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スクランブル再変化

2018-08-25 00:39:16 | 秋田のいろいろ
7月末から8月始め、秋田市内の斜め横断できない歩車分離式交差点のいくつかが、斜め横断できるスクランブル式交差点に変更された。
秋田駅近くの広小路の久保田町交差点(地名としては千秋久保田町)を紹介したが、その後いただいたコメントや現地確認により、駅近くでは中央通りの「市民市場入口」、反対側の東口を出てすぐの交差点、新国道の「自衛隊入口」の各交差点でも、同様に変更されていた。
今回に限らず、秋田県警の方針なのか単なる節約なのか、秋田県内で歩車分離式をスクランブル化する際は、縁石や路面標示は当然変更するが、
・車両用信号機の表示板は「スクランブル式」に替えず、「歩車分離式」のまま。
・斜め横断時に見るための歩行者用信号機の増設は行わず、状況に応じて既存信号機の角度を調整。
という対応。

久保田町では、スクランブル化に際して、一部の歩行者用信号の青になるタイミングが変更された。
スクランブル化以前は、一方通行の出口側である交差点東側・広小路を横断する歩行者用信号機は、他の歩行者用より1段階早く、南北方向の車両用信号が青の段階から青になっていた(その次の段階で、残りの歩行者用も青になり、赤になるのはすべて同時)。一方通行であることを踏まえ、歩行者の待ち時間を少しでも短縮しようという配慮だろう。
スクランブル化後は、全方向が同時に青になるように変更された。斜め横断用信号がないため、一部だけが先に青になると、おかしな(危ない)ことになるから、やむを得ないと思っていた。

未確認だが、市民市場入口交差点の中央通りを横断する西側横断歩道も、スクランブル化に際して同様の変更が実施された可能性が高い。


8月24日。雨の中、久保田町と市民市場入口の両交差点で、信号機の工事が行われていた。
工事後の久保田町。南東角から撮影。右が秋田駅西口方向
工事後、以前と変わったことが2点あるのが、上の写真からも分かる。
歩行者用信号機が増設され、以前のように東側の横断歩道が1段階先に青になっている。

新品と思われる薄型歩行者用信号機2台が、東側横断歩道に設置。ボディは柱と同色の茶色ではなく、グレーの一般色。
これまでその東側に設置されていた、2台の歩行者用信号機(厚いボディの初期のLED式)は、同じ交差点内のほかの柱に移設された。
「スクランブル用」の表示板付き
要は斜め横断用の信号機が増設された。斜め横断用は、全方向4台ではなく、東側の柱に2台のみ。東側横断歩道以外の歩行者用信号機と同じ動作(=後から青になる)をする。
以前のように東側を先に青にしても、これなら理屈上は問題が解決された。

要望があるなどして東側を先に青にするのを復活するために斜め横断用を増設したのか、それとも斜め横断用信号機の手配が間に合わなくて一時的に変更していたのを、準備ができたから元に戻したのか、どちらかだろう。
どうして新品を斜め横断用にせず、ひと手間多い移設をしたのかは謎。
市民市場入口を見た時はまだ工事途中だったが、西側の柱2本に増設される気配だったので、久保田町と同様の変更がされそう。【確認後追記します】市民市場入口では、やはり一方通行出口側である西側の柱2本にスクランブル用を設置。久保田町のような移設はせず、新しいグレーのものをスクランブル用にしていた。市民市場入口の既存の信号機は、待ち時間・残り時間表示が内蔵されているが、グレーの信号機にはないので、そういう事情だろうか。
なお、久保田町には、信号機と独立した残り時間表示装置が設置されているので、待ち時間の有無が久保田町の移設の理由ではない。(以上追記)


今回の工事により、一部方向の横断者の待ち時間を短く・渡れる時間を長くしようという配慮なのは分かる。それに渡る方向の信号機をしっかりと確認すれば、別段危険はないし、車両側が誤認することはまずないだろう。
でも、いったん変更した信号サイクルを、1か月経たないうちに再び変更(元に戻す)という手順は疑問。新しいサイクルに慣れつつあった歩行者を、再び惑わすことになる。実際、東側が青になったのに、まだ赤だと思って突っ立っている人がいた。
最初からこうなる計画だったのなら、先走ってサイクル変更などせず、スクランブル化を1か月遅らせるべきだった。


もう1点引っかかるのが、斜め横断用信号に取り付けられた表示板の「スクランブル用」。秋田県では斜め横断用信号機自体がレアで、明確に表示板が付いたのは、これが初めてかもしれない。
他県では以前から表示板はあるが、「斜め横断用」「斜め横断専用」という表記が一般的だと思う。青森県もそう。「スクランブル用」としている都道府県は他にあるだろうか?

