日曜日。
合唱は朝10:00集合。
プログラム順にリハーサル。
フェニックス合唱団としては、一番最初に新市歌のリハ。
前日聴いてぶったまげたのだが、
今までピアノ伴奏で練習していたので、
衝撃的というか華やかなファンファーレがついて豪華に。
その後少し空いて「讃歌」「大地讃頌」のリハ。
明らかに昨日のサウンドより良い。
13:00前に終了し、昼食。
前も書いたのだが、僕は開場前の客席に一人座って
ボーっとするのが好きなのだが、
今日は開場が1時間前(13:30)。
昼を食べたらもう開場時間。残念。
基本的に、出番前って、
僕は一人でいることが多い。
あんまり楽屋にもいなくて、
一人でいて、何となく気持ちを高めていくのが好き。
14:30、開演。
オープニングでまず「新長岡市歌」。
懸案だった言葉を立てることに皆注意を払っていた。
曲が終わると、合唱団の団員でもある森市長の挨拶。
合唱団員は、少し時間が空く。
僕は楽屋(3階)へ一度上がったが、すぐにステージ脇へ。
ショスタコービッチの「祝典序曲」の後半と、
イベール「フルート協奏曲」の最初を一人袖で聴く。
祝典序曲は、長岡高校の吹奏楽部も参加。
派手な作品で、高校生も一生懸命吹いていた。
フルート協奏曲は、長岡の星小山裕幾がソリスト。
高い技術に感心しながら聴いていた。
舞台が休憩に入って、合唱団は準備。
後半は「讃歌」のステージ。
オケのみの演奏が最初30分近く続く。
前日と打って変わってオケの切れ味が格段に良い。さすがプロ。
そして2番の最初で起立。
第一声は良い音が鳴った。
小澤先生は客席でガッツポーズをしたとか。
この日出来が良かったと個人的に思ったのは、
強い声のところより、むしろ弱音部分。
4番、5番が結構上手くいったと思う。
そして、この日最も心が震えたのが、
テノールソロの6番から7番、8番への流れ。
テノールソロの高橋淳さんが後に打ち上げで語っていたとおり、
6番の歌詞、そして曲は、
震災で被害に遭った長岡市の状況に重なる。
部分的に少し引用すると、
我々は闇の中で叫んだ。
番人よ、もうすぐ夜が明けるのか?
しかし番人は言った。
朝は来たが、また夜も来る。
(中略)
番人よ、もうすぐ夜が明けるのか?
このソロは、曲の最中に、
レチタティーヴォの部分が繰り返し出てくる。
それが、
「番人よ、もうすぐ夜が明けるのか?」
という部分。
この高橋さんの歌唱が本当に素晴らしく、
後ろで聴いていて本当に心が震えた。
震災後の暗く長い「夜」。いったいいつ復興するのか。
長岡市民の気持ちを代弁するレチタティーヴォ。
「番人よ、もうすぐ夜が明けるのか?」
そしてソプラノソロ、釜洞さんが歌う。
「夜は過ぎ去った。」
7番に突入。
ここの一連の流れが、あまりに感動的で、
僕は一人感激して7番に入っていた。
高らかな合唱の歌声。「夜は過ぎ去った!」
心が震え高鳴り、歌う。
しかし、周りは不思議と良く聴こえていた。
女声の充実した素晴らしい響きにまた感激。
そして、7番からアタッカでの8番。
先に書いたとおり、この8番が一番の肝。
「Nun danket alle Gott ! 」(さあ、全てを神に感謝しよう!)
この冒頭の歌いだしが良かった。
高らかなオケと合唱のサウンドによる7番から、
8番の冒頭から2ページにわたるアカペラ。
アカペラは非常に重厚で、各パートがほぼ2声、計8声に分かれる。
恐らく一番の出来だったと思う。
オケが入ってからは全声ユニゾン。
神への感謝を歌う。
そして、一番最後、
「神に我らの歌をもって感謝をささげよう。」
ここだけ、4声が分かれる。
分かれることで、それぞれの思いを表したメンデルスゾーン。
一人一人の歌、それぞれの歌で、
皆が感謝する。
前日のメールで読み替えたように、
指導者、スタッフ、聴衆、演奏者、
そして全ての団員への感謝を表して歌った。
私たちを結びつけたこの「讃歌」、
素晴らしい作品に出会ったことにも感謝して。
10番の最後で、
冒頭のテーマが現れる。
最後数小節は、正直感極まってしまった。
1年にわたって練習してきた「讃歌」の演奏が終わった。
最後は長岡少年少女も混ざっての「大地讃頌」。
オケ伴奏と合唱で雄大に奏でられた大地讃頌。
演奏会が終わった。
終了後すぐに打ち上げへ移動。
1年間お世話になった方にご挨拶をする。
この1年間についてはまた別に書きたいと思う。
遠いので、1次会で失礼したが、
充実した1日が過ぎた。
そして、誰にも言わなかったが、
思い出深い、良い歳の取り方だった。
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