goo blog サービス終了のお知らせ 

広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

なかいち

2014-01-19 20:26:14 | 秋田のいろいろ
秋田市中心市街地にある日赤病院・婦人会館跡地の再開発事業によって2012年7月にオープンした「エリアなかいち」と周辺から。※オープン直後の記事

●やっぱり
なかいちの商業施設の核テナントである食品スーパー「サン・マルシェ」が、今年3月で退去(賃借契約解除)する意向であることが先週分かった。

整理すると、商業施設の所有・運営者が「秋田まちづくり」。
そこに2550平方メートルの核テナントとして入るのが、卸町で同名のスーパーを経営している「秋田まるごと市場」という企業。なかいちのスーパーは「サン・マルシェ」という店名。さらにその中に「北野エース グロッサーズ」などがサン・マルシェのテナントとして入って営業しているという形。のはず。たぶん。

今回は、昨年末、秋田まるごと市場から秋田まちづくりに対して、「売り上げが見込みに届かない」ため契約解除したいと文書で伝えられた。
これを受けて秋田まちづくりは、後継テナントを複数社と交渉中。
一方で、秋田まるごと市場側は契約解除は「完全撤退」ではなく、4月以降は別の形で関わりたいとしており、秋田まちづくりの社長も「まるごと市場にアイデアがあるなら話を聞く」と話している。


やっぱりこうなったか、という感想。夕刻の見切り品が並ぶ時間帯には、勤め帰りの人で賑わうけれど、それ以外は…という状況のようだし。開店から1年半、さらに2013年3月にリニューアルして1年で、というのは、ちょっと早いかなとも思ったけれど。

(以下、以前も書いたと思いますが…)
2013年3月にリニューアルしてやや庶民的にはなったとは言っても、まだ高級志向だし、秋田でそれを求める顧客は多くないはず。
車ならそう遠くない卸町に同経営・同コンセプトのまるごと市場がある。それになかいちから500メートル歩いて駅前のザ・ガーデン自由が丘西武(旧イトーヨーカドー秋田店)へ行けば、食料品や生活用品なら同価格かそれ以下で購入できるのだし。
この場所に、この店が必要なのか、必要とする客がどれほどいるのだろうか。せめて(立地的にやや離れて周辺にスーパーがない)大町のニューシティ跡にでもあれば、必要とする客は多少はいそうだけど。

あと、できてしまってはどうしようもないが、大々的に取り沙汰されたわりには、狭い店舗面積。それに外周から見ればほとんどが壁面で、内部を窺ったり出入りしたりできる箇所(駐車場出入口を含む)が少ないという閉鎖的なレイアウトも入りにくさ・利用しにくさを増長していると思う。
作った人たち(再開発組合)には、オープン前にもっと周辺住民や客の要望を聞いてほしかったと、改めて感じてしまった。

【3月28日追記】3月21日放送の秋田朝日放送「トレタテ!」によれば、商業施設の1日の来店客数は、オープン当初は3000人だったのが、最近は平日の少ない日は1600人程度まで減っていたとのこと。

※続きはこの記事後半



●もうすぐまた
なかいち内に移転した秋田県立美術館
目玉展示である藤田嗣治による大きな絵「秋田の行事」は再注目されており、秋田の民放局はそれが作られた経過や背景の特番などをやっていた。

今朝放送のNHKEテレ「日曜美術館」では、「永遠の異邦人~藤田嗣治・知られざる実像~」として取り上げていた。齋藤孝明治大学教授をゲストに県立美術館で収録したもので、秋田の行事以前を含めた藤田嗣治の生きざまが紹介されており、おもしろかった。(26日夜に再放送予定)
秋田魁新報が自らを批判しながら報道した企画展「レオナール・フジタとパリ 1913-1931」に連動したものなんでしょうけど。秋田では2月2日までで、今後は岡山県立美術館へ巡回するらしい。

