社会断想

諸々の社会現象にもの申す
中高年者・定年退職者向け

近頃手放せないもの 電子辞書

2008年03月18日 12時47分54秒 | Weblog
近頃手放せないもの 電子辞書
歴史小説好きな小生にとって近頃手放せないものがある。
それは手帳大のまさに電子辞書である。小生の良く読む歴史小説は主として幕末、維新ものである。
登場する人物、出来事や地名は実在する、したものが殆どである。
いままでは、そんな固有名詞は或る程度の淡い知識で読み流していたが、最近はそれらについて少しく拘りが出てきたのか、例えば、ある人物に対して、もう少し詳しく事績を知りたいと思うようになった。
昔なら分厚い辞典をひっくり返すところだが、この電子辞書のお陰で簡単に調べられるようになった。人物にしろ出来事にしろ期待以上に出てくるのにビックリする。
たかだか15x10x1センチ程度の箱の中によくぞこれだけの情報が詰め込まれているのだと感心するばかりである。如何に電子技術が発達し、メモリ素子の集積度が高くなったというもののである。
そもそも小生が電子辞書を購ったのはある必要に迫られて高等学校名を調べていたときである。その中で、どうしても読めない漢字に、校名の頭字に出あったのである。ワープロの故で漢字は読めるが書けないという悲哀を感じていた(ワープロの所為にしてはいけない!)ものの逆に読む方には自信があったのだが。これではならじと電子辞書を買って 件の字を調べ、その読み方と意味が分かった。名付け親の創立者の思いも伝わってきた訳であるが、なんとその字は第一水準であったのには我が読む能力の自信がぐらついたのである。そんなこんなで電子辞書をいじっている中に歴史小説中に出てくる人物や出来事などを検索してみると、これが結構出てくるのである。
いまは歴史小説を読みながら、人物名などをその都度検索している。お陰で読書のスピードはガクンと落ち、スピードかディテールかの相克に悩んでいる今日この頃である。

日本の学力は大丈夫?

2008年03月13日 14時41分28秒 | 社会断層
どうなる日本の学力は?

つい過日NHKで「日本人の学力はどうなるか?」との趣旨の討論会番組が3時間近く行われた。学者、教員、一般人及び現役の中高生をまじえての侃々諤々の大論議となった。
きっかけは「OECD生徒の学習到達度調査(通称PISA)」における日本の順位が毎回下がってきており学力の低下を危惧する声が高まってきているのを受けてのことのようである。この調査の結果を待つまでもなく学力の低下は各方面から指摘されており、小中高の授業時間の見直し、ゆとり教育の反省がいわれている。
NHK番組での諸氏の発言はそれぞれ「なるほど尤も、もっとも」と思わせるばかりで小生なりの結論を生むには至らなかったが、諸氏の発言の中で特に気になったのは
1)GDPに対する教育費支出比率が日本は諸外国の中でも低い
2)先生が雑務におわれて授業に割く時間が充分取れない
3)親の経済力が子弟の学力の格差に反映してきている
等である。そこで各国のGDPの教育費支出(2004年度)とPISA(2006年度)を並べてみた。
又参考までにIMDによる「国際競争力」と「大学教育」のランキングも載せてみた。
統計学ないし統計分析にズブの素人の小生にはこれらのデータから明確な有意性を見いだすことが出来なかったが、ただひとつ、もっと教育費支出対GDP比率を上げて欲しいという願望が強くなった。前項の3)に指摘されているように、このままでは学力格差の固定化、拡大再生産になる恐れが充分にある?
膨大な予算を喰い実用効率の悪い1~2本の道路建設を止め、その金を教育費に回せば問題はかなり片付くと思うのだが如何でしょうか?

付表1:全教育段階公的支出対GDP比率順位(国は筆者による勝手なピック・アップ)
1位 アイスランド 7.2%
5位 フィンランド 6.9%
13位 USA   5.1%
16位 韓国    4.4%
24位 日本    3.5%
OECD 平均   5.0%

付表2:私費負担を含む合計対GDP比率順位 (筆者による勝手なピック・アップ)
1位 アイスランド 8.0%
2位 USA    7.4%
3位 韓国     7.2%
9位 イギリス   5.9%
15~16位?  4.8%
OECD平均 5.7%
注)付表1,2は「図表で見る教育2007年版」

付表3:大学教育のランキング(2005年度版)
1位     フィンランド
2位 イスラエル
3位 アイスランド
4位 USA
5位 アイルランド
6位 スイス
7位 シンガポール
8位 カナダ
9位 オーストラリア
10位 ベルギー
・・・・・
28位 フランス
・・・・・
38位 イギリス
39位 ドイツ
・・・・・
56位 日本
注)IMDの資料より

