社会断想

諸々の社会現象にもの申す
中高年者・定年退職者向け

缶チューハイで宇宙に乾杯

2006年05月31日 10時47分27秒 | Weblog
缶チューハイで宇宙に乾杯
夏の一夜、仕事帰りに冷えたビールをグイッとやるのは至福の一時だろう。
私は焼酎党なのでもっぱら焼酎を飲んでいる。暑くなったこの時期は手軽な缶チューハイ「○○」に手をつけることが多い。缶を 手に持つとポコポコと乾いた音がするのも良い。今まであまり気にはしなかったのだが、缶の表面にはなにやら意味ありげな三角模様が刷り込まれている。
実はこの缶が宇宙開発技術の副産物だと教えられた。軽くて丈夫(強度がある)なのだ。 宇宙航空研究開発機構(JAXA)という日本の宇宙開発研究の総元締めの役所がある。
この役所に産学官連携部なる部署がある。名前から察せられるようにJAXAで研究開発された技術を他の産学官各分野に開放、連携して新しい商品、サービスや産業を興そうという窓口組織である。
5月末の某日、日本電子機器輸入協会でJAXA産学官連携部の担当者の講演があった。その冒頭にいきなり、この「缶チューハイ」が出たのである。
宇宙開発研究という言葉から我々庶民は何をイメージするか?
ロケット、人工衛星と宇宙船と毛利さんに向井さん、そしてNASAであろう。
直ぐ目の前にある「缶チューハイ」が 宇宙開発研究の副産物とは云われてみなければ分からない。
一般庶民には縁遠い存在と思われていたこの役所機構が実は膨大な技術の蓄積があり、その技術を社会に還元したいという強い意志を持っており、そのための窓口とショールームの設置、副産物の実例等の話が聞けた。
ともあれ「缶チューハイ」の存在は私にとって何にもましての説得力があった。
夜空を見上げて缶チューハイで乾杯!

私は楽譜が読めない

2006年05月29日 11時22分40秒 | Weblog
私は楽譜が読めない
NHKの朝ドラを見ていたら、「時局柄音楽は好ましくない」とその筋の人達がさる高名なピアノ演奏家を責める場面があった。時あたかも世界中に戦雲がただよい日本が太平洋戦争に突入する前夜の話である。
このシーンを見て私は古い記憶を呼び覚ました。確か国民学校(今の小学校を当時はそのように呼んでいた)の3年生か4年生であったと思う。音楽の時間に楽譜オタマジャクシを習い始めたばかりである。一回か二回の授業の後、突然楽譜授業は中止になった。
代わりに登場したのは飛行機の爆音を聞かせその機種、例えば爆撃機のB19,B29や戦闘機のロッキードを言い当てるというものである。
つまり音楽教育が音感教育に、それも戦争に直結した情操抜きの音感教育である。
と云うわけで私は音符を教わる機会を失い、もって未だに音符が読めない。
音符が読めないことを告白すると皆に不思議がられるが、これも一種の戦争後遺症だと諦めている。

日本の数学がピンチ 数学嫌いの数学尊敬

2006年05月19日 12時51分24秒 | Weblog
数学嫌いの数学尊敬
WEBのAsahi.comに日本の数学研究がピンチに陥っている旨の記事が出ていた。
丁度数学者の藤原正彦氏の「国家の品格」と「この国のけじめ」を続けて読んでいて、日本の数学が江戸時代より現在まで連綿として世界のトップレベルにあるという文章を読んだばかりであったので、この記事には少なからずショックを感じたのである。
お断りしておくが小生自身は数学は苦手で70過ぎのこの年になっても時に数学の試験でウンウン呻っている夢をみるぐらいである。
只それだけに数学の得意な人には限りなく尊敬の念を抱いている。それは数学が科学技術の基本であると考えているからである。科学技術立国の日本の基礎を支える優秀な数学者が沢山いるとの安心感があった。
その数学がピンチであるという。そこでこの報道の基になっている文部科学省科学技術政策研究所のレポートを読んでみた。
曰く「この調査によって諸外国に比べて・忘れられた日本の数学研究の状況が浮かび上がった」しかし、そんな状況のなかで「他分野研究者、企業からは日本における数学の今後の発展に対する熱い期待が寄せられた」
調査によって得られたデータ:
1)数学研究論文数 
日本は第6位である。1位米国からフランス、ドイツ、中国、英国の6位と続く。ちなみに全分野での論文数は日本は米国に次ぎ第2位である。
2)数学研究者の人数 
日本は大学を中心に3,000~4,000人でフランス6,000人、ドイツ4,000人よりやや少ない規模と推測している。
米国は産業界を含めて数万人と推測。
3)日本における数学研究に対するニーズのアンケート調査 
回答者の77%が「非常にある」「ある」または「ややある」のいずれかに回答。
4)回答者が数学の貢献を期待する具体的課題 
ライフサイエンス分野、情報通信分野、環境分野、ナノテクノロジー・材料分野、製造技術分野、社会基盤分野等
詳細は 
http://www.nistep.go.jp/index-j.html
を参照されたい。

