社会断想

諸々の社会現象にもの申す
中高年者・定年退職者向け

ご注意大国 ニッポン

2005年06月20日 11時30分29秒 | Weblog
ご注意大国 ニッポン
まあー、なんと日本は「ご注意 」アナウンスや「ご注意 」立て看板 の多いことか。
電車に乗っても、バスに乗っても、はたまた遊園地に遊んでも「・・・・・にご注意下さい」、電車に乗ろうとすれば「駆け込みはおやめ下さい」、バスに乗れば「振り込み詐欺にご注意下さい、不審な話はまず、本人に確かめてから・・・・」、プールに行けば「いきなり飛び込まないでください、タオルの置き場は所定の場所に、・・・・・・」等等なんともご親切なご忠告、ご注意がひっきりなしにアナウンスされている。
しかしどれだけの人が聞いているのやらと思う。もはや、ただの騒音でしかない。
外国では長距離列車が、何の前触れのアナウンスもなく、いきなり動き出す国もあるとい
う。親切もほどほに。

定年の悲哀

2005年06月20日 11時20分51秒 | 大定年時代
定年の悲哀
私自身は小規模企業の経営者としての立場から、自分の定年について意識することの薄い立場 で 過ごしてきたが、この一年有余、定年退職者或いは早期退職者の心情を聞くことが多くなった。それは1年半前に立ち上げた特定非営利活動法人テクノリンクに関与するようになり、このNPOの目的から技術系定年退職者或いは早期退職者の人たちと面談することが多くなったからである。
そして現在盛んに云われている「2007年」問題である。そんなわけで定年直後から、これから定年を迎えようとする人たちの考え、心情をもっと多く、広く知りたいと思った矢先、「定年ゴジラ」(重松 清)と「シクスティーズの日々 それぞれの定年後」(久田)恵)を見つけた。2冊とも一気に読んだ。
「定年ゴジラ」はある団地に住まう定年退職直後の元サラリーマンと退職後10年ほどたった、いわば定年ベテランとその中間にいる散歩仲間4人の家庭事情や日々の哀感・心情を綴ったものである。
「シクスティーズの日々 それぞれの定年後」は主として60歳代の定年退職者に作者がインタビューしてのエピソードが盛られている。定年前後の夫婦関係や親子関係の現実がそこにある。私にはかねてから不思議なこととして理解が出来なかった「定年離婚」も、なるほど!とうなずけた。この駄文は書評のつもりではなく、定年をこれから向かう人は参考になるのではないかと,薦める次第。

70才超が「13才のハローワーク」を読む

2005年06月10日 16時22分20秒 | 大定年時代
超70才が「13才のハローワーク」を読む

「13才のハローワーク」という本がある。450ページを超える大部の本である。
筆者は作家の村上龍氏で数々のベストセラーを出している。但しこの「13才のハローワーク」は小説ではないが、かなりの規模の書店でも買えなくて、オンライン・ショップで中古書をやっと手に入れたぐらいなので、かなりの売れ行きの本であろうと推察している。
筆者は云う。「いい大学に行って、いい会社やいい官庁にはいればそれで安心、と云う時代が終わろうとしている。それでも、多くの学校の先生や親は、勉強していい学校に行き、いい会社に入りなさいと云うと思います。いい会社に入っても安心なんか出来ないのに、どうして多くの教師や親がそういうことを云うのでしょうか。それは、多くの教師や親が、どう生きればいいのかを知らないからです。勉強していい学校に行き、いい会社に入るという生き方がすべてだったので、そのほかの生き方がわからないのです」
世の中の親や教師のすべてが,そうであるとは思わないが、大方の指摘としては的はずれではないと私は思う。
さて70才超の私が何故に、13才の少年少女を対象とした本を読む気になったか?
私たちグループは「意欲ある定年OBがその経験・技術を生かしての就業を支援」するというNPOを立ち上げている。その関係で定年OBやリストラや自己事情による早期退職者と面談することが多い。
その面談の中での当方の必須の質問は「何が得意ですか?どういう仕事がしたいですか?どういう仕事が好きですか?」で質問者の期待は、これらの3つの質問が=イコール記号で結ばれることである。
3つの質問がほぼ同義に収斂する人と、そうはならない人が当然いる。同義の人は、どちらかというと現場に近いところで、専門職として過ごしたようだ。
同義にならない人は前職の企業ではゼネラリスト上級管理職としてキャリアを積んできたとの印象である。我々としては前者の方が話が進めやすいと思っている。

村上龍氏は「自分の好きな仕事で飯を喰い、生活する」がこれからの生き方であると主張しているわけである。そしていい放しでなく、「好きなこと」とそれに相応しい「職業、仕事」を列挙、整理し、13才の少年少女に分かる言葉で解説している。
私がこの大部な本を読む気になったのは「好きなこと」の30あまりのカテゴリーと、それに対応する約500種の職業と解説文である。
そして思ったことは、これは13才の子達のためだけでなく、高校、大学新卒者から「迷える大人達」のためのガイドブックである。



