田中雄二の「映画の王様」

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『終電車』

2019-05-16 16:41:50 | 映画いろいろ
『終電車』(80)(1986.9.17.)



 ナチス占領下のパリで、劇場の地下に隠れ住むユダヤ人の夫を持つ女優(カトリーフ・ドヌーブ)を中心に、演劇の灯を守る人々の生活を描く。フランソワ・トリュフォー監督のこの映画の面白さは、ドヌーブが“女優”を演じているところと、地下の夫と地上の妻、地上の妻と若い俳優(ジェラール・ドパルデュー)、そして舞台上で2人が演じる恋人役という、三つの関係が互いに影響を与えながら、同時進行していく多重構造にある。

 これは、同じくトリュフォーが『アメリカの夜』(73)で、現実のスタッフやキャストの姿を追いながら、劇中映画 『パメラを紹介します』が出来上がっていく様子を描いたのと通じるものがある。

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