打倒!破廉恥学園

旋風寺武流PLが意味もなくただ、だらだらと掻き散らかすブログです。

魂の影響

2013-10-29 06:33:43 | Weblog
よく漫画家や作家のインタビューを読むと「(作家名、または作品名)に影響を受けて、作家になりました。そしてこの作品をかきました」みたいなことを言っています。Wikipediaでも作家の来歴に「~を読んで作家を志す」的なのが載っているじゃないですか。

だけど、間違いない。本当に影響を受けた作家または作品名は、確実に挙げない。基本的にクリエイターというものは露悪癖があるものです。そうでなければ自分の頭の中にある妄想を披露しようなんて、まず考えないからですね。

だけどね、やっぱり「この影響を受けたことだけは口が裂けても言えない!」っていうものがあるわけですよ。魂に受けた影響って奴です。別に魂に影響を受けたものが、それを知られたら人格を疑われる……というものではありません。それでも絶対に作家の口から出ることはないでしょう。

いや、一目瞭然ってのもありますよ。十人中十五人が「これってあの作品のあのキャラまんまですよね」ってのが。ちなみになぜ五人増えたかというと、十人中の五人がもう一度確かめて「やっぱりまんまだ!」と確信するからです。

しかし、作者は絶対に口を割らない。どれだけバレバレでも。

なぜか。それは自分の底が見えてしまうからです。魂の影響というのはわかりやすく言えば「自分もこんな作品を創りたい」という情熱です。でも悪い言い方をすれば「これをパクって作品を創ろう!」という宣言にも等しいわけで。もちろんそれは悪いことではありません。どんな作品にだってモチーフや叩き台になったものがあるわけですからね。

つまり魂に影響を受けたものを暴露してしまうと、クリエイターとしての限界を突きつけられるような気持ちになるのです。原点であり根っこの部分ですからね。根っこをほじくり返されたら、もうダメでしょう。

また魂の影響を暴露してしまうことは「創造=オリジナリティ」信仰に反するわけです。創造は、自分だけにしか創れないオンリーワンなもの……という考えがあります。ほらクリエイターって「変わっていますね」と言われると、ちょっと嬉しそうな顔をするでしょう? あれは凡人とは違う自分に軽く酔っているからです。


でも無理じゃないですか。本当にオンリーワンな創作物なんて、その作者にしか理解できないものですよ。

クリエイターも編集部も読者もそれはわかっているわけです。だから繊細なるクリエイターたちは、魂ではなく思考や細部に影響を受けたものを生贄として暴露することで、魂に影響を受けたものを護っているのです。

たとえてゆーなら「北斗の拳」でサウザーの部下から子供達(魂の影響)を守るために、一人の子供(普通に影響を受けたもの)を囮にした母親のようなものですよ。

ま、これはあくまで私の個人的な推測によるものですけどね。