道々の枝折

好奇心の趣くままに、見たこと・聞いたこと・思ったこと・為たこと、そして考えたこと・・・

現実は計画を裏切る

2023年11月27日 | 人文考察
何事も、人の想いどおりに事は運ばない。人生では、予想は現実に裏切られ続けられるものかも知れない。トルストイの「戦争と平和」は、現実の戦闘がいかに作戦計画を裏切るものであるか、また、勝敗を決するものは、少数の優れた将軍たちの力量に依るものでなく、名もない兵士たちの奮闘であることを、繰り返し説いている。つまりナポレオンや参謀たちの頭脳(想像力)から生まれた作戦計画というものは、一旦作戦が始まると、予想 . . . 本文を読む
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漱石と鴎外

2023年11月24日 | 随想
明治の文豪というと、夏目漱石と森鴎外が双璧として並び称される。しかし、人となりには相当の違いがあると思うので、不遜ながら老生の独断・偏見を披露させていただく。漱石と鴎外は、文芸家としての業績はともかく、人柄は双璧たり得ない。鴎外ファンには悪いが、人としての鴎外は、漱石と同格とは思えない。漱石は英国留学の挫折を経て、やむにやまれぬ思いから、小説を書き始めた。鴎外は漱石の文業の成功に触発され、この程度 . . . 本文を読む
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マタンゴ

2023年11月23日 | 人文考察
日中戦争と太平洋戦争、戦争に明け暮れた挙句の敗戦とその後のアメリカナイズ社会は、旧い日本社会が連綿と守ってきた日本人の誇りを完膚なきまでに粉砕した。ちょうどその頃に登場したテレビは、娯楽として軽薄な芸能文化を国中に広めたが、人々の日常生活の慰安という点では、空前の効用をもたらした。同時にそれは、大宅壮一が「1億総白痴化」を危惧したとおり、日本人の豊かな情操と知性を退行させるものでもあった。アメリカ . . . 本文を読む
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イチョウの純林

2023年11月21日 | 自然観察
次男の運転で、掛川と菊川の両市を通過した。まず掛川市の国道150号に沿う店で買い物を済ませた。続いて国道から北に向かう。掛川から菊川にかけて、国道150号とJR東海道線に挟まれた広大な地域には、低い丘陵が起伏し、網の目の様に道路が丘の間を縫っている。ナビなしで初めて入ったら、道迷いは必至だろう。次男のお勧めスポットがあるということで立ち寄る。道路の左手にイチョウの純林が現れた。整然と碁盤の目のよう . . . 本文を読む
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次郎柿

2023年11月20日 | 自然観察
柿が美味しくなってきた。当地は次郎柿発祥の地、遠州森町に近い。遠州人は次郎柿好きが多い。石田三成は関ヶ原の合戦に敗れて処刑される前、水の代わりに柿を勧められたが、胆の毒と云って断ったらしい。三成だけでなく、柿は身体を冷やすと信じて食べない人がいる。老生は柿でお腹を壊したことなど一度もないから、取るに足らない風説だろう。次郎柿は摘果後も熟成が進み、完熟するとスプーンを使わなければ食べられない。この完 . . . 本文を読む
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