田中雄二の「映画の王様」

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『あの胸にもういちど』

2019-05-21 09:42:42 | 映画いろいろ
『あの胸にもういちど』(68)(2010.10.23.アラン・ドロン生誕75周年映画祭:新宿K's CINEMA )



 わが映画記録帳を紐解くと、この映画を初めて見たのはまだ中学生だった1974年11月6日の水曜ロードショーとある。朝もやの中、夫と暮らすフランスの片田舎から愛人のいるドイツに向けてバイクでひた走るヒロイン(マリアンヌ・フェイスフル)。彼女の現在と回想を交差させた何だか分かりにくい映画という印象が残っていたのだが、何と細部までばっちり覚えていた。これはエッチな場面見たさに集中して見ていたからなのだろうか…。テレビではヌードシーンを誤魔化すために花瓶が映っていた記憶がある。
 
 アラン・ドロン映画祭の一本なのに、当のドロンは脇役で、全編がフェイスフルの不思議な魅力で彩られている。今回見直してみて、映像的にも凝っていて音楽もなかなかいいとは思ったが、やはりジャック・カーディフは、監督としてストーリーを物語るよりもカメラマンとして誌的なイメージを紡いでいた方が良かったのではないかという気がした。

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