ずいぶん前のことです。
地方裁判所へ初めて上申書なるものを作成し提出代行。
破産開始の申立後,過払い金がありますとある業者が名乗りでました。
さて,回収作業は誰がするのか。。
破産手続きの同時廃止事件ではなく,
少額管財事件として弁護士さんなど法律専門職が関与する手続きになった場合,
管財人が回収を行います。
また,
この手続きにしてもらうには,
裁判所に納める「予納金」として20万円程度が必要となりますが,
これを準備するために本人の現況では,毎月1万円貯めるにしても20か月以上かかります。
そもそも毎月1万円貯蓄する余裕がありません。
少額管財事件の破産手続きでは,
選任された破産管財人により回収したお金は債権者に案分弁済されるのが原則です。
今回のケースでは,
裁判所から上申書の提出を求められました。初めての経験です。
本人とよく相談し,
本人には税金等の滞納分があり,これに優先的に支払いたい旨を上申することにし,
相手が任意に支払うといっている金額,本人の現在の状況を文書にまとめてみました。
数日後,
地方裁判所の出した決定は「同時廃止」。。
依頼者に結果をお知らせして,
後日,市町村役場に行き滞納した住民税・公共料金や国民健康保険等を支払うことができました。
それから数ヵ月後,
この事件は,免責許可決定が出ました。
今回の教訓。
債権調査の回答期限に遅れて回答する業者がいることを踏まえて,
破産申し立てを急ぐ特別な事情がない限り,破産開始の申し立てはあわてず,あせらず行う方が良いと分かりました。
また,
本人の負担するコストを考えると,司法書士が書類作成業務として受任した方が良いのか,弁護士さんに代理事件として依頼した方が良いのか考える機会になりました。