社会断想

諸々の社会現象にもの申す
中高年者・定年退職者向け

フィンランドとフランスの高齢者労働事情 変化の兆し

2006年02月21日 15時08分18秒 | 大定年時代
世界のシニアの労働事情 フィンランドとフランス
2月13日のこのブログで米国のシニアの労働事情に触れた。
今日はフィンランドとフランスの事情について新聞より引用する。
いずれも最近の読売新聞に記載された記事の私なりの抜粋であることをお断りしておく。アメリカにしろ、フィンランド、フランスにしろ、各国のシニア労働事情が我々日本人の持っているイメージ(私だけかも知れないが)とちょっと違ってきたように思うので取り上げたわけである。

「フィンランド政府が柔軟定年制を導入して高齢者雇用促進にのりだしたのは、欧州一の早さで高齢化がすすんでいるからだ。フィンランドは携帯電話のノキア社があるように世界屈指のIT先進国である。人口は約500万人。競争相手であるG8各国やインドに比べて格段に少ない。その上政府推計では、59才以下の総人口が向こう5年間で12万人も減る。政府にとって少子化克服と高齢者活用は国家存亡に拘わる重大問題である。」
「フィンランド政府は高齢労働者の健康問題に大きな関心を払っている。・・・・・労働現場の医療について治療から早期予防に重点を移した。・・・・・長く働くためには健康管理が不可欠。自己管理を求めるだけでは不十分で、働く人の健康維持は国家と企業の責任である」とフィンランド労働衛生研究所部長は言っている。
このあたり健康保険料の高齢者負担を強めた日本政府によく聞いて貰いたいものだ。

「老後は悠々自適の気質が強かったフランスで、高齢者雇用の試みが始まった。年金や医療予算の財政圧迫から、政府も高齢者の雇用拡大に乗り出した」
「欧州全域に130店舗を持つ或る眼鏡チェーン店では、現在の社員の平均年齢は30才と若いが昨年、社員の20%を50才以上にするという目標を設定し、第一陣として50人の高齢者を新規採用した」
「フランスは早期退職が進んだ国で55才~65才の就労率はEU平均を4%下回る37%である。しかし長寿化に伴い、高齢者層の就労希望者は増えている。」
「労働担当相は、55才~65才の就労率を毎年2%づつ引き上げ、2010年には50%にする、とこのほど宣言した・・・・・退職者天国フランスにも変化がおとずれている」だそうである。

健常者の一人よがり

2006年02月17日 11時34分08秒 | 社会断層
健常者の驕り
つい先日地元の図書館を出たばかりのところで白い杖を持った40才がらみの女性がよたよたと歩いていた。どうやらその歩き方を見ると光を失ったのは最近のことのようである。その自信のない歩き方を見かねて「どちらに行くのですか?」と声をかけた。「駅まで」との返事である。
途中、車の往来激しい横断歩道もあるので、「御案内しましょう」と申し出で、白い杖の先端を持ち暗眼者用の突起のあるチャンネルをリードした。
途中手すりのある階段と突起チャンネルがあり、チャンネルはかなりの迂回路になっている。私は一瞬迷ったが手すりをたどって下りれば早く一般道に下りられと思ったので、手すりにさわってもらい階段を下りて貰った。
ともかく横断歩道も渡り無事に駅にたどり着いた。(と思う。ここから先は大丈夫と彼女が云うので、そこで別れた)
別れた直後「ハット」ときづいた。
階段と暗眼者用突起通路チャンネルの選択は健常者たる私が決めることではなく彼女自身の選択に任せるべきだったのではなかろうか?
「階段を下りる方が近い」という判断は健常者の独りよがりの判断で、彼女としてはより安全な突起チャンネルの方を選びたかったのかもしれない。
このことは健常者対ハンディキャップ者だけの問題ではなく身体能力・運動能力の優位者が劣位者に対して優位者の判断(悪意はない)を押しつけるという往々にして起こりうる状況であろう。気をつけたいと思う。

