たつじん！

合気道の達人（故人）の映像を観たのですが、やはり達人というのは恐ろしいのです。

その達人はすでに老齢の域にも関わらず、大勢の前で、ユーモアあふれる講釈をしながら、弟子たちを転がし、捻り、組み伏せていくのですよ。

素人目にはインチキなんじゃ……とか弟子が遠慮してるんじゃ……と邪推しちゃいますけど、映像を観ている内に、こりゃ本物だな、と考えなおしちゃいました。

だって六十歳を越えているのに、たっぷり動きまくっても息切れ一つしていない。相手の力を利用して……なんて言ってますけど、実践するのはすんごい難しいと思うんですよね。

ヒクソンやヒョードルが還暦を迎えたとして、果たしてあれほど動けるかどうか。

達人の技は多々あれど、指一本を相手の喉笛付近に突き刺して昏倒させるという技が一番くらいたくはないかな。正しくどこを刺しているかは動きが早すぎてわからないけど、鎖骨と鎖骨の間の窪みあたりとか、指を押し当てたら痛いので、そこら辺かもしれない。あれは痛そうだ。

また、笑いながら攻撃ができるってのもすごいです。すごい無邪気な笑顔なのに、怖いの。そして歩き方が独特。袴はいているから膝の動きは見えにくいけど、地面を滑るように歩きます。

今の合気道の業界であの達人と同じことができる人ってどんだけいるのかしら。ちょっと気になっちゃうのね。