佐藤匠(tek310)の贅沢音楽貧乏生活

新潟在住の合唱指揮者・佐藤匠のブログです。

歌曲への誘い Liederabend vol.2

2006年05月11日 23時25分27秒 | クラシック

 

 先の書き込みの合宿を15:00に終え、

18:00からの上記コンサート、一路新潟へ。

だいしホール。

 

 このコンサートは県内出身のテノール歌手

竹内公一さんが主催しているコンサート。

今回は、同じく県内出身で、交流のあるソプラノ歌手

北住順子さんを迎えて開催。ピアノは沼田由布子。

 

 ギリギリ間に合ったのはいいのだが、

久しぶりにだいしホールへ来て知ったこと。

 

 

 駐車券の2時間無料サービスがなくなったこと。

 

 

 知っていたら、あんな高い駐車場に停めなかったのに。。。

あの駐車場、夜間の方が高いという変わった駐車場。

近くには40分100円の格安駐車場があったのに。。。

ホール運営の財政難?

3階の給茶機も撤去されてるし。。。

 

 

 さて、内容ですが、

第一部はシューベルト、ブラームスを竹内さんが、

ヴォルフを北住さんが歌った。

シューベルトとブラームスに関してはたまたま

全部知っている曲だった。

 

 竹内さんのアプローチは、ご本人もプログラムへ書いていたが、

余計なことや奇をてらったことはせず、

とにかく曲の持つ良さを伝えようという歌い方。

テノールらしく、メロディーラインを美しく。

言葉の扱いも、どこかを強調したりではなく、

旋律線を美しく歌うことに細心の注意を払っていた。

この辺は、テノールらしいアプローチだなと思った。

バリトンだと、おそらく若干違うかもしれない。

というか、自身の体験や経験を、

歌の中にどの程度投影するか、という話。

竹内さんは、それを意図して避けていた気がする。

そうする中で、曲本来の姿を浮き立たせようというように

感じられた。

 

 今回の様に、比較的軽めの作品を並べる中では、

このアプローチは正解だったと、聴いていて感じた。

とはいえ、羊飼いの嘆きの歌や五月の夜では、

ちゃんと曲のドラマ性も聴き手に伝えていた。

 

 そして、前も少し書いたかもしれないが、

北住さんのヴォルフは、とてもはまっていて良かった。

私は正直、ヴォルフは少ししか聴いたことが無いが、

ウイットやアイロニーを必要とする作品が多い。

そんな曲の軽妙さを見事に表現していた気がする。

もうレパートリーと言っていいのでは。

後半の猪本作品といい、

レパートリーの開拓にも余念が無い姿勢、恐れ入る。

 

 後半はその北住さんの猪本隆作品と、

竹内さんのブリテン、木下牧子作品。

日本歌曲は正直、私の手つかずのジャンルなので

コメントは避けたい。

一聴衆者として、色々な歌曲の世界を楽しませていただいた。

 

 そしてピアニストの沼田由布子さん、

非常に的確な表現とその幅の広さを感じさせた。

欲しいところで音が来ることの幸せを感じながら

聴かせて頂いた。

 

 歌曲の世界、

やはり、若干華やかさに欠けるきらいはあるので、

プログラムとしてなかなか取り組まれないが、

今回のような小さいホールで、

歌曲を楽しめる機会がもっと増えたらいいな、

歌曲ファンとしてそう思った。

竹内さんのこの試みが

これからも続くことを願いたい。

 


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