TAOコンサル『市民派アートコレクターズクラブ』

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前田昌良展・・記憶の中から生まれる風景や中世の玩具たち

2016年06月23日 | 注目の現代美術作家と画廊散歩
私は精神性が滲んだ絵を好むが、前田昌良のような世界も好きだ。抑えた色合いの半抽象もいいし、中世の玩具を思わせる立体も楽しい。声高らかに何かを主張することはないが、何処か心惹かれる。特に玩具作品を見ていると、過ぎ去りし少年の日々が蘇るようだ。私の書斎には前田作品が何点か置いてあるが、いつも静かにひっそりと息づいている。

作家はかつて、展覧会リーフレットに「大自然はあまりにも悠久過ぎてそこに時間の流れを感じ取れず、近代的なものにはもとより時間の流れは汲み取れず、そのどちらでもない人の営みのつながりが感じられる程の時間を刻んだ風景に心を動かされます。」と書いていたが、いい感性の持ち主だ。
「空はあまりにもひろく僕はあまりにもちいさい」とも書いているが、心やさしい人なのであろう。作品タイトルも、「風を見つめる木馬」、「森に浮かぶ舟」、「風を見つめる木馬」など、さりげないが心に響く。

先日、高島屋美術画廊の「風を見つめる木馬」展で久しぶりにお会いしたが、変わることのない青年の雰囲気であった。深夜、アトリエで、愛おしむように玩具作品を見つめる姿が目に浮かぶようだ。







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