『青春18×2 君へと続く道』

『青春18×2 君へと続く道』（2024.4.11.アスミック・エース試写室）

　18年前の台湾。高校３年生のジミー（シュー・グァンハン）は、アルバイト先のカラオケ店で４歳年上で日本人バックパッカーのアミ（清原果耶）と出会い、天真らんまんでだがどこかミステリアスな彼女に恋心を抱く。アミもまた、ある秘密を抱えながらもジミーに引かれていく。だが、突然アミの帰国が決まり、落ち込むジミーにアミはあることを提案する。

　現在。人生につまずいて久々に帰郷した36歳のジミーは、かつてアミから届いたはがきを手に取り、あの日の約束を果たすべく日本へ向けて旅立つ。東京から鎌倉・松本・長岡、そしてアミの故郷の只見へと向かう道中で、ジミーの心の中に彼女と過ごした日々の記憶がよみがえる。

　ジミー・ライの紀行エッセー『青春18×2 日本漫車流浪記』を基に、藤井道人が監督・脚本を手がけた日台合作のラブストーリー。18年前の台湾と現在の日本を舞台に、国境と時を超えてつながる初恋の記憶を描き出す。

　日本と台湾でのロケーションが大いに効果を発揮。高校３年生と36歳を演じた分けたグァンハン、訳ありのアミを演じた清原がともに好演を見せる。岩井俊二監督の『Love Letter』（95）の引用も印象的。

　台湾での点描を見ながら、大昔の自分の大学時代にアルバイト先で知り合った人たちや恋愛のことを懐かしく、切なく思い出した。

　台湾映画『１秒先の彼女』（20）をリメークし、清原が出演した日本映画『１秒先の彼』（23）、『１秒先の彼女』のリウ・グァンティンと門脇麦が共演した『オールド・フォックス 11歳の選択』（23）、台湾出身で日本の藝大で学んだ監督が撮った『走れない人の走り方』（24）、そしてこの映画と、このところ日台の映画交流が盛んだが、これは喜ばしいこと。特にこの映画を見ると、台湾や日本各地を旅してみたくなる。

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【インタビュー】『１秒先の彼』清原果耶
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/7c38dce837c2d3f34a71ec7521103945

『１秒先の彼女』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/b3128d482926c9b5b3441b521c6f4442

以前、『南風』（14）という日台合作のサイクルロードムービーもあった。
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/d66ace49af5b8bd1d73eba9628facac3