ということで、日曜美術館を見て、全国から秋田県立美術館を訪れる人が増えるかもしれない。
奇しくも、「大人の休日倶楽部パス」今年度最後の利用期間が1月21日から始まる。パスの最終日は企画展最終日の2月2日なので、前回ほどはせっかく来たのに見られなかったという事態は少ないかもしれないけれど、美術館以外の観光関係各業界も含めて、お迎えする準備は大丈夫でしょうか。



●多少は改善
秋田駅西口から西へ伸びる仲小路は、エリアなかいちによって分断された。
それ以前から、なかいち西側のキャッスルホテル前に秋田中央道路地下トンネルの出口ができたため、北側・仲小路を渡る東西方向の横断歩道が1つ廃止され、さらに東西方向の横断距離が長くなってしまった。
これによって、歩行者の心理としてはなかいち側と木内側の間に大きな障壁ができたような状態になっていた。※以前の記事

なかいち着工前は「コ」の字(北側が横断不可)に、着工以降は仲小路の一部廃道に伴って東側が歩道化されたので逆「L」字に横断できた。
歩車分離式ではなく、さらにトンネル出口側の車両用青信号が別になっているので、歩行者がここを横断する時の待ち時間は短くなかった。
特に、なかいち側からキャッスルホテル前へ横断する時は、幅ほんの数メートルの仲小路(南北方向)横断にだいぶ待たされたものだった。(車はさほど通らないから隙を見て信号無視すれば…というのはナシで)
なかいち方向。横断歩道は手前の南北と右の長い東西の2か所
昨年末、その交差点で「改造」が施された。
信号機のサイクル(「現示階梯」と呼ぶらしい)が一部変更になり、歩行者の待ち時間が短縮された。
長い東西方向が青の時に、同時に仲小路を渡る南北方向の歩行者用も青を示すようになり、待ち時間なくL字に横断できるようになった。

なお、南北方向の車両用が青の時も、従来同様、同方向の歩行者用は青なので、「歩車分離式」ではない。
青信号の順番としては、従来は[トンネル出口(車)]→[南北(歩・車)]→[東西(歩・車※車両用は一方通行入口向き)]だったのが、
現在は[南北(歩・車)]→[トンネル出口(車)]→[全歩行者用]。
なかいち側から
待ち時間短縮はうれしいけれど、ややクセのある(?)サイクルなので「見切り横断」や、車両が歩行者用信号機を誤認してしまう恐れはありそう。歩行者もドライバーも、信号をよく見ましょう。
どうせなら完全な歩車分離式にしたほうが、安全なような気もしてしまうが、中央道路出口の存在がネックでできないのだろうか。
正面の信号機が撤去された
階梯変更に伴い、なかいち側の柱に西向き(つまり一方通行の入口向き)に設置されていた車両用信号機は、使用停止となりカバーが掛けられ、年明けに撤去された(新しいLED式だったので予備用として倉庫へ収まった模様)。

2024年に、斜め横断ができるようになった

コメント (12)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 看板の顔 | トップ | 県内外のバスの話題 »
最新の画像もっと見る

12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
今年もよろしくお願いします (りお)
2014-01-19 22:55:32
今年も興味深く読ませて頂いてます。更新が楽しみです。
なかいち、やっぱりですよね。物価は高くてもタカヤナギ程度に抑えておかないと、1回だけ冷やかす人ばかり来店し、継続したお得意さんは着きにくいのではないでしょうか、
中小路の分断も非常に困ります。歩行者はまだ通り抜けられるのでいいのですが、自転車乗りにとっては改悪以外の何物でもないです。なかいちの中を突っ切るには下車しなければなりませんのでとても不便です。
ハコモノと道路で言えば、この前初めて由利本荘市中心部に行ってきました。
カダーレ、とても立派な建物でしたけど、「あんな規模の施設があの場所に必要なのか?」、「わざわざ道路の方を迂回させてまで作る程のものか?」と疑問ばかり浮かびました。迂回「させられた」道路の走り心地については、運転手の妹には大変不評でした。雪が多い割に、除雪が行き届いていなかったことについても。中心部は路面がガタガタで酔うかと思いましたが、国道に出たとたん路面状況が格段によくなりましたね。
今年は寒くて困ります。路面がスケートリンクになっていますね。除雪車が通った直後は軽く恐怖すら覚えます。
返信する
ありがとうございます (taic02)
2014-01-20 00:02:56
こちらこそ、本年もどうぞよろしくお願いします。
惣菜など、たまに食べるとなかなかおいしいと思うものはあります。でも、わざわざそれを目的に出かけるほどでもないし…
規模、価格、商品構成、何を取っても中途半端な印象は否めませんでした。

