佐藤匠(tek310)の贅沢音楽貧乏生活

新潟在住の合唱指揮者・佐藤匠のブログです。

アレクサンダー・ガヴリリュク ピアノリサイタル

2006年01月22日 00時30分03秒 | クラシック

 

 水曜日、アレクサンダー・ガブリリュクの

ピアノリサイタルへ行く。

 

 前日のELLEGARDENからのこの幅。

我ながら凄い(どんな自画自賛だ)。

 

 アレクサンダー・ガヴリリュクは、

1984年ウクライナ生まれ。21歳。

1999年ホロヴィッツ記念国際ピアノコンクール第1位。

2000年第4回浜松国際ピアノコンクール第1位。

2005年アルトゥール・ルービンシュタイン国際ピアノコンクール

第1位及び金賞、ベストコンチェルト賞受賞。

各国でのリサイタルが多数予定されてる新進気鋭のピアニスト。

 

 会場はりゅーとぴあコンサートホール。

このリサイタルシリーズは、りゅーとぴあ主催だが、

実は客入りが今一歩。

巨匠ではなく、これからという若手実力者を選んでいるからか。

 

 曲はまず、ブラームス「3つの間奏曲」Op.117。

 渋いっ!とても21歳のリサイタルのオープニングとは思えない。

ブラームス晩年の作品。どこを切っても渋い。

しかし、とても味わいある作品。

対して、弾いているピアニストはとても若いけど、

華美なところはなく、非常に落ち着いた演奏。

冒頭から、このピアニストの幅の広さを垣間見る。

 

 同じくブラームスの「2つの狂詩曲」Op.79。

こちらは有名な作品。

ちょっと癖のある表現が気になったが、悪くない。

大きな構成力。

 

 ショパン「練習曲集」Op.10より3曲、Op.25より2曲。

 ショパンの練習曲集は、ただのエチュードではなく、

芸術的価値も高いが、やたら難しい。

しかし、しっかり弾ききっていた。確かなテクニック。

 

 休憩を挟んで、ムソルグスキー「展覧会の絵」。

これ、生で全曲聴いたことがなく、楽しみにしていた。

全曲演奏すると非常に長いが、

曲ごとの個性をしっかり捉えた演奏で、飽きが来ない。

スケールの大きさが、時として若干の荒さに感じることもあるが、

この作品を表現するには許容範囲。

全16曲、一連の流れがドラマとなって完成。

 

 アンコールは、ラフマニノフ「ヴォカリーズ」。

叙情的な作品の後、2曲目、いきなりファンファーレ。

そう、メンデルスゾーンの「結構行進曲」。

何だ?と思ったが、それがただの結婚行進曲ではないことが分かる。

恐ろしいほどの超激難アレンジ。なんて曲だ。

「リストか?」と思ったのだが、

実はホロヴィッツの編曲。

そりゃ技術の限りに挑戦するだろうさ。納得。

おそらくここで終了予定だったのだが、

3曲目、モシュコフスキーの「スパークル」。

さらっと弾いて、ここで終わりかと思ったが、

拍手が止まずもう1曲。ここでも耳なじみの曲が。

そう、モーツァルト「トルコ行進曲」。

しかし、もちろんただのトルコ行進曲ではない。

「リストか?」(2度目)、と思ったが、

ヴォロドス編曲(知りません。ごめんなさい)。

こういう超難曲を弾きこなすだけの確かな技術がある。

そして小さくまとまらないスケールの大きさ。

客席は大盛り上がりで終わる。

 

 コンサート、今日は当たりだったが、

実は一つ気になったことが。

 僕は、演奏者との、暗黙の了解、

コンサートの流れみたいなものを、大切にしたいと思っている。

要は、しつこいのが嫌いなわけです(笑)。

本当に、感動して拍手する分にはもちろんいいのだけど、

「もっと弾け」「まだ出てくる」みたいな感じで

拍手し続けるのがどうもダメで、

「あっ、ここで終わりだな」

みたいなのを感じ取って欲しいなと思ったりすることがよくある。

今日も、僕の中では、2曲目のアンコールで終わっていた。

それは、「ここで終わりだな」というのを感じ取ったから。

でも、拍手は続いた。

 日本のお客さんって、客電をを上げるまで拍手をやめない。

なんか、惰性で拍手している人もいるような気がする。

うーん、僕の独りよがりでしょうかね。

意見のある人、書いてください。

 


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
アンコールの話、同感です!!!! (さとこ)
2006-01-24 23:51:09
アンコールの話、同感です!!!!
プログラムの最後の曲が終わって感動と充実感にひたりたい時に
余計に長い拍手はいらん!!!!
演奏者だって終わりたそうなのに~
と思うことはよくあります。
返信する
 さとこさん、どうもです。 (tek310)
2006-01-25 19:41:31
 さとこさん、どうもです。
 同じ思いの人、いましたね、ありがとうございます。
ピアノのふたを閉めるパフォーマンスをさせたり、客電をあげさせたりする前に、
演奏者の様子をもう少し観察して、
いい雰囲気を作ることに客も
協力すべきだと思います。
返信する

コメントを投稿