NPO

久しぶりの江ノ島、鎌倉

2005年06月07日 13時05分28秒 | Weblog
散歩会と写真同好会
同学のOBで同じ私鉄沿線に住む人たちの会がある。称して「OER気楽会」という。
文字通り気楽な会である。年に数回は一同に会して飲んだり食ったりする外、趣味を共にする分科会ごときものがある。その一つに「散歩会」と「写真撮影会」があり、それぞれ推進する肝いり人がいる。
6月6日 両会共催で江ノ島、鎌倉を散策、写真撮影を行った。
江ノ島海岸駅で集合、散歩と写真の二手に分かれ、散歩はまず江ノ島を目ざし、写真は新装なった「新江ノ島水族館 」へと向かった。
私は水族館にも未練があったが、これは又の機会にし、江ノ島を選んだ。
うん十年前、大学に入学し、最初に入った寮が江ノ島の近くにあり、時たまこの陸続きの島を訪れた。
その後、10年間隔ぐらいで訪れることはあったが、今回もほぼそのくらい間が空いたと思う。やはり以前の記憶には無い風景が加わっていた。その最たるものは「江ノ島展望灯台」である。5年前の開業とかで島のてっぺんに白く突っ立ている。この展望台に上ることにする。最上階からの眺望の良さは云うまでもないが、遙かに霞んだように見える鵠沼海岸の防風林の辺りに元の大学寮があった。同行諸氏にも寮生活の有無に拘わらず、夏休みに寮生の友人を尋ねた想い出、遊泳中に赤十字社主催の救急訓練に 強引に取り込まれ、救急員免許を図らずも取得したなどのエピソードがそこらで語られていた。
展望台をあとにし、下り階段を下り尽くすともう一つの名所「岩屋」である。ここは長い年月をかけて押し寄せる波浪によって浸食された洞窟である。洞窟は2つあり、一つの洞窟の最深部には「龍」の木像?が鎮座していた。洞窟の入り口から聞こえた唸り声の正体で、さしずめ、この 洞窟の主であろう。
帰りは上り階段の連続で、運動不足と体重過多のトガメを受け、反省しきりだったが、さてこの反省がいつまで続くものやら。
昼食は島の入り口にあるレストランで取る。「しらす丼」がお薦めらしいの同行者はほとんどこれにする。ご飯の上にシラスをドッサリ乗せた単純なものであるが、ほかではお目にかからないものだけに新鮮に感じた。シラスは江ノ島の海で取れたものだと称しているが、さて?
食後はまた2班に分かれて出発、今度は歩く距離が少ないという写真班に随行する。
先ほどの運動不足反省は何処へやら、今度はすぐ楽な方に傾くわが意気地なさを反省。
極楽寺は撮影禁止で、「葷酒山門に入るを不許」の石塔が建っている。有名なお寺であるとのことであるが、愛想なしだと不信心の私は思う。
すぐ近くに喫茶店がある。観光案内書に出ている店だそうである。十人もはいれば一杯とのことで、今回6人まとめて座れたのはよほどの幸運だとは写真肝いり人M君の話。
さすがコーヒーの味はすばらしくM君の話、尤もと思う。おまけに勘定をM君が払ってくれるに及んで、極楽寺の御利益かなと思ったりする。
途中アジサイで有名な成就院で合流した、この散歩、撮影両班は最終地点の長谷寺に到達。この寺は大仏様と共に外人受けするので、外国からの客を案内するのによく来たなじみの寺であるが、ずらりと並んだ水子地蔵の説明には四苦八苦したことを思い出す。
この寺のすぐ前に「邪宗門」なる店名の喫茶店がある。今まで知らなかった店で、本当に目立たなくひっそりとした風情である。もう一人の肝いり人Y君の話によるとこの店も14,5名まとめて席にありつくのは、よほどの幸運だとのことであったが、この日は運よくまとめて座れた。店内はアンティークな物がが並べてあり、中でも真空管式のアンプから優しい音楽が流れていた。いっときはこの真空管アンプについて話題が盛り上り、さすが元電子屋で、「雀百まで・・・・」とおかしかった。
話題百出の中でK君(私と同期)のアジサイ談義はK君の知らなかった一面を覗かせてくれ、感嘆するばかりであった。
コーヒーカップの上に飛び交う諸君の豊富な話題、知識にも感心するばかりで、抜群な味のコーヒーを味わいながら至福の一時をもてたことことを皆様に感謝します。

ものづくり先生 2007年問題

2005年06月07日 09時43分07秒 | 大定年時代
ものづくり先生の養成
2007年に団塊の世代が大量に定年を迎えるにあたって、製造現場での技術の伝承が難しくなるとの危機感が云われている。所謂「2007年問題」である。
というわけで経済産業省と東大は協力して「ものづくりインストラクター養成スクール」を年内に設立し、「ものづくり先生 」の養成に乗り出すという記事が朝日新聞に出ていた。
趣旨ははなはだ結構である。しかし、私のように中小企業経営に多年携わってきた人間にとっては、文中に気になる表現があった。
それは「大手メーカーのベテラン技術者を・・・・・」、「卒業後は自社(この場合現に所属する大手メーカーらしい、筆者注)に戻って後進を指導し、退職後は中小企業などで指導を続けて貰う・・・・、東大は卒業者を登録し、中小企業の求めに応じて派遣する組織・・・・・」
以上の文中に出てくる大手企業 vs中小企業 との対比表現である。この文脈からみると1)「ものづくり先生」に相応しいベテラン技術者、技能者は大手企業に存在する。
2)技術技能の継承で問題なのは中小企業である。
ということになるが、継承されるべき技術、技能の持ち主は大企業、中小企業を問わず普遍的に存在する。また技術技能の継承問題が存在するところの製造現場は大企業、中小企業を問わないと思う。勿論その深刻度は中小企業側により大きいかも知れないが。
この記事を書いた記者またはこの施策の当事者に「大企業の技能者・技術者は中小企業のそれらより常に優秀である」との先入観があるとすれば、改めてもらいと願う。