『大いなる決闘』(76)(2011.5.2.)
かつて保安官だったサム(チャールトン・ヘストン)は、娘のスーザン(バーバラ・ハーシー)と隠居生活を送っていたが、過去に逮捕した凶悪犯のプロボ(ジェームズ・コバーン)が仲間と共に脱獄したことを知る。
狙いは自分の命だと確信したサムは、プロボを待ち受けるが、スーザンが誘拐されてしまう。監督はアンドリュー・V・マクラグレン。
1976年、アメリカ建国200年の年に製作された映画で、自分にとっては数少ないリアルタイム西部劇の一本。舞台は20世紀初頭の西部開拓時代の末期、だから原題は「THE LAST HARD MEN」(“最後の頑固な男たち”とでも訳すか)。
と、ここまではいい。ところがコバーン演じる偏執狂的な悪党が、かつて自分を捕まえたヘストンの元保安官に復讐するのだが、やり方が残酷でねちねちしていて後味が悪く、正調西部劇と呼ぶのはためらわれる。
公開当時も、かつてジョン・フォードの後継者と言われ、『シェナンドー河』(55)など、家族ものの佳作を撮ったマクラグレンの変化に疑問を感じた覚えがある。ところがこれが、今見直すと結構面白く見られたのは何故なのだろう。もっと残酷でねちねちした映画が増えたからなのか…。