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道々の枝折

好奇心の趣くままに、見たこと・聞いたこと・思ったこと・為たこと、そして考えたこと・・・

趣味の洗練

2025年07月13日 | 人文考察
趣味というものは、それが本物なら、どんなものであっても必ず洗練を招き寄せるものである。人をしてそれを洗練させずには措かないのが趣味であり、洗練に向かわなかったとしたら、それはその人の趣味にふさわしくないものだったのである。趣味を洗練することは、仕事に精通することと変わらない。なぜなら、個人にとってのそれは、車の両輪のようなものであるから。そのエネルギーの源泉は向上心だろう。趣味だけの生活も、仕事だ . . . 本文を読む
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面識というモノ

2025年07月13日 | 人文考察
私たちの社会は、異様なほどに面識の有無に拘泥する。「顔繋ぎ」という言葉もある。面識のある無しで、他人への態度に違いが顕れるのは、洋の東西にかかわらず普遍であろうが、私たち伝統のムラ社会では、際立ってそれが強固であることに愕く。面識はコネクションの入り口である。安倍元首相は「お友だち」すなわち面識を人一倍大切にする人で、在任中は面識のあるなしで、人への対応が大きく振れるところがあったように見えた。政 . . . 本文を読む
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過去に学ぶ

2025年07月08日 | 人文考察
ユーラシア大陸の東南部は、大河によって流域の広闊な平野が潤され、温帯性の気候の下で農耕に勤しむ性温順な人々が舊くから暮らしていた。農耕は狩猟や牧畜・遊牧に較べ生産力が高く、この地域に富と文明をもたらした。最も富んだ実力者は人々を政治的に支配し、王朝が次々に興る。この地域の北方の草原には、遊牧や狩猟を生業とする剽悍で好戦的な民族が多数蟠踞していた。遊牧を営む幾つかの民族は、大挙して屢々南の農耕民族の . . . 本文を読む
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権威主義

2025年06月20日 | 人文考察
その国の国民の大多数が、事大主義(長いものに巻かれること)の傾向を帯びていると、自ずと権威を崇拝し権力に盲従する国民性が出来上がる。権威を慕い権力に従順であることで安心を得たいからである。権威主義を育てるのは、権威を具える当の本人でなく、無数の被支配者、民衆であると見てよいのではないか?何ら権威にも権力にも与ることのない、無力な一般民衆の権威への跪拝の念が、石垣のように積み累なり、権威主義を確固た . . . 本文を読む
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ゆきずりの人々

2025年06月19日 | 人文考察
私たちは、その短い人生の途上で、膨大な数のゆきずりの人たちとの出会いと別れを体験している。会ったことも別れたことも露ほども意識しなかった接近である。交誼のあった人たちを凌駕する膨大な数の人たちと接近している。その人たちのそれぞれから見れば、私もその人たちのゆきずりの1人である。そもそも社会活動というものは、人と人との出会いを促すものであるから、人が社会に出れば、人との接触は増える。我が身を顧みるに . . . 本文を読む
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