社会断想

諸々の社会現象にもの申す
中高年者・定年退職者向け

大震災に示した冷静さは平和力

2011年03月21日 16時19分44秒 | 社会断層
日本人の示した冷静さは平和力になる

3月11日の未曾有の東北関東大震災の大被害に対して被害者及び各種メディアを通して伝えられる日本人の冷静な対応ぶりに小生は驚いている。はたして外国メディアも一斉にその驚きを賞賛の声と共に報じている。

パニックを起こして当たり前の状況なのにこの日本人の冷静・沈着さは何処から来るのだろうか?
震災慣れしている日本人には、今は苦難の時だが究極には國が手をさしのべて呉れるという國に対する信頼感が根底にあり、その前に自治体やコミュニティーにおいての自助・相互扶助で時を待つという忍耐力・強靱さがあるからではないか?

外国人には驚異そのもののようである。この強靱さが尊敬の念を伴っていれば、それは一種の平和維持力換言すれば「うかつに手出しは出来ないぞ」という防衛力にもなる、と考えるのは考え過ぎか?
ともあれ、現今の与党野党の争いは所詮は「蝸牛角上の争い」ではないかと思えるのだが。

石原都知事発言を読み解く

2011年03月16日 14時03分29秒 | 社会断層
石原発言を読み解く

石原東京都知事の東日本大地震に関しての発言が波紋を呼んでいる。大方の反応はこの発言に対して批難するものであった。
発言を採録すると「日本人のアイデンティティは我欲。この津波をうまく利用して我欲を一回洗い落とす必要がある。やっぱり天罰だと思う」そして「被災者の方々はかわいそうですよ」と続いた。これに対する囂々たる非難に対して「添える言葉が足りず被災者、都民、国民の皆様を深く傷つけたことから、発言を撤回し、深くお詫びします」と詫びが述べられた。
確かにこのような大災害、大被害に対して知事の例の直截な発言、しかも「日本人のアイデンティティは我欲」との哲学的な?文節は意味が分からなかった。言葉が足りなのと文学者としての知事の難解な表現が批判に輪をかけたキライがある。
知事の本音を小生なりに忖度すると、「日本国政のもたつきぶり、国民不在の党利党略の争い、強いものが正義、利益を上げたものが勝ち、弱者は自己責任の名のもとでの切り捨て等等の日本人の風潮に対して天が罰を下したのだ」と云いたかったのではないか。
正に鬱積した怒りの発露だったのだろう。
発言の終わりに「被災者の方々はかわいそうですよ」との発言は正に本音で「被災者はこの天罰のスケープゴートになって気の毒だ」と解釈すれば「被災者の方々はかわいそうですよ」の気持ちが分かる。
石原知事がやむにやまれずの知事選立候補をしなければ、この発言を撤回せず言葉を足して説明をしただろうと小生は考える。
余談だが共同通信に次のような 記事が載っていた。参考までに。
保険大手アメリカンファミリー生命保険(アフラック)は14日、同社CMに出てくるアヒルの声を演じるコメディー俳優ギルバート・ゴットフリードさんとの契約を解除したと発表。15日の米メディアによると、ゴットフリードさんは短文投稿サイト「ツイッター」で東日本大震災をジョークにしていた。投稿内容は「日本は本当に進んでるんだ。海岸に行かなくても、海岸の方からやってきてくれる」などで津波を材料にしたとみられる。

「理系と文系出身者の平均年収比較」というコラムを読んで

2011年03月02日 16時52分32秒 | 社会断層
独立行政法人 経済産業研究所 西村和雄先生の表題コラムを興味深く、むしろ感動を持って読ませていただきました。(2011年3月2日)
小生も今の今まで文系が理系よりも常に高年収であると信じておりました。
大学キャンパスでも理系研究室は真夜中でも煌々としており、文系教室は早々と消灯している、つまり理系は文系に比べてはるかに多くの時間を勉強に、研究に費やしているのに給料は安いと云うことに矛盾を感じながらも理系は好きな道を選んだのだから給料は文系よりも安くても我慢するのもやむを得ないかと納得していました。しかし西村先生のコラムの諸データは常に理系が文系よりも平均的に高年収であることを示しており、正に眼からウロコが取れた感じです。また「文系でも大学入学試験で数学を選択した人たちが、そうでない人たちよりも高年収」であったという追跡調査の結果も面白いと思いました。
資源小国の日本がグローバル競争のなかで生き抜くには技術立国しかありません。
折から入学試験も終盤になっていますが、文系にしようか、理系にしようかと迷っている人で、もともと理系向きな人は「好きな道で給料が良い」のならもはや迷うことはないと思うのですが。
どうかこれらのデータがもっと人口に膾炙し理系への志望者が増えることを望みます。