
「長崎の敵を江戸で討つ作戦」

先日,会員サービス商法を行う日本○○に対し,
入会から現在に至るまでの会費等の支払いを求める訴えを提起した。
訴訟の顛末は・・。
事前に,
長野消費生活センターに同様の被害者がいないか問合せたところ,
同社の被害を受けている人は少なからず存在しているらしい。
しかし,
金額は今回の事例と比較するといずれも少額。。
ところが,
同社に対し戦いを挑んだつわものがいた事を知る。
弁護士織英子先生(上田市,神田法律事務所)は,
かつて同社を提訴し第一審で勝訴。
同社との契約は,公序良俗に反する契約と裁判所は認定したそうです。。すごい。
先生曰く「同じ被害を受けている人にこの判決を役立ててほしい」そうです。

実は・・

当職も,
二十歳頃騙された経験があり被害を受けたのですが,
まったく同じ手口。

海外旅行や英会話などのサービスを会員である限り,
割引後の値段で利用できるという会員商法で,
会費だけは毎月何年何十年と死ぬまで口座から自動送金され続け,
退会しようとすると退会金など不明な名目の金銭を請求されるか,
退会のためには東京の事務局まで来いというおまけ付き。

会員規約・契約書の類は不審点だらけ。
入会しても毎月の会費を払うのがやっとで,
割引のサービスを受けるだけの金銭的余裕はなく,
結局利用しないまま会費だけむしり取られる。

大手グループ会社が集金代行をしており,まともな会社と信じ,
自分が騙されていると人に馬鹿にされたりするのではないかと恥ずかしくて相談できず,
被害がゆっくりと確実に増えていく。。

自分は騙されているといい加減自覚したとき,
弁護士に依頼しようと相談したところ,着手金で30万円。成功報酬で・・
と言われて,そんな大金はないため,
自分でやるしかないと勉強を始めたことを思い出します。

この手口に一度はまると,
後日「消費者救済生活センター」とか,
とにかく消費者センターや国民生活センターの外郭団体?
と思うような名称の詐欺グループから連絡が来る。

「あなたが騙された会社との契約は法律上は継続しているので,
別の契約を結んでおかないと裁判で滞納している何年間分の料金が請求されてしまう。
そのための対応策として,別の同種の契約を結んでおけば,
従前の契約が不要であることを裁判上でも証明できるので安全だ。
当センターは同じ被害者を救済するために,
救済に協力してくれている会社が貴方と新しい契約を締結してくれることになっている。
公になると裁判で虚偽の契約だと主張されてしまうので,
当センターから紹介を受けたことは秘密してもらえるのであれば,ご案内できるが・・。
あなたを騙した会社は現在裁判の手続をすすめていると言う情報があるので,
できるだけ早く対応を取る必要があるが,できれば直接説明したいので,
新宿までお時間をとってきていただけないか。
返答は後日ではいいので,また電話します。」

といった具合の電話が忘れたころにかかってくる。
当時当職はのこのこ新宿まで出かけてしまった。のであーる。
新宿の都庁近くのとある高層ビル内で受けた悪質業者の話がこれまたある意味巧み。。。

とにかく,
この手口にはまって悪質業者のリストに氏名・電話番号を記録されると,
二次被害・三次被害を受け借金や債務だけが増えていく。。。。
また,
この手口は当時から二十年たった今も時代に合わせて繰り返し行われている。

社会人になってクレジットカードを作る際に,
延滞履歴が信用情報機関にストックされ否決されるのではいなかと思ったものです。
しかし,カードは作れました。理由はクレジットカード会社の法務担当になって知りましたが。。
長くなりました。ここまで読んでる人。そういないと思いますが・・自分の失敗談が誰かの役に立てばありがたい。
だまされても,おっさんになっても頑張ろう。。