自転車で抜けるのは大変ですね。最後に取り上げた交差点がある西側には、なぜか数段の段差があるんですよね。それも通りづらくしています。仲小路当時から、多少の高低差はあったのでしょうけれど、階段にされたことで心理的な障壁になっていしまいました。

本荘も例年よりは雪が多いそうですが、秋田市同様、除雪作業はあまり上手でない土地柄(矢島などは別として)かもしれません。
カダーレもあれで良かったのかとは思いますが、図書館の雰囲気とか集客効果は悪くないと思います。なかいちよりは必要とされている施設なのかもしれません。
雪は県南を思えば、こちらは恵まれていると思うことにしましょうか。
返信する
Unknown (県外在住出身者)
2014-01-20 00:40:44
正月、サンマルシェへ初めて行きましたが、
全般的に値段も高く感じましたし、人もまばらでいつまでもつのやらといった印象でしたね。
近隣で間に合うのにスーパー、土産物屋はないなと…

飲食店に関しても、秋田の郷土料理は良いのですが、
ちょっと高いですよね。
一人でふらっと入店できるリーズナブルな
飲食店があっても良いのではないかと思いました。
返信する
行ったことがある人なら (taic02)
2014-01-20 19:10:47
実際に行ったことがある人にしてみれば、撤退のニュースは別段驚くようなものではなかったですよね…

たしかに飲食店はお食事会には使えても、気軽にふらりと入れるようなものはあまりなかったですね。
県外から秋田を訪れた皆さんの旅行記を拝見すると、秋田駅周辺できりたんぽ、比内地鶏、稲庭うどんなど(いずれも真の本場じゃないわけですが…)を食べる人が多く、おおむね好評です。
一人で入れる低価格の飲食店の需要は少なくないようですが、土地勘のない旅行客にしてみれば、駅からなかいちはちょっと遠く感じてしまうかもしれません。
返信する
Unknown (ゆててて)
2014-01-26 17:37:53
いつも楽しく拝見しています!今年もよろしくお願いいたします!

「なかいち」やはりこういう結末になるんですね…
「あう」の方は比較的イベント等で使われていて、うまく利活用されている印象ですが、「サンマルシェ」は日常の買い物空間に「観光」のコンセプトを含ませた造りがやっぱり中途半端で、こちらとしても何を目的に行っていいのかわからなくなります。
そもそも、入居する建物はあくまでも「なかいち」でなくて「商業棟」。いまさらですが、あの「なかいち」と呼ばれるスペースは、まちづくりとはいいつつも「秋田まちづくり」の自己満足空間になりつつあると感じます。

話は変わりますが、
県下全戸配布されている県議会広報に目を通したら、すごいことを提案している議員さんがいらっしゃいました。

「秋田新幹線の横手延伸」
つまり、山形新幹線の延伸を待てないし、見通しがつかないので、秋田新幹線の大曲でのスイッチバックを横手で行い、湯沢・横手方面の利便性を高めようという声でした。
県民よければすべてよし!みたいな発言。どのように思いますか?
僕はその費用こそ、秋田新幹線の高速化と山形新幹線の延伸費用に向けた方がいいと思うのですが…
返信する
ありがとうございます (taic02)
2014-01-27 00:21:23
こちらこそ、よろしくお願いします。
税金が投入されたとはいえ、再開発組合による再開発組合のための再開発だったということでしょうか。
どのようにリニューアル(というかどんな後継店舗が入る)されるのか、あまり期待しないで注目しておきましょう。