科学技術基本計画と大学の研究

2006年02月15日 19時10分38秒 | 社会断層
第一期、第二期と続いて第三期科学技術基本計画が実行されようとしている。
我が国の科学技術立国を目指すための計画で、今後5年間で25兆円の国費が投入される予定である。
この計画の柱の一つが産学連携による世界に向かっての競争力強化と新たな産業・市場の創出である。
このことに対して有識者2人のコメントが2月15日付け読売新聞紙上に寄せられている。その発言の中に小生のような不識者にとって「へー、そうなんか?」と少しビックリするようなファクトがあった。そのファクトについて是非を論ずる見識は無いのだが、皆さんはどう思いますか?
竹内佐和子氏(京都大学大学院工学研究科特命教授)のコメントの一部
「第2期基本計画までに40兆円近い研究費が投じられた。だが大学や研究機関などでは皮肉にも、その研究費は欧米製の最先端計測機器の購入に充てられることが多かったようだ。研究費は投入されるやいなや、日本から欧米諸国に移動したとも言われた。それでも日本人研究者の論文が国際的な専門誌に掲載される機会は飛躍的に増え、科学の知が研究機関内にストックされた。問題は研究成果が経済的価値に転換されていないこと。新しい社会的価値を創造し得ていないことだ」
岡村正氏(東芝会長)
「東芝では2年半前から産学連携を本格化した。学会や研究発表会に出向いて情報を集めている。個別のテーマに関し、必要な技術を持つ大学と100以上の共同研究を行っている。
日本の民間企業の研究費の支出先は、海外の研究機関が国内の約2倍。欧米の研究者は市場感覚に優れ売り込みも上手だ。国内の大学からの積極的な提案が増えて欲しいと願っている」

バレンタインデイにはウイスキーを 洋酒屋を叱る

2006年02月14日 14時03分17秒 | 社会断層
洋酒屋さん、しっかりしてよ 聖バレンタインデイに思う

今日2月14日は聖バレンタインデイである。3世紀のバレンタイン司教の殉教日であるそうだ。しかし大部分の日本人にとっては男性が女性からチョコレートを貰う日という認識で、この日の本来の謂われは念頭にない。
何故にチョコレートか?これも何ら根拠がない。チョコレートでなくてもよいのだ。
洋菓子屋、チョコレート屋さんの商魂たくましい宣伝によって今日の日本独特のバレンタインデイが定着したのだ。一説によるとこの日のチョコレート売り上げはなんと500億円とか。
そこで腹立たしく思うのは洋酒屋さんの間抜けぶりである。何もチョコレートでなくてもよいのだ。ウイスキーの方がよっぽど男性は喜ぶのに、と思うのはノンベーのひがみか?
この日のチョコレートの一人勝ちを何とか食い止めてウイスキー(私はどちらかというと焼酎がよいが)を土俵に上げるべく知恵を絞って欲しい。頼むよ。

世界のシニアの労働意欲比べ

2006年02月13日 10時20分26秒 | 大定年時代
世界のシニアの働く意欲は?
最近の読売新聞に「世界のシニア事情」というシリーズ読み物が掲載されている。
その中で面白いと思ったトピックを一つ、二つ。
1)労働力率比較
65才以上の働く人の比率
1位:韓国 30%
2位:日本 20%
3位:米国 15%
4位:シンガポール 11%
5位:カナダ、オーストラリア 6~7% となっている。
意外の感を持ったのは日本を抜いての韓国のダントツの1位と米国の健闘である。
意外感を持ったのはひとへに小生の不勉強のせいかもしれない。
2)米国の事情
前項で米国の健闘ぶりを知ったが、米国では今50~70才台のシニア層を雇用する企業が増えている由。ウオルマートを始め大手チェーンの日曜大工、書店、保険会社等が中高年層を熱心にリクルートを始めた。
もともと早期退職を促してきた米国企業が一転して中高年層に照準を当て始めたのは何故か?
この背景には7600万人に及ぶベビーブーマー (日本の団塊世代よりも幅広い)が退職の時期を迎え経験・技能を持った働き手が足りなくなった、中高年者は簡単にやめない、給料が安く押さえられる等の企業側の事情があり、中高年労働者側の 「長い老後を年金だけで豊かに暮らせるか?」の不安があり、或る程度の低賃金でもよいとする考えがあるようだ。以上読売新聞から我流で要約した。
日本も非常に似た形になるのではなかろうか?

潮目の変わる雇用情勢 新卒は売り手市場に

2006年02月08日 10時32分15秒 | 社会断層
潮目が変わる雇用情勢 売り手市場に
「週間エコノミスト臨時増刊号」に目下の雇用情勢の改善ぶりと尚残る問題点が記述されている。

それによると
1) 目下 完全失業率は4%台前半まで低下している。有効求人倍率も13年ぶりに1倍に達している。このような雇用回復の足取りが続く背景には、景気回復の持続、過剰雇用の解消、2007年から始まる団塊退職がある。
2) 長期的に見れば労働力不足が日本経済の重要課題の一つになる。 雇用ミスマッチの解消が不可欠なものになり、このミスマッチを解消する雇用政策が急がれる。

