桜の樹の下には(梶井基次郎)

桜の樹の下には

<桜の樹の下には屍体（したい）が埋まっている！
　これは信じていいことなんだよ。何故（なぜ）って、桜の花があんなにも見事に咲くなんて信じられないことじゃないか。俺はあの美しさが信じられないので、この二三日不安だった。しかしいま、やっとわかるときが来た。桜の樹の下には屍体が埋まっている。これは信じていいことだ。>

・桜の樹の下には屍体が埋まっているという話は子供のころから知っていた。知っていたというより、いつか、梶井基次郎のこの短編を読んで、頭の隅に残っていたのだろうか？
・以前、長野方面（場所は定かでないが、田舎であった）を車で通りかかった時、それは見事な、満開の桜の樹に遭遇したことがある。それは、お墓の中に１本だけあった大きな桜の樹だ。この時も桜と屍体との関係性が頭をよぎった。
・家の近くにある墓地の桜もいずれ大木になるか？でも、最近は土葬がなくなったので、巨木にはなれないかも・・・・・