打倒!破廉恥学園

旋風寺武流PLが意味もなくただ、だらだらと掻き散らかすブログです。

買いたい新書

2007-03-12 15:22:06 | Weblog
ターヘル・アナトミア。このオランダ語で書かれた人体解剖の本が、「解体新書」という名で和訳されて出版されたのは1774年。江戸時代真っ只中のことです。


もちろん和訳したのは日本人。前野良沢と杉田玄白・中川淳庵などの蘭学者たちです。当時、日本は鎖国をしていたので異国の文化に触れるには長崎に行くしかなかったわけですが、今と違ってそんなに気楽に旅なんてできるわけもない。ほとんどの人が生まれたその土地で一生を終えていたわけです。

前野良沢たちがターヘル・アナトミアを翻訳した……と一言で片付けてしまえばそれまでなのですが、そこにはとてつもない苦労があったのです。何せ和蘭辞書なんてありませんから。おまけに翻訳を開始した時、オランダ語をかろうじて知っていたのは前野良沢だけで、杉田も中川もアルファベットすら知らなかったわけです。

しかも前野だって藩に許されて百日程度長崎に留学していた位で、単語を100個ほど知っていただけ。もちろん文法なんてほとんどわからなかったわけです。

でもこの人たちは根気強く4年もかけて(たった4年でと言ったほうがいいでしょうか)翻訳をしたのです。

この話を初めて聞いたとき「情熱があれば大抵のことはできるんだなあ」って感動したのですよ。人間やってやれないことはない。なんとなく精神的にくさっていた時期だったので物凄い励みになりました。

来年から再び社会人になるわけですが。気合と情熱を忘れないようにしないとね。