ごめんね、おにいちゃん

私は今、自転車で通勤しています。健康にもいいし、金もかからないし、痴漢冤罪を受けることもないし。

そんなわけでいいことづくめの自転車通勤なのですが、ちょっとした悲劇が起こってしまいました。

朝方に会社に行こうと自転車を漕いでいたのですが、目の前にお父さん、お母さん、おにいちゃん、妹の４人家族と思われる人たちが歩いていたのです。

きっと夏休みだから家族でどこかに遊びにいくんでしょうね、その一家の横を通り過ぎようとしたときですよ。

嬉しかったんでしょうね。小学校低学年くらいのおにいちゃんが大はしゃぎして通り過ぎようとする私の道をいきなり塞いだのです。後から私が来るなんて知らなかっただろうからこれは完全に不可抗力。

私は慌ててブレーキをかけました。まぁ、何事もなかったのですが……問題はここからです。

ご両親がおにいちゃんを怒る、怒る。そして私に非常に腰の低い態度で謝るのです。

「（私に）すみませーん！（おにいちゃんに）ちゃんと道を歩くときは後にも気をつけないといけないっていったでしょ！！」

おにいちゃん、キョトーン。　きっとまだ自分が自転車とぶつかりそうになったと飲みこめなかったのでしょう。嬉しさのあまり飛び跳ねていましたからね。それでもご両親（とくにおかあさん）はおにいちゃんを怒ります。

私は「いえもうそんな……」と手を振ってそうそうに退散したのですが、まだおかあさんの怒りの声は聞こえてきました。

ごめんね、おにいちゃん……楽しい家族旅行か外出にものすごいケチをつけちゃって。多分、夏休みトップレベルのトラウマになるだろうし怒られまくって今日一日楽しみづらいよなあ。

自分も似たような経験があるからわかるんだよね。頭に怒られた事が残って心から楽しめないのなあ。

悪い事したなあ、とつくづく思う私でした。