起伏に富んで樹木が繁り、場所によっては里山の趣きを呈している。老若男女それぞれ、目的をもって訪れる人たちが多い。ジョギング、ランニング、ウォーキング、バードウオッチング、プランツ・ハンティング、、、。昔のように単に散策したり、ベンチで語り合う若 . . . 本文を読む
コメント

街歩き

2019年11月06日 | 人文考察
私が街を歩くのは、市井の風俗に触れ人々の観察ができるからである。市井は私の生まれ故郷であり成育の場だった。今老いて、再び故郷に足を運んでは、自分と見知らぬ人々とを観察する。追憶とは違うようだ。変化の激しい街は、追憶には適さない。私は人も鳥や獣と変わらない自然的存在であることを強く意識している。人間だけが自然界に君臨すべき生物とは見ていない。自分も含め人間と動植物を客観的に同列に置い . . . 本文を読む
コメント