『赤い河』(48)(1974.10.4.)
ビデオ通話での西部劇談議。今回はハワード・ホークス監督の『赤い河』。この映画、最初は、中学生の頃にテレビで見たのだが、子供ながらに、何だがジョン・ウェイン演じる主人公ダンソンの心の屈折や強引さが奇異に感じられて、西部劇の名作として評価が高い映画だが、自分にとっては、正直なところピンとこなかった。
今回、久しぶりに見直してみて、気付いた点や分かったことを記してみる。
・監督ハワード・ホークスと原作・脚本のボーデン・チェイスの対立。チェイスはもっと暗いストーリー展開を望んでいたという。
・全編がハードなタッチであるにもかかわらず、ラストだけが唐突で甘い感じもするが、ある意味、ラストのみが本来のホークス調だとも言えるのではないか。
・終戦直後(実際の製作は46年)の世相を反映。ダンソンの異常性格を、当時流行のニューロティック=異常心理映画の一本として見ることもできる。増淵健氏は、この映画を「サイコ・ウエスタン」と評している。
・強い女が決着をつける。この映画のジョーン・ドルーは、後の『リオ・ブラボー』(59)のアンジー・ディッキンソンにも通じるキャラクター。
・ラスト近くに登場するサイレント時代の西部劇スター、ハリー・ケリーの存在感が抜群(息子のジュニアも出ていた)。
・133分はちょっとオーバーロング。双葉十三郎氏は「ホークスは、ぶった切るような接続を得意としているので、流れがよくない」と書いている。
・モンティ、ウォルター・ブレナンが好演。
ビデオ通話で西部劇談議
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/08a8c46dc6eb673a29676690024bd037
『赤い河』ホークスとデューク
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