1957年、松本清張(大沢たかお)が、次なる題材として注目していたのが12人が毒殺された「帝銀事件」だった。
逮捕された画家・平沢貞通(榎木孝明)は、真犯人ではないと考えた清張は、文藝春秋編集長の田川博一(要潤)と共に、独自に取材を開始。やがて警察が軍関係者を追っていた事実を突き止め、事件の底知れぬ闇へと分け入っていく。
清張が、軍関係(731部隊)やGHQへ肉迫していく様子を、ドラマ形式で描いた力作。脚本は安達奈緒子。最初は、清張役には…と思った大沢が、徐々に違和感がなくなっていったのが意外だった。
ノンフィクションではなく、『小説 帝銀事件』という形で発表したことを良しとしなかった清張は、後に、帝銀事件も含めたノンフィクション『日本の黒い霧』を書き上げる。
帝銀事件を描いた映画には、熊井啓の監督デビュー作で、信欣三が平沢を演じた『帝銀事件 死刑囚』(64)があり、2時間ドラマでは、森崎東が監督し 仲谷昇が平沢を演じた「帝銀事件・大量殺人 獄中32年の死刑囚」(80)がある。
どちらも、平沢が八王子の医療刑務所に移送された1985年の6月に、テレビ放送された際に見た。
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