『炎の少女チャーリー』(84)(1988.9.27.ザ・ロードショー)
政府の薬物実験「ロト6」を受けて超能力を得た両親の間に生まれ、パイロキネシス(自然発火)能力を持つ少女チャーリーに、軍事利用を企む謎の組織ザ・ショップの追手が迫る。
スティーブン・キングの小説『ファイアスターター』を映画化。製作ディノ・デ・ラウレンティス。ジョン・カーペンターが降板し、マーク・L・レスターが監督を引き継いだ。音楽はタンジェリン・ドリーム。当時8歳のドリュー・バリモアがチャーリー役で主演。
前半は父(デビッド・キース)とチャーリーの逃避行を描き、そこにアート・カーニーとルイーズ・フレッチャーの老夫婦が絡む。
後半は、組織に拉致された父娘と絡む、組織の親玉役のマーティン・シーンと、特殊工作員レインバード役のジョージ・C・スコットが大芝居を見せる。特にチャーリーに対してロリコン的な興味を示すレインバード=スコットの異常性が際立つ。
ただ、全体的には雑なところが目立ち、もやもやさせられるし、ラストも、まるでチャーリーによる大量殺人を見せられたようで困惑するところがあった。また、この映画の後、バリモアの身に起きた試練を思うと、複雑な思いを抱かされた。
『炎の少女チャーリー』(22)(2022.5.27.東宝東和試写室)
38年ぶりのリメーク作。チャーリー(ライアン・キーラ・アームストロング)と両親(ザック・エフロン、シドニー・レモン)との関係、レインバード(マイケル・グレイアイズ)の役割など、人物設定は、84年版よりも丁寧に行っている印象を受けたし、ストーリーも整理されていた。また、84年版よりも、チャーリーの屈折を掘り下げ、同じくキング原作の『キャリー』をほうふつとさせるところもあった。監督はキース・トーマス。
製作者の一人にラウレンティスの名(恐らく一族)を見付けたのと、音楽を84年版で監督を降りたジョン・カーペンターが担当していたのには驚いた。
チャーリーは、『エクソシスト』(73)のリーガン(リンダ・ブレア)と同じく、ある意味、呪われた役ともいえる。今後、アームストロングにバリモアやブレアのような不幸が訪れないことを願う。
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