社会断想

諸々の社会現象にもの申す
中高年者・定年退職者向け

ヘリコプター・ペアレントとは?

2008年05月27日 12時17分21秒 | 社会断層
ヘリコプター・ペアレントとは何?
通学途中で急な腹痛を起こした子供を救うために腹痛薬を押っ取り刀で届けるという薬会社のTVコマーシャル がある。
アメリカではヘリコプター・ペアレト(ヘリコプターに乗った親達)という言葉があるそうである。つまり子供に一旦事が起これば親がヘリコプターで子供の頭上に舞い降りるというものである。ともにマンガチックな状況なり言葉であるがヘリコプターが登場する発想はいかにもアメリカ的ではある。
大学の入学式から就職相談まで付き添う又は口出しする親がこのところ急増しており、大学当局もこれの対応に頭を悩ませているという記事がA紙に出ていた。少子化時代を反映しての親の過保護の結果であろうが、昔人間の小生には何ともため息の出る話である。
ため息ついでに10年ぐらい依前に聴いた話を思い出した。
同窓会か何かの小さな集まりで当時の学長先生が嘆いていた。つまり入学式に付き添ってきた母親がまるで幼稚園児の保護者意識レベルの質問をしてきたそうである。(子供を自転車で通学させたいが交通事故が心配なので安全ルートはないか?等)学長先生は腹立ちを通り越し情けなくガックリした由。
ということは過保護の親とひ弱な学生のペアー現象は今に始まったことではないのだろう。

第2外国語が必修から外される?

2008年05月26日 13時04分16秒 | 社会断層
大学での第2外国語が必修から外れる?
5月26日の朝日新聞に「変わりゆく第2外国語」という記事が出ていた。
つまり教養課程の必修であった第2外国語を必修から外し、もっと英語教育に力を入れようという事らしくこの方向を取り入れていく大学が増えている由。
小生も50有余年ほど前に 第二外国語をとしてフランス語を選択した。当時大学で用意していた外国語授業は必修の英語の他に第2外国語として選択必修一科目のフランス語とドイツ語であった。ドイツ語とフランス語のいずれか選ぶため最初は両方の授業に出てみた。ドイツ語は最初に哲学とドイツ語の関連についての話であったと記憶している。
フランス語の方は先生がポータブル蓄音機とレコード数枚を抱えて入ってきた。何事が起こるのかと眼を見張っていると先生は矢庭にレコードをかけ始めた。
忘れもしない曲目は「ラ・マルセーズ(フランス国歌)」ともう一枚はシャンソンであった。(こちらの曲目は忘れたが)。
ラ・マルセーズの勇壮な響きとシャンソンのもの悲しい旋律を聴かされて「これはいいや」と文句なく第2外国語としてフランス語を選択した。賢明な選択と思ったのはここまでである。いざ本番の授業は文法の詰め込みが約6ヶ月、それが終わると文学書の訳読である。
結局第2外国語は小生にとっては社会に出てからも触れることは殆どなく、無駄であったとしかいいようがないのである。
英語以外の第2外国語を選択した大半のOB諸君は似たような思いではなかろうか?
その結果が冒頭のような流れになったのではないか?
国際化・グローバル化で求められる幅広い教養・国際感覚・知識を云々するならばもっと違った方法があるのではなかろうか。私の提案は、例えばフランス語ならば語学と併行してフランスの歴史、周辺諸国との関係・文学・芸術や現在の社会の問題等を教えるべきではと思う。尤も語学専門の教師には手に余る事かも知れないし従来の授業時間だけでは収まりそうにもないが。

もっと教育支出を増やせ GDP世界第2位が泣くよ

2008年05月24日 11時51分48秒 | 社会断層
教育振興基本計画がいよいよ動き出すか?
教育振興基本計画に向けて文部科学省の原案が明らかになったと各紙が報じている。
2008年から2012年にかけて教職員を2万5千人増やすなど国内総生産(GDP)に占める公的支出を現在の3.5%から今後10年間のうちに5.0%を上回るようにするという目標を立てているとのことである。
そこで各国のGDP対公的教育支出のデータをOECD「図表で見る教育200年版」でみると次のようになっている。
日本は対GDP公的支出で3.5%OECDの5%に及ばず、私費負担を含む合計対GDP比率で4.8%で OECD平均 5.7%にこれまた及ばない。
資源小国の日本が世界に貢献しながら生き抜くすべては人材力にかかっていると思うのだが、その人材力を支える教育支出がOECDの平均に及ばないというのが現状である。
先頃スイスの経営大学院IMDが世界の競争力ランキングを発表したが日本は22位と低迷している。教育費支出対GDPと競争力ランキングとの密接な相関性を小生は見いだせないがきっと将来反映すると思えてならない。文科省頑張って頂戴。

