むぎわら日記

日記兼用ブログです。
野山や街かどで見つけたもの、読書記録、模型のことなどを載せております。

『サピエンス全史 上下合本版』ユヴァル・ノア・ハラリ(河出書房新社)

2021年12月16日 | 読書
kindleのセールで40%offだったので合本版を購入してみました。
出だしからメチャ面白くて、引き込まれました。
7万年前、アフリカの奥地でひっそりと生きていたホモ・サピエンスに、突然変異が起きて新しい言葉を手に入れました。
そのころの地球には、我々ホモ・サピエンスの他にネオンデルタール人や他の人類も多種生きていました。彼らはホモ・サピエンスより体は大きく力があり、言葉も話し火も使え、寒冷気候にも耐性がありました。
しかし、サピエンスが会得した新しい言葉、虚構を伝えることができる言葉の力によって集団化して襲ってくるサピエンスに滅ぼされていったのです。
それまでの言葉は、「ライオンが来たから逃げろ!」「向こうに木の実がたくさんおちているぞ」など真実を伝えることしかできませんでした。
サピエンスの得た言葉は「白いオオカミは神の使いだ」「龍神に祈ると雨が降る」など虚構を伝えることができるのです。
これを認知革命と言います。その力によって、同じ神や神話を信じる人々を協力し合えることになったのです。古い言葉では150人程度が協力するのが限界でしたが、新しい言葉では何百、何千、何万の人が協力することができるようになったのです。そのために、小さな集団で敷かない他の人類は太刀打ちできませんでした。
農業革命、帝国主義、資本主義……そして、全人類が信じる神、貨幣信仰により経済が発展していくのです。
そして、現在、人は生物的な限界を超えて遺伝子操作などで神の領域まで足を踏み入れようとしています。
それが不老非死で精神的に安定していて頭脳明晰、いつまでも若々しい人類(もはやサピエンスではない!)の誕生が見えてきました。
タイトルに「全史」とありますが、ほんとうに全史になるのかもしれません。

コメント
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