佐藤匠(tek310)の贅沢音楽貧乏生活

新潟在住の合唱指揮者・佐藤匠のブログです。

Ensemble Evergreen第2回演奏会~人はつながり そして うたが満ちる~(その1)

2006年02月03日 00時54分42秒 | 合唱

 

 Ensemble Evergreen第2回演奏会へ行く。

 

 

 Ensemble Evergreen(以下EG)は、1998年結成。

東京都合唱コンクールでは4年連続入賞中。

2003年エストニアで行われた国際合唱祭”Tallinn2003”に参加。

コンペティションにて室内合唱部門第1位を獲得。

2004年、中米グアテマラでの合唱祭”ENLACE CORAL2004”に招待され、

好評を博す。2005年には沖縄県那覇市で主催演奏会を開催。

様々な作品をレパートリーとし、国内外で幅広く活動している。

 

 私所属する合唱団senza Nomeと同じ指揮者で、

その傘下の合唱団の集合体「合唱団LINC」での交流もある。

 

 埼玉県川口総合文化センターLILIA音楽ホール。

600席。まんべんなく埋まっている。

1ベル後、団員10名ほどがステージへ。

 

「♪Ladies and Gentleman~~~switch off!」

 

 着メロが鳴る。ステージ下、大声で話す男(EG団員)。

 

「♪Do it now!」 男を指差す。

 

 そう、携帯切ってくれの歌です。マンティヤルヴィの曲。

マナー守れない人が多いから、こんな曲が出来てしまうのだ。でも好評。

 

 登場。25名強。ばらけて並ぶ。

第1ステージ「ルネサンス・バロック作品集」。

 ジャヌカン「鳥の歌」。

テノールの第一声。非常に洗練された響き。

長年の練習の蓄積のなせる業か。

洗練されたサウンドでこの俗な歌を歌うところが面白く意味がある。

曲に比して若干人数が多いかとも思ったが、

鳥の鳴きまねなども、よく表現されていて、

響きの美しさと曲の猥雑さが渾然一体となったいい演奏だった。

 

 指揮者MC中に並びなおす。密集した並び。

アニムッチャのミサより「Kyrie」「Agnus Dei」。

抑え目な表現で曲に光を当てる。

若干乱れたのが惜しかったが、方向性に共感。

 

 普通に並び替えて、

ジェズアルド「Moro lasso」、

モンテヴェルディ「Io mi son Giovinetta」。

名曲2曲が並ぶ。

 

 団長挨拶後、第2ステージ「エストニアの風景を歌う」。

 トルミス「秋の風景」。

 エストニアの、決してさわやかではない、

ひなびた秋の様々な風景を描写した、味わい深い曲。全7曲。

コンクールでも演奏しており、非常に安定感がある。

意外と単純なモティーフを使い最大の効果を挙げるのがトルミスだが、

それもやはり男声の厚い響きがあってこそ。曲の欲するサウンドを

ちゃんと鳴らしていたと思う。

 僕の好きなのは終曲の冒頭の和音の移り変わり。

「♪C-B♭m-A♭M7」と広がる和音(楽譜ないので間違ってたらすみません)。

これが気持ちいいんだ!期待通りのいいサウンドが鳴る。

そして、終盤、ユニゾンになって、和音が移り、最後のハイCへ。

ハイCはもう一歩だったが、

7曲それぞれの曲の個性、つまり秋の風景を、

まさに音で、描いていたと思う。

 

 休憩中、ステージとロビーで、団員の小アンサンブルがあった。

この合唱団は小アンサンブルにも積極的。

リアルグループや邦人ポピュラーの編曲も歌う。

柔軟な姿勢。

 

 休憩後、第3ステージ。「中米からの贈り物」。

 

(つづく)

 


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