むぎわら日記

日記兼用ブログです。
野山や街かどで見つけたもの、読書記録、模型のことなどを載せております。

『ノモンハン秘史』辻正信(毎日ワンズ)

2020年11月25日 | 読書
陸軍の無謀な作戦により壊滅的な大損害を受けた日本軍の惨敗として語られるノモンハン事件であるが、立場が変われば見方が変わります。
この本は、現場よりに立っていた著者の体験談です。
日本軍は、ソ連軍の爆撃を受けても、国境を越えて敵の飛行場を爆撃することを許されず、攻めてくる敵機を迎え撃つことしかできない定めでした。今の自衛隊の立場にも似ています。
そんな中で、編成したばかりの部隊で、数で4倍、装備も最新のソ連軍を相手に戦い壊滅したにも関わらず、相手に大きな損害を与えた戦いであったのです。
両軍の損害は、次のとおり(Wikipediaより)
日本軍
戦死 7,696
戦傷 8,647
生死不明1,021
戦車 29輌
航空機 約160機




赤軍
戦死 9,703
戦傷 15,952

戦車・装甲車 397輌
航空機 251機
モンゴル軍
戦死 280
戦傷 710
装甲車数十輌
ノモンハン事件は、日本陸軍の暴走、狭量、無反省を謳われることが多いですが、見方を変えれば、そうとも言えないと考えさせられました。
また、領土紛争の難しさも垣間見ることができます。
尖閣、竹島、北方領土など、領土問題を抱えている日本も、もう一度、冷静な目でノモンハン事件を検証してみるのも一考であると感じました。


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3 コメント

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ノモンハンは意図的に過小評価されている (いしけん)
2020-11-26 00:57:36
一例でいうと新発田の16連隊の様な歩兵部隊が機動部隊と交戦したら厳しい戦況となりますし、機動部隊同士が交戦すれば日本軍の錬度が高かったため高い戦果を出しています。そこでノモンハン敗戦論者は領土を確保できなかったから日本負けと言うのですがそもそも日本は地域を確保する意図が無かった。永久に結論が出ない訳ですが、ジューコフがスターリングラードより辛かったとか言ってる事からも日本の奮戦は価値あるものだったと考えます。
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Unknown (lemonwater2017)
2020-11-26 01:30:25
象が転んだです。
私もノモンハンに関してはブログを2度書いてますが、決して無駄じゃなかった、いや勝てたかも知れない。そして、太平洋戦争を回避できたかも知れない戦争だと思います。

スターリンも関東軍を非常に高く評価してました。それに、ドイツと日本で両側から攻め込まれてたら、負けてただろうとも振り返ってます。
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> いしけんさん >像が転んださん (タック)
2020-11-26 20:19:45
日本軍は戦争をしたくなかったので、かなり抑えて部隊を展開していますが、それでもソ連側の損害は大きすぎますからね。
日本軍は戦争に発展しないために、戦力も戦闘範囲も自ら限定して戦っているのに、大戦力を投入してきたソ連軍に甚大な損害をあたえています。
戦争に発展しなかったことは、日本の目的の一つだったので、その点からも評価できますね。
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