田中雄二の「映画の王様」

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『ウィル・ペニー』

2020-09-05 12:16:43 | 映画いろいろ

『ウィル・ペニー』(68)(1976.3.10.水曜ロードショー)

シネフィルWOWOWで再見。ウィル・ペニーよりも年上になった今改めて見ると、感慨深いものがあった。

 初老のカウボーイ、ウィル・ペニー(チャールトン・ヘストン)が直面する現実を丹念に描いた渋い西部劇。ジョーン・ハケット母子とのふれあいと別れも描かれ、日本では「第二の『シェーン』」として宣伝された。

 アクションや史劇の大型スターというイメージが強いヘストンにとっては、異色作とも言えるだろうが、彼はもともと舞台の人だから、意外と演技派なのだ。

 監督・脚本はテレビ出身のトム・グライス。ヘストンは「これまでに出会った脚本の中でも素晴らしい作品の一つ。最高の西部劇」とし、新人のグライスに監督をさせたという。ヘストンはよっぽど気に入ったのか、『ナンバーワン物語』(69)『大洋のかなたに』(70)でもグライスとコンビを組んだ。

 冬の風景を見事に映し込んだルシアン・バラードの撮影、デビッド・ラクシンの音楽もなかなかいいが、ラストの歌はなかった方がよかったと思う。

 この映画は、“70年代脇役天国”の男たち=リー・メジャース、アンサニー・ザーブ、ブルース・ダーン、スリム・ピケンズ、クリフトン・ジェームズ、ロイ・ジョンソン、GD・スプラドリン、ルーク・アスキュー、マット・クラーク、ウィリアム・シャラートらに、ベテランのドナルド・プレザンスとベン・ジョンソン(『シェーン』つながりか)が混ざって出てくるところも面白い。


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