広く浅く

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地家簡裁/農水支局

2020-08-04 00:25:24 | 秋田のいろいろ
秋田市山王の裁判所建て替えの続き。
隣接地に仮庁舎が建てられ、2019年11月から業務が行われている
その後、旧庁舎の解体に入っているが、今のところ姿はあまり変わっていない。リサイクルを徹底するご時世のためか、頑丈だったためか。

現在は、旧庁舎に広めの仮囲いができ、建物1階など一部はシートで覆われ、窓ガラスが外され、多少は進んでいる。
休工日のようだが、出入り口は開けっ放しだったので、のぞかせてもらった。
右の正面玄関は壊されている。一部のガラスは残っている?

北西角。手前は仮庁舎の車庫。左奥は県庁正庁舎【2021年4月11日訂正】本庁舎、右奥は秋田法務合同庁舎

さて、これまで何度も繰り返していたように、このような地方の裁判所の建物の呼称が謎だった。
仙台高等裁判所秋田支部、秋田地方裁判所、秋田家庭裁判所、秋田簡易裁判所、秋田検察審査会が入居するわけで、普通なら「○○合同庁舎」のような建物名があってもいいのに、裁判所の場合はなさそうだった。
秋田市で「裁判所」といえばここだけだから、それで誤解なく通じるわけではあるけれど。

仮庁舎の南西角=裏、農水省の出先機関の建物寄りに、
「建築計画のお知らせ」4月20日付
3階建て以上の建物を建てる時に義務付けられている看板。
連絡先は、東京都千代田区の「最高裁判所事務総務局経理局 営繕課第一設計班」。

この看板で、いちおう謎が解けた!

建築物の概要>名称欄に「仙台高裁秋田支部秋田地家簡裁庁舎」。
解けたけど、釈然としない。
入居する5機関のうち秋田検察審査会が無視されてしまっているのは、まあいい。
「仙台高等裁判所秋田支部」を略して「仙台高裁秋田支部」。ほかの3裁判所は、頭に秋田が付く「秋田XX裁判所」なのでまとめて、1文字ずつ並べて「秋田地家簡裁」か。

高裁支部と比べて、「地家簡」が軽んじられてしまっている感じ。
高裁支部はあまり略さず、後半は一気に略してしまっているのが、アンバランスだし、略しているのにまだ長い。
で、読みは「ちかかん」でいいのでしょうか?

Googleで検索すると「"地家簡裁庁舎"」約1390件。今回のような各地の裁判所庁舎の工事等の入札資料や、施工業者の施工事例紹介を中心に使われていた。
また、弁護士や裁判傍聴愛好家は、各裁判所を一括して呼ぶ時に、「地家簡」「地家簡裁」と頭文字をつなげることがあるようだ。
2016年3月には、産経新聞の見出しで「切手ずさん処理が約900万円分 全国の地家簡裁と同支部、最高裁発表」というのも。
一般人でも「高裁」「地裁」など単独の略称では通用するが、まとめて建物の名称として「地家簡裁」は通じないだろう。漢字で見せられれば理解は可能だけど。

「秋田裁判所庁舎」みたいな、もっと簡潔な庁舎名にしようという発想はないのでしょうか。

【9月1日追記】9月1日付秋田魁新報に、同日付の人事異動が掲載。「秋田地家裁異動」のタイトル。
内容は、秋田地家裁事務局長→青森地裁事務局長、山形家裁事務局長→秋田地家裁事務局長。つまり、事務局長は、秋田は地家兼務で(そして簡裁は別)、青森と山形は分離されているのだろうか。
それに、役職名や対外的な人事異動発表でも、「地家裁」とまとめた呼称が使われていることになる。



裁判所はここまで。※新庁舎はこちら
工事看板が立っていたすぐ横が、農水省の出先機関。その名称についても。
当ブログでは、これまで何度か「東北農政局 秋田県拠点」を用いている。それは、ネットの地図などでその呼称が用いられているし、東北農政局の公式サイトにもそう書かれている。
東北農政局「組織図」より抜粋
2001年に農林省が農水省になり【5日削除】、2003年に外局の食糧庁がなくなり、2011年まで出先機関は農政事務所(秋田農政事務所)という名前だったりという、変遷はなんとなく把握していた。「県拠点」はその後?

ところが、裁判所裏の秋田農政事務所時代からの庁舎の正面の植え込みには…
東北農政局 秋田支局
奥の玄関上にも同じ名前があった。「秋田支局」って何?

ネットで調べると、たしかにそのような名前が使われていることは分かる。しかし情報が少ない。
東北農政局のホームページ内を検索すると、2015(平成27)年のPDFファイルがあった。
抜粋
「平成27年10月1日に秋田県に新たな農政の拠点(東北農政局秋田支局)が配置されました。」
まったく新しい組織ができたかのような言い回し。それ以前がどうだったのかが分からない。
PDFに組織図が出ていて、農政局の下に「地方参事官」がいて、それが「支局長」。以下、各組織で秋田支局が構成されているらしい。
ただ、それは、現在ホームページに出ている「秋田県拠点」と変わらない。


Googleストリートビューで、庁舎前の表示を見ると、2017年7月では現在と同じ支局。
支局発足前の2015年8月や2012年10月では「東北農政局 秋田地域センター」だった。

Wikipediaの「地方農政局」の項では、
2011年9月1日に「旧食糧事務所の残存組織であった地方農政事務所は、(略)廃止し、地域センターに改組再編した。」。
2015年10月1日に「地方農政局の内部組織変更。地域センターを県域拠点に改組し、地方参事官を配置」。
さらに「県域拠点」の説明として、
「名称は、改組当初は「○○支局(例:滋賀支局)」が多く使われたが、2018年現在「○○県拠点(例:滋賀県拠点)」でほぼ統一されている。」

Wikipediaでやっと分かった。つまり、秋田の場合、
秋田農政事務所→秋田地域センターが、2015年10月時点に秋田支局に。その後、どこかで秋田県拠点に変更されたのだろう。
そして、庁舎の表示は、秋田県拠点に変更されておらず、1つ前の秋田支局のままということか。
支局と県拠点では、どこが違うのだろう。地方参事官が「支局長」を名乗るかどうかくらいの違いしかなさそうな…
立派な表示を作ったのに、短期間で変えるのも無駄だけど、実態と違うというのは… ゼンリンの住宅地区ではどうなっているだろう。地理院地図では、ごちゃごちゃしているが、県拠点と記載。


あと「秋田支局」という名前の組織って、官民問わず、意外にありそうでないのでは。
国関係だと東北運輸局「秋田運輸支局」はある。
あとは、読売、毎日、産経といった全国紙の秋田支局くらい。朝日新聞とブロック紙の河北新報は「秋田総局」だし、IBC岩手放送秋田支局は2003年頃に廃止されている。たまに誤解する人がいるが、NHKは「秋田放送局」、支局はその下部組織(旧・報道室)の名。
農林水産省東北農政局秋田支局も、今は表示だけで組織としては存在しないことになろう。

それにしても国の機関の名前は分かりづらいものだ。

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2 コメント

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ゆててて (Unknown)
2020-08-05 17:17:39
>2001年に農林省が農水省になり、

中央省庁再編前後でも「農林水産省」は「農林水産省」でなかったでしょうか・・・
返信する
農林水産省 (taic02)
2020-08-05 22:51:32
その通りでした。失礼しました。
農林省が農林水産省になったのは1978年だったそうです。
返信する

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