<その遊びというのは、ふたりいればできる。ひとりがかくれんぼのおにのように眼(め)をつむって待っている。そのあいだに他のひとりが道ばたや畑にさいているさまざまな花をむしってくる。そして地べたに茶飲茶碗(ちゃのみちゃわん)ほどの――いやもっと小さい、さかずきほどの穴(あな)をほりその中にとってきた花をいい按配(あんばい)に入れる。それから穴(あな)に硝子(がらす)の破片(はへん)でふたをし、上に砂(すな)をかむせ地面の他の部分とすこしもかわらないようにみせかける。
「ようしか」とおにが催促(さいそく)する、「もうようし」と合図(あいず)する。するとおにが眼(め)をあけてきてそのあたりをきょろきょろとさがしまわり、ここぞと思うところを指先でなでて、花のかくされた穴(あな)をみつけるのである。>
・昔の子供は、お金のかからない遊びをしていた。そんな遊びの一つが花うめだ。なにか隠したものを見つけるというような遊びをした記憶があるが、花をうめて、それを見つけるというしゃれた遊びは始めて知った。山野での遊びを小説で記録しておくのもいいかも。
・幼いころの淡い恋心も記憶に残るものだ。
「ようしか」とおにが催促(さいそく)する、「もうようし」と合図(あいず)する。するとおにが眼(め)をあけてきてそのあたりをきょろきょろとさがしまわり、ここぞと思うところを指先でなでて、花のかくされた穴(あな)をみつけるのである。>
・昔の子供は、お金のかからない遊びをしていた。そんな遊びの一つが花うめだ。なにか隠したものを見つけるというような遊びをした記憶があるが、花をうめて、それを見つけるというしゃれた遊びは始めて知った。山野での遊びを小説で記録しておくのもいいかも。
・幼いころの淡い恋心も記憶に残るものだ。
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