県議会の広報、僕もその箇所を読んで、なんだかなぁと思っていたところです。
「スイッチバックを横手で」なんて表現していますが、要は、大曲-横手を行って・戻ってということ。観光列車ならいざしらず、なんて無駄な行為かと思わずにいられません。
やるとしても、同区間の標準軌化工事、距離が伸びることによる運賃のかかり増し、東日本の新幹線全線のダイヤに及ぼす影響など、非現実的ですね。県当局の回答も「難しい問題があると認識している。」と締めていますし。

たしかに乗り換えがなくなればベストではありますが、それを望む人がどのくらいいるのでしょう。
例えば、秋田-横手-新庄のかつての「こまくさ」に相当する、早くて快適な列車を設定するほうが現実的だし、需要も大きいかもしれません。
議員も県も、ふざけてはいないのでしょうが、もうちょっと本気で実現可能なことを議論してほしいと思いました。
返信する
転勤者です (Unknown)
2014-01-29 18:50:31
秋田の事情、興味深く拝見しました。こちらに来て色々とカルチャーショックなことはあるのですが、あの「分離信号」というものに馴染めません。こういってはなんですが、およそ都会の20分の1以下の歩行者と車間十分な車を何故分けているのか?観光客も市民市場の交差点で戸惑っていました。あれは東北独自のものなのかもしれませんが…
返信する
ようこそ秋田へ (taic02)
2014-01-30 00:24:16
実は、警察庁が全国の各都道府県警に対して、歩車分離式を増やすよう、一種の「ノルマ」を課しているのです。
したがって、必ずしも秋田だけ/東北だけで歩車分離が増えているわけではないはずなのですが、たしかに感覚としては、秋田は他県の同規模の都市と比べて、歩車分離式が多いと感じます。

おっしゃるように、秋田の通行量や道路事情を考慮すれば、ここに歩車分離が必要かと疑問な交差点は少なくありません。
斜め横断できない交差点では、高齢者などが1回の青信号で渡り切れない場合もあります。
一方で、恥ずかしながら秋田のドライバーの中には歩行者優先意識が低く、青信号で横断している所に突っ込ん来て右左折するような者もおり、その対策には歩車分離は有効なのかもしれません。

県警にしても警察庁にしても、もっと現場の現状を見て、規制や通達を出してほしいと感じています。

※2011年11月の記事↓でも取り上げています
http://blog.goo.ne.jp/taic02/e/3f9662c1e5222619672d37efd7ec0b62
返信する
なるほど (Unknown)
2014-01-30 08:33:34
そうですね。改めて考えれば都内にも分離はあります。おっしゃるように交通量を考えれば、こちら秋田に必要かという疑問もありますが、車優先の街のようなので必要な面もあるのでしょう。益々高齢者も増えることを考えれば、もう少し交通面の工夫をしてほしいものですが。
返信する
課題 (taic02)
2014-01-31 00:16:22
歩・車とも待ち時間が長くなり、それを嫌って無謀な横断・運転が行われて、かえって危険な場面があり、課題だと思います。
秋田では、既存信号機の動作を変えるだけで歩車分離化する箇所が多いですが、本来ならスクランブル化、矢印信号の追加、前後交差点を連動させるなど、根本的に見直すこともやってほしいです。

ちなみに、広小路の木内前はスクランブル式ですが、昔はここが秋田県内唯一のスクランブル(歩車分離)交差点でした。
今は横断者が少ないさもない交差点ですが、数十年前は多くの買い物客で賑わっていたものでした…
返信する

コメントを投稿