付表4:PISA 2006年ランキング
   数学     読解力       科学
1位 台湾     韓国        フィンランド
2 フィンランド フィンランド    香港
3 香港     香港        カナダ
3     韓国
4  カナダ 台湾
5 オランダ NZ エストニア
5 日本
6 スイス アイルランド
7  カナダ オーストラリア NZ
8 マカオ リヒテンシュタイン オーストラリア
8  リヒテンシュタイン
9 ポーランド オランダ
10 日本 スエーデン リヒテンシュタイン
10            オランダ 韓国
・・・・
15位            日本

注)文科省のホームページより

海外への日本人留学生をもっと増やせ

2008年03月04日 11時31分14秒 | 社会断層
留学生受け入れに熱心も良いが出て行く日本人留学生にもっと支援を

先日の紙上に次のような記事が出ていた。

「博士養成、ベトナムから1千人 政府、ODAで受け入れ」

「政府は08年度から20年度にかけて、途上国援助(ODA)を使ってベトナムの若者1000人以上を日本の大学院に入学させ、博士を養成するプロジェクトを始める。ベトナム戦争などの影響で高等教育を受けた人材が少ないベトナム側と、少子化が進み海外から優秀な学生の受け入れを模索する日本側が「戦略的パートナー」(外務省幹部)になろうという試みだ。

 日本はこれまでタイ、マレーシア、インドネシアの学生計約3000人を対象に、留学生受け入れのための円借款を実施しているが、博士課程のみを対象にした枠組みは初めて。グエン・ティエン・ニャン副首相兼教育訓練相が3月下旬に来日する際に正式に合意する予定だ。

 外務省などによると、ベトナムが求めているのは主に理系の分野で、情報技術(IT)、機械工学、素材、ナノテクなどの先端技術をはじめ、全般にわたる。ベトナムから国費で受け入れている博士課程の留学生は現在年25人程度だが、この枠を08年度から徐々に拡大し、3年後をめどに大規模な受け入れを目指す。

 受け入れに前向きな主な大学院は東京、京都、早稲田、慶応、立命館、長岡技術科学など。日本側は200億円以上の費用が必要とみられる。

 ベトナムは米国との戦争を経て86年からドイモイ(刷新)と呼ばれる改革開放路線に転じた。経済成長率は8.5%(07年)と高いが、戦争などで多くの知識人が国外に流出したため、博士学位取得者は国内に約6000人しかおらず、今後の発展のネックになっている。

 ニャン副首相は昨年、20年までに計2万人の博士を養成するプロジェクトを立ち上げた。うち日本と欧米など国外で計1万人を養成する考えだ。

 日本側としては、優秀な若者を日本で育て、両国の関係を深めたい思惑がある。資金や人材の流れを拡大し成長につなげる「グローバル戦略」を掲げる福田首相は、07年度は約12万人の日本への留学生を30万人にする方針を示している。」

ここ数年の日本企業のベトナム進出を反映したものでもあろう。ともあれ外国からの日本留学生の増加支援は結構なことと思う。
しかし一方で日本から海外の大学への留学生数は減少気味だという。
日本の若者が内向きな、大袈裟に言えば引きこもり現象を起こしているのではないかと危惧するのである。
福田首相は海外からの留学生30万人を近年中に達成したいと声を上げているが、それならば同時に海外への日本人留学生を増やす施策をとって貰いたいと思う。

大学入学後の選択肢をもっと豊富に

2008年03月01日 11時38分56秒 | 社会断層
大学入学後の選択肢をもっと柔軟・豊富に

過日のA紙上に「複数大学で協同学部」という記事が出ていた。
「文部科学省は複数の大学が教員や施設を出し合って授業を行い、各大学連名の学位を授与する「協同学部」、「協同大学院」をつくれるように大学設置基準を改正する検討を始めた」
「大学全入時代を迎え、私立大学の4割が定員割れするなど大半の大学が学生集めに苦しんでいる。(途中略)学生にとって魅力のある学部や大学院を複数の大学が協同で設置出来るよう、制度改正を求める声が強まってきた」というものである。
この記事を理解する限り、大学側の生存のための発想のようである。しかし、学生にとっても悪い話ではないと小生は思った。
現在入学する学生の内、自分の進路やテーマを決めているのはどのぐらいいるのだろうか?
ハッキリした目的意識もなく、入れる大学に、或いは親の勧めによって入ったという学生も可成りいるのではなかろうか?そして入学後に自分の専攻科に対する摘、不適が認識されるにつけ悩み始めるのだ。入学後の1,2年で進路に自覚が出来た時に受け皿としてのコースが学内に用意されており、且つ転科、転コースも自由ならば申し分はないが、学内対応ならば自ずから選択肢は限られるだろう。複数大学による「協同学部」や「協同大学院」が機能すれば選択枝もより豊かになり、悩める学生が救済できるのではなかろうか?
そしてこれらの悩める学生こそ目的意識のハッキリした人材に育つと小生は思うのだが。