付表1:全教育段階公的支出対GDP比率順位(国は筆者による勝手なピック・アップ)
1位 アイスランド 7.2%
5位 フィンランド 6.9%
13位 USA   5.1%
16位 韓国    4.4%
24位 日本    3.5%
OECD 平均   5.0%

付表2:私費負担を含む合計対GDP比率順位 (筆者による勝手なピック・アップ)
1位 アイスランド 8.0%
2位 USA    7.4%
3位 韓国     7.2%
9位 イギリス   5.9%
15~16位?日本 4.8%
OECD平均 5.7%
注)付表1,2は「図表で見る教育2007年版」

世界の競争力(IMDの評価)を見て

2008年05月21日 12時54分21秒 | 社会断層
GDPが世界第2位の日本の競争力はなんと・・・

GDP(国内総生産)の世界第2位の日本も競争力では22位であるという。これはスイスの経営大学院IMDが例年発表する世界競争力スコアー2008年版で発表したものである。世界第2位のGDPと22位の競争力には違和感を感じるのは素人の小生のみかなと思ってIMDの2008年版を当たってみた。確かにスコアーボードでは22番目に位置していた。ちなみに2007年は24位で2番上昇はしているもののあまり威張れた話ではない。
IMDの競争力評価基準項目は多項目に亘っているが同ホームページに4つに集約されたデータが記載されている。4つの集約項目と各項目の日本の順位を【】内に示すと
○Economic Performance (29)
○Government Efficiency (39)
○Business Efficiency (24)
○Infrastructure (4)
となっている。
ちなみに競争力上位10ヶ国は
1位 アメリカ
2位 シンガポール
3位 香港
4位 スイス
5位 ルクセンブルグ
6位 デンマーク
7位 オーストラリア
8位 カナダ
9位 スエーデン
10位 オランダ

そのほか アジア諸国で日本より上位にあるのは
13位 台湾
17位 中国
19位 マレーシャ
となっている。
日本はインフラは4位と健闘?しているものの 他の項目が中位から低位に甘んじている。早い話がバランスが悪いということである。
その象徴はGovernment Efficiency 39位である。Government =政・官しっかりしてください。

易しそうでも読めない漢字

2008年05月15日 13時07分57秒 | 社会断層
易しそうでも読めない漢字

つい最近の新聞紙上で常用漢字表に追加される可能性のある候補漢字のリストが出ていた。ざっと眼を通した感じでは日頃お目にかかる漢字ばかりとの印象であった。
小生近頃はワープロに頼ることが多く感じがどんどん書けなくなったが読むのはいささか自信があった。しかしながら当の漢字が一字単独では読みづらい字も可成りあった(小生個人の場合)。
例えば「稽、貌、蘇、顎、阜、傲、套、填、彙 etc」である。
考えてみると上記の例に限らず漢字は2字乃至4字の熟語で読んでいることが多いので相棒の漢字と合わせて読むのに抵抗がない。これが1字漢字となるとウーンと詰まる感じである。それはそれとして地名や名前には読み方に難儀することがある。
最近ぶっつかった例として地名で千葉県にある市名「匝瑳市」(そうさし)、人名では中国四川大地震に関して東大地震研究所の「纐纈」(こうけつ)教授である。
匝瑳市も纐纈先生も紙上ではでは振り仮名がついていなかった。纐纈先生の場合はテレビでは最初は振り仮名が付いていなかったが次に見たときはちゃんと振り仮名を付けていた。やはり読めなかったのは小生だけではなかったと心中ニヤリとした。多分視聴者から文句が出たのではなかろうか?
ともあれ新聞、雑誌、単行本や学術論文などももう少し振り仮名をサービスしたらどうだろう。このままだと漢字が読めないが故の読書離れが進むのではないだろうか。