1)に関しての大学等の卒業生の就職(内定を含む)状況を厚生労働省・文部科学省の調査でみると、2006年3月予定の大学生就職内定率は2005年12月時点で77.4%であり前年同期を3.1ポイント上回っている。企業の新卒に対する採用意欲も旺盛であることが窺える。
一般雇用市場ではこの十年近いリストラで企業内過剰雇用が急速に解消し、且つ2007年から始まるであろう団塊世代の大量退職によって、雇用過剰から雇用不足への転換期にあり、企業は200年をまたずして雇用確保に動いている。
この全般情勢の中で新卒については「売り手市場」への転換期と言ってよいだろう。
2)のミスマッチ に関しては、全般的雇用環境が改善傾向にあるにも拘わらず、ミスマッチ問題は残る。
雇用吸収力(需要)の高い産業への 職業仲介機能とそれらの産業に適応する職業訓練等の実施等の政策が求められるとしている。
さらに問題である若年層のニート、フリータや失業者に対する労働意欲の向上、職業能力の向上のための予算措置を諸外国並みにとらなければならないと提言している。

内部告発

2006年02月07日 10時39分13秒 | 社会断層
内部告発
「耐震偽装」「ライブドアー問題」「東横イン」「輸入牛肉」と連日賑やかなことである。牛肉問題を含めて「耐震偽装」「ライブドアー問題」「東横イン」はその発覚のもとは内部告発であると云われている。
いずれも当事者組織内部のメールやブログを使った告発である。
メールやブログは所謂個人のメディアであり、いとも簡単に且つローコストで情報発信できる。たとへその情報が 正しかろうと間違いであろうと、はたまた悪意を持った誹謗中傷の類であっても。
そして今、企業にしろ政府・自治体にしろあらゆる組織体がかってのように組織構成員に対する生活保証体ではなくなってきている、少なくと組織全体の意識(組織に対する忠誠心への期待)、個人の意識に忠誠心が薄らいできている。
とそんなわけで、これからも 内部告発は増えるばかりだと思う。
特にワンマン経営(ワンマン経営が悪いとは云わない)の企業は法令遵守コンプライアンスの意識を十二分に持つべきだろう。

展示会とカタログ

2006年02月06日 11時45分28秒 | Weblog
展示会に思う
このところ立て続けに展示会を回った。
一つは東京ビッグサイトでの「NET & COM」、もう一つは池袋サンシャインでの「PAGE 2006」である。
前者は「情報システム」「ネットワーク」および「セキュリティ」をテーマにし、後者は「印刷技術のディジタル化」をテーマにしている。
この種の展示会は掲げるテーマに対して或る程度専門的な知識を持ち、且つ毎年の継続的な見学をしないと個々の展示物の持つ意味・意義が理解できない。特に技術進歩の激しい分野であるだけに新技術か従来技術のみかの弁別が出来ない。
私はこの分野にとって素人同然なので個々の展示物に対して何らかの論評も出来ない。
ただ会場の雰囲気の熱気の温度を感じて「あー、この業界は伸び盛りだなー」と思ったりするのみである。
もう一つ別個の視点でいつも思うことは各企業のブース・アテンダントのカタログ・パンフレット類の押しつけである。
欲しくもないカタログを無理矢理押しつけられそうになり「申し訳ないが」と何度お断りをしたことか。興味を示す人のみに渡せばよく、興味の反応も確かめず、とにかく手渡すカタログ・パンフレットの数が広告宣伝になると考えているのであれば全くの間違いと思うのだが。その証拠という程のことではないが、会場のトイレやゴミ箱にカタログ類がごっそり捨ててあるのをよく見る。もったいない話である。

インクカートリッジが高い 何とかしてください

2006年02月01日 11時37分49秒 | Weblog
インク・カートリッジが高い 何とかしてください
プリンター用の使用済みインクカートリッジにインクを再注入した所謂リサイクルインクカートリッジが特許権侵害に当たるとして、キヤノンから提訴されていたリサイクル製品販売業を相手取っての販売差し止めを求めていた訴訟の判決が智財高裁から出された、と2月1日の新聞各紙が報じている。
この裁判は前回は地裁の判決ではキヤノンが敗訴になった経緯があり、キヤノンの控訴によって今回の高裁では勝訴になった。
地裁にしろ高裁にしろ判決に文句をつけるだけの法律知識を小生は持ち合わせていない。しかしプリンターを酷使する、従ってインクをかなり消費する者としていんくは安い方が有り難いのは云う迄もない。従ってリサイクル品を重宝して使っている。
純正品に対してリサイクル品の価格 は約6割程度なのでどうしてもリサイクル品に手が伸びる。
いま大手パソコンショップに行くと使用済みインクカートリッジ の回収箱が置いてある。中を覗くと溢れんばかりである。多分これらの使用済みカートリッジがリサイクル品になるのだろう。もしリサイクル品の販売が差し止められたら使用済みカートリッジはどうなるのだろう。純正品メーカーが引き取り、さらに産業廃棄物として廃棄物処理業者に引き渡され破砕されるのだろうか?
エコ思想と智財尊重思想とのせめぎ合いの感があるが、消費者としては安い方がよい。
プリンター本体を安くし、消耗品で儲けるというのも立派な営業戦略であると思うが、純正品ももう少し安くならんかいね、というのが正直な気持ちである。