下田に吉田松陰先生を偲ぶ

2006年05月18日 11時21分18秒 | Weblog
伊豆下田に郷里の大先覚者を偲ぶ
晩春の一日、伊豆半島に遊ぶ機会があった。地図で見ると宿泊地よりほんの少し足を伸ばせば下田であることを認識し、下田に足を伸ばすことにした。
伊豆、箱根はたびたび遊んだ所だが、半島の突端に近い下田は初めてである。
下田は我が郷里萩の生んだ大先覚者「吉田松陰先生」のアメリカ密航・踏海を試みた所である。柄にもなくその足跡を偲ぼうというのが今回の下田訪問の目的である。もっとも仲間と一夜の歓を尽くそうという場所から近いから、ついでにという横着な考えなのだが。
下田駅に降り立つと目の前に急峻に立ちはだかる山が迫っている。
ケーブルカーが山頂まで這い上がっている。寝姿山である。下田市街地から見ると女性が寝ころんでいる姿に見えるところからこの名前がついたというが、ケーブルカーで這い上がっての眺めでは想像がつかなかった。
山頂の展望台からは眼下に下田港の全容が見える。一見して良港であることが分かる。
港内をペリー提督の座乗艦サスケハナ号を模した遊覧船が巡航していた。
展望台から少し離れたところに大小2門の大砲が展示してある。この2門の大砲たるや小はまるで小さくオモチャのようであり、大は砲身が短くとても遠くには飛ばせそうにもない。ともあれここに幕府の見張り所があったことを示すものだ。
山を下り、タクシーで弁天島に向かう。弁天島は吉田松陰、金子重助が密航を企てた場所である。国禁を犯すこの企ては失敗したのだが、松蔭先生にしてみれば当時の国禁を犯して犯罪者になることを恐れるよりも、国のために外国事情を知らなければならぬと言う使命感に感銘を受けるものである。
島の一角に吉田松陰、金子重助の銅像が建っている。松蔭先生の指し示す先はこれから乗り込まんとするサスケハナ号なのか、はたまた、その先の海の向こうの見知らぬ土地なのか?その傍らに蹲踞するのは忠実なる従者、金子重助である。
東京世田谷にある松陰神社、鎌倉の瑞泉寺と東京近辺の松蔭ゆかりの場所を訪ねて来たが今回の下田で3度目であるが、小塚原、伝馬獄等ゆかりの場所はまだまだ沢山あるなあーと、今更ながら思うのである。

昔懐かしの駄菓子屋さん

2006年05月15日 14時10分03秒 | Weblog
昔懐かし 駄菓子屋さん
5月の晴れ間に目白駅近くに所用があった。用済み後時間があったので気まぐれに近くにあると思った鬼子母神に行ってみた。
別に信仰的な動機ではない。長いこと東京に暮らしていながら、はたまた、ごく近くの大塚という所で或る家庭にお世話になったことがあるが、鬼子母神にはお参りしたことはない。ケヤキの巨木(これはここの名物である)に覆われた境内は薄暗い。
ここで珍しい物を見た。
それは、今時滅多に、特に大都会では見掛けなくなって久しい駄菓子屋である。
店頭に所狭しと並んでいる駄菓子類は小生が子供時代にも見掛けた5,60年ぐらい前の商品もあった。店構えも古い構えが何とも懐かしい感じである。

日本の世界競争力 少し順位を上げる

2006年05月12日 12時50分53秒 | Weblog

日本が世界競争力で順位を上げる
スイスの調査研究機関である国際経営開発研究所(IMD)が恒例で行う世界競争力ランキング2006年版をこのほど発表した。
10位迄は順位に若干変動があるものの2005年と2006年はほぼ似たようなものである。
特筆すべき?は日本が2005年度21位から17位と順位を上げ20位以内にくいこんだことである。

