TAOコンサル『市民派アートコレクターズクラブ』

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久しぶりの画廊散策、ギャラリー椿「高松ヨク展」と不忍画廊「中佐藤滋展」、とても良かった

2015年06月10日 | 注目の現代美術作家と画廊散歩
私はギャラリー巡りの達人たちのように一日にたくさんの画廊を歩くことはない。何軒か覘いたらゆっくり珈琲かワインを飲むのを楽しみにしている。昨日はギャラリー椿の高松ヨク展と不忍画廊の中佐藤滋展に絞って出かけたのだが、予感が的中、いずれもいい展覧会であった。

高松ヨクは初めての作家であったが、とても惹きつけられた。作品「クリストゥスの少女」はルネッサンス期の中世の絵画を見るかのようであった。「幻想モナリザ」もそうだが、模写した作品の上からオリジナルな部分を描き加えてある。相当技術的な研究を経てのことであろうが、どれも薄塗りを重ねた繊細な作品であった。しかし、この作家の本領は幻想的世界というか、シュールレアリズムにありそうだ。創造力が豊かなのであろうか、描かれたテーマも場景も様々で面白い。しかも、どの作品もシュールでありながら美しい。夜半に、書斎でこんな絵を眺めながらブランデーでも飲んでみたいものだ。



中佐藤滋は元々好きな作家である。10年以上前に1点購入したことがあるが、テーブルの上の電燈の傘や自転車などが過ぎ去りし日への郷愁をそそる。「サマータイム・ブルース」と題する今回の展覧会には、40年以上前の初期油彩や昭和会賞に挑戦した抽象的雰囲気の作品も並んで、見応えある。自画像らしき作品はどれもユーモアにも溢れ、楽しい。しかし、私が特に気に入ったのはここに画像を掲示したモノクロの作品だ。中央のモノトーンに描かれたテーマと、引っ掻いたようなマチエールの余白の部分とがバランスよく響き合って、心地いい。それにしても不忍画廊の展覧会はただ作品を見せるというだけでなく、工夫があって面白い。


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