田中雄二の「映画の王様」

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『おたずね者キッド・ブルー/逃亡!列車強盗』

2018-07-02 10:50:21 | 映画いろいろ
 「ザ・シネマ」で、73年製作で劇場未公開の珍品西部劇を見た。



 舞台は19世紀末。小悪党のキッド・ブルー(デニス・ホッパー)が、悪事から足を洗おうとして、地道な仕事に就くが、いろいろあって、結局は悪党に戻るという話。オーバーオールを着たホッパーが新鮮に映る。

 ウォーレン・オーツ、ベン・ジョンソン、ピーター・ボイル、クリフトン・ジェームズ、ラルフ・ウェイト、リー・パーセルと共演陣も豪華だが、ストーリーがあまりにも平板過ぎて、隠れた傑作というわけでもなかった。

 もう一本、『デニス・ホッパーの マッド・ドッグ・モーガン/賞金首 』(76)と名付けられた未公開西部劇があるようだ。こうして見ると、ホッパーの西部劇に対する思い入れの強さが感じられる。

 確かに、ホッパーは『OK牧場の決斗』(57)、『エルダー兄弟』(65)、『奴らを高く吊るせ!』(68)、『勇気ある追跡』 (69)に出演していた。

 また、監督作の『イージー・ライダー』(69)も、ピーター・フォンダのキャプテン・アメリカことワイアット(アープ?)、ホッパーのビリー(ザ・キッド?)という役名をはじめ、モニュメントバレーの風景や馬小屋でバイクのタイヤを代えるシーンなど、バイクを馬に乗り換えたら西部劇じゃないかと思わせるところがあった。もっともあの旅は、西から東へと向かったのだから、西部劇としては“逆走”だったのだが…。
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