2006年度
1位 アメリカ
2位  香港
3位 シンガポール
4位 アイスランド
5位 デンマーク
6位 オーストラリア
7位 カナダ
8位 スイス
9位 ルクセンブルグ
10位 フィンランド
17位 日本
目立つところでは、中国19位(前年31位 )インド29位(前年29位 )と大きく順位を上げている。今後のこのBRICsに属する両国の動きは注目すべきだろう。
参考までに2005年度順位
1位 アメリカ
2位 香港
3位 シンガポール
4位 アイスランド
5位 カナダ
6位 フィンランド
7位 デンマーク
8位 スイス
9位 オーストラリア
10位 ルクセンブルグ
21位 日本

これでも2004年の23位からは2ランク上がった由。2001年から2005年にかけて日本のランクは27位~21位をいったり来たりしている。
私の記憶ではかって日本が競争力1位を何年か続けていた時期があったと思う。バブル崩壊後ずっこけた感じである。

鯨が安くなる!

2006年05月10日 15時28分07秒 | Weblog
鯨が安くなる!鯨に注ぐ涙・涙にお別れできるか?

10日の読売朝刊に私にとって小さい記事だが嬉しい記事が出ていた。
それは鯨肉の供給が大幅に増えそうだというものである。
「水産庁と財団法人日本鯨類研究所は調査捕鯨による鯨肉の供給量が10年前の1800トンから今年の5,500トンまで増えるにともなって販路を従来主としていた鯨肉料理店以外に病院、一般スーパー、外食チェーン及び個人対象のインターネット販売にも拡大する。そのために合同会社鯨食ラボを設立した」
小生の子供時代には故郷の近く小さな捕鯨基地があり、沿岸捕鯨が行われていた。
そのため鯨の群れを発見する小型で旧式の飛行艇が飛んでいた。
バタッバタッとものすごい爆音を発てて飛んでいるので子供達は「あっ、バタバタだ」と外に飛び出し眺めたものである。そのバタバタは時には近所の幅200メートル位の河口に不時着とも小休止ともとれる着水していた。夏ならば泳いで近くに行きパオロットの小父さんと話をしたものである。
やがて戦争が激しくなりその旧式水上艇も動員?されたか、いつしか来なくなった。
南極捕鯨の基地である下関も県内であったので鯨肉の供給は豊富であった。
ともあれ、そんな土地柄なので子供の頃から鯨はよく食べ(食べさせられた)好きでもあった。
正確には覚えていないのだが、本格捕鯨が中止になり、鯨がさっぱり出回らなくなり、味は微かな記憶になった。
今でも時たまスーパーで見掛けることはある。嬉しくなって(まさか嬉し涙は流さないが)近寄って値段を見る。薄いベーコンが数枚、ウン百円也の値札。むらむらと怒りがこみ上げてくる。店に対してではない。捕鯨禁止を叫ぶ世界の団体と国際条約にである。
第一鯨資源を枯渇させかかかったのはテメー等ではないのか?
百年前まで太平洋、大西洋と股にかけて鯨を捕りまくって、鯨油だけ採り、肉はみんな海に捨てたのは誰だ?ヤンキーホエーラー奴!
日本は「一鯨もって七村潤う」という、鯨の頭の先から尻尾の先まで全部利用する鯨文化を持っているのだ。
とまーかく八つ当たりしたくなるのだが 、この記事は小生のうれし涙と怒りの涙を拭ってくれそうである。
早く鯨が腹一杯食いたい!