「スクランブル用」で通じるだろうか。意味はなんとなく伝わる人が多いとは思うが、「斜め横断用」のほうがはっきりと目的が伝わると思う。文字数も少ないし。
そもそも、「スクランブル」というのは「斜め方向に横断ができる“交差点”」を意味する言葉であって、「斜め方向に横断する“行為”」は意味しないと思う。微妙なニュアンスとして若干間違っていると思ってしまうのは、僕だけ?
【29日補足】国語辞典には「スクランブル交差点」は載っている。「スクランブル」については戦闘機の緊急発進、電波(放送)の暗号化、アメフトやオートバイレースの用語としての説明はあるが、交差点については「~交差点の略」程度しか出ていない。警察内部の業界用語としてはあるのかもしれないが、やっぱり「斜め横断すること」をスクランブルと呼ぶのは、一般的ではないと思う。
あと、外国人にはどっちにしても理解できなさそう。英語併記くらいあってもいいかも。(押しボタン式信号の表示板では、多言語版がそろそろ設置されるはず)
【2020年8月26日追記】警察庁が示す「交通規制基準」では、標示は「斜め横断用」に限定しているように読める。法令ではないので、強制力はなく、各県警次第なのかもしれないが。

北西角から。向かい側左右の赤矢印が増設された斜め横断用
上の写真は全部赤だけど、斜め横断しようとする人の視点で、赤丸で囲った先に青になる東側の歩行者用信号機の点灯色がはっきりと分かる。
これでは、「スクランブル用」を増設しても、東側用を誤認してしまう危険性は消えてはいない【25日補足・夜間早朝は車が途切れる時もあるが、そこをスピードを上げて通過する車もあるし、方向によっては角度や勾配により発見が遅れる可能性もある。そんな時に見間違えて渡ってしまえば危険。】。完璧にするのなら、東側の歩行者用信号機に、深い(奥行きが長い)フードや視角制限フードを設置して、物理的に横方向から見えなくする必要もあるように感じる。秋田県では車両用だけで歩行者用の例はないと思うが、他県では事例がある。【25日追記】弘前市の下土手町のスクランブル交差点も、一方通行路がある同じような環境だが、斜め横断用が設置されるとともに、一方通行出口側の横断歩道の信号機には正面からしか見えない目隠しフードが使われている。
【25日追記】この設置方法では、スクランブル用(斜め横断用)信号機とそれ以外の信号機の動作に差はなく、表示板は必要ないようにも思われる。むしろ、向かい側の西側の柱のほうにも斜め横断用信号機が必要で、そこに設置するとなれば表示が必要かもしれない。
【26日追記】今回の変更を見た感想をまとめると、
・一度変更した信号サイクルを、短期間で元に戻す(変更後でも大きな不具合はないのに)のは、混乱を招く。
・東側の柱に斜め横断用信号機を設置するのなら、それとセットで東側の南北方向横断用信号機に視野角制限をするべき。この信号サイクルでは、視野角制限なしでは誤認を誘発する可能性あり。
・斜め横断用信号機を示す表示板の「スクランブル用」は、言葉としておかしいと思う。
・どうせなら西側の柱にも、斜め横断用を設置すればいいのではないか。

スクランブル交差点の再度の変化は、いろいろと改善の余地があるように思えてしまった。
いずれにしても、正面の信号機を見て渡りましょう。

【9月24日追記】増設された歩行者用信号機は、どうも新品でなく中古品(他の場所に一度設置されたものの、街並みの整備等でより新しいものが設置され、撤去・保管されていた信号機)。急いで斜め横断用を増設したことが伺える。

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