小学校英語Again,Again

2006年05月09日 11時49分16秒 | Weblog
小学校英語論議Again,Again
文部科学省の中央教育審議会外国語専門部会が小学5年からの英語の必修化を提言したことから、この点に関しての識者の賛否両論が激しい。
小生もこの件に関して教育そのものについての全くの門外漢であるにもかかわらず、臆面もなく何回か私見をBlogで述べてきた。
最近読売新聞の「論陣論客」欄で錚々たる語学教育の専門家が賛否両論を展開していた。
紙面の制約からか両先生の真意が充分伝えられていないのではないかとの憾みを感じたので小生なりの疑問点をここに提起しておきたい。
両先生とは中嶋嶺雄氏(国際教養大学学長、前東京外国語大学学長、中央教育審議会外国語専門部会主査)と大津由紀雄氏(慶応大学言語文化研究所教授、日本英語学会理事)
中嶋先生は賛成論の、大津先生は否定論の立場。
中島先生:「国際社会に出るとコミュニケーションの道具は英語。最低限の理解や伝達が出来る英語力が一般国民にも必要なことは明白である」
小生の提起問題:
「最低限の理解、伝達力とは具体的にはどの程度?
将来も職業上も日常生活上も全く英語を必要としない人達が大半ではなかろうか?そんな日本はむしろ幸せな国ではなかろうか?
日本人の英語に関する問題意識は職業上、或いは日常生活上英語コミュニケーション能力を必要とする、或いは必要とするであろう一群の人達がその必要レベルのコミュニケーション能力を持たない、或いは持つための実際に役に立つ教育を受けなかったことではないだろうか?
そしてその人達は自己の弱みの反省の裏返しが子弟への英語教育悲願になっており、その勢力は大きいと思われる。教育技法はあまり念頭になく、ともかく始めるのは早ければ早いほどよいというザックリとした信仰めいた考えの保護者が多いのではないか?」・
大津先生:「成功例しか伝えられないのがおかしい。英語嫌いも生み出している。」「小学校で英語をやり、英語嫌いになった子供が中学校に進み、中学校の先生たちが困っている」
小生の提起問題:
「英語嫌いを生み出している具体的実例をもっとデータとして世間に周知させるべきであろう。そのデータもこの議論の基礎の一つとして使うべきであろう」
いずれにしても国際的に通用するための英語教育は教育技法と必要な人にとっての再教育機会創出にもっと金をかけるべきであると思うのだが。




子育てママは中小企業で働くべし

2006年05月08日 12時46分18秒 | Weblog
中小企業は少子・高齢化問題の解決に貢献する? 子育てママは中小企業で働くべし

中小企業庁より2006年度版の中小企業白書が出された。
白書を拾い読みすると、いま日本が直面している諸問題のうち、少子高齢化問題があるが、これに対する一つの答えをこの白書は示唆している。
それは白書の第3部「少子高齢化・人口減少社会における中小企業」のうち「仕事と育児を両立しやすい中小企業の特性」という項目である。これは「出産・育児に優しい中小企業」を諸データから説明しているものである。
以下それらを抜き書き引用してみる。

○中小企業になるほど、一定期間休業しても昇進・昇給に長期的な影響がない。
従業員規模~20人、21~50人、51人~100人、101人~300人および301人~について、一定期間の休業を取得しても昇進・昇給に長期的な影響がないとする企業の割合を調査したものである。(調査は富士通総研2005年12月)
~20人     41.3%
21~50人   36.4%
51~100人 31.5%
101~300人 30.9%
301人~ 24.3%
以上の数字が示すように規模が小さいほど影響が少ない。

この理由の一つとして中小企業ほど「その人の本来持っている能力」にもとづく評価をしているからだとしている。即ち育児休業中に能力が落ちるわけがないから、特に休業が昇進昇給に影響しないという見方である。

○中小企業においては、大企業よりも職住近接の傾向があり、職場からの距離と女性の子供の人数にははっきりした相関が見られる。
通勤時間1時間以上から10分未満までを7段階に分けてプロットすると1時間以上では女性一人あたり子供 0.34人平均であるが10分未満で1.11人となっており、各プロット段階で通勤時間と子供の数が逆比例している。そして企業規模が小さいほど通勤時間が短い。

○中小企業の方が大企業よりも職場に子供を連れてくる環境がある。従業員が職場に子供をつれてきている企業の方が、妊娠・出産後の女性正社員の復職率が高い。
データは企業規模の小さいほど、子供を連れてくることに柔軟に対応していることを示している。
即ち1001以上の10%から20人以下の50%まで、これまた規模との相関を見事に表している。

○中小企業の方が大企業よりも管理職に占める女性の割合が平均的に高い。
その背景には、中小企業は企業による多様性が大きいことがある。
女性の管理職比率が高い企業ほど仕事と育児の両立性が高まる。

○企業は、仕事と育児の両立支援策が、人材定着、人材確保、従業員の就業意欲が向上し、ひいては企業業績の改善に貢献すると考えている。

以上の調査結果から仕事と出産・育児に意欲のある女性は近所の、つまり通勤時間の短い中小企業を選択したら良いと思うが如何か?