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大住団地線 短縮・減便

2019-03-22 00:13:18 | 秋田の地理
秋田市内の秋田中央交通の路線バスのダイヤ改正は、最近は秋に実施されることが多い。春はあっても修正程度の軽微なものだった。
今春2019年4月には、秋田駅西口から築地(秋田南中前)、愛宕下橋を経由して、牛島へ出て雄和市民サービスセンター(旧・雄和町役場)へ行く「雄和線(2011年7月運行開始)」が廃止されることは以前から分かっていた。
それ以外には動きがないかと思っていたら、ほかの変更点もあった。今春は比較的変更点が多いと言えそう。
雄和線の代替として、二ツ屋福島線に愛宕下橋経由の系統が新設。と言っても平日に1往復だけ。※雄和線についてはこちら
秋田駅に来ない路線としては、雄和の国際教養大学方面で、河辺和田行きの便が廃止されるものの、御所野のイオンモール行きが四ツ小屋駅まで延長される。
これらは今回は取り上げません。

今回は、唐突に変更が発表された、大住みなみ野団地線について。
公式サイトに3月15日付で「大住みなみ野団地線の運行経路・時刻の変更について(2019.4.1)」がアップされた。
起終点のバス停と時刻を変更するもので、要は末端部の短縮と減便。

バス停については、折返し場所である「牛島西四丁目」を移動、現西四丁目の隣の「西潟敷」を廃止する。牛島西四丁目の移動先は、既存の経路上の「大住コミュニティセンター入口」と西潟敷の間。
廃止(短縮)される距離=西四丁目が移動する道のりは380メートルほど。
地理院地図に加筆。黒が廃止区間。水色がバス停移動
減便は、平日下り4本・上り4本、土日祝下り3本・上り2本を廃止。
平日は下り9・12・13・15時台、上り11・12・13・18時台を廃止。
13時台は、現行では昼間で唯一の1時間に2本あったうちの片方が廃止。廃止される上り18時30分は最終便なので、今後は17時14分が最終。
土日祝は上り8・16・18時台、下り10・18時台を廃止。
上り8時30分発は始発便、18時40分発は最終便なのがどちらも廃止されるので、今後は9時40分が始発、17時40分が最終。

廃止後の運行本数は、平日(県庁方面直通1往復を除く)下り8本・上り9本、土日祝下り5本・上り8本となる。
大雑把に言えば、平日は1時間に1本あるかないか、土日はほぼ2時間おきになるが、運行間隔は不均一で、平日の上りは10時00分の次は13時05分と、3時間空く。

短縮されたこともあるせいか、全体に時刻が分単位で移動しているので、利用の際はご確認ください。
【22日補足】変更後の運賃については「変更はございません。」とされている。現在は、大住コミュニティセンター入口と西潟敷の間に運賃境界があるので、移動して距離が短くなっても、西四丁目は同じ運賃区間に残ることになり、1停留所1運賃区間となる。駅からの運賃はコミセン入口まで340円、西四丁目まで370円。
以上が、変更内容。以下は、考察や雑感なので、興味がある方だけどうぞ。


この路線については以前記事にしている。改めて簡単にまとめておく。
元は秋田市営バスの路線で、秋田駅前(西口)と「大住団地」を結ぶ「牛島経由大住団地線」であった。運行開始時期は不明だが、名称として明確に登場したのは1980年。
経路は、駅から有楽町、牛島(旧道の商店街)、二ツ屋下丁までは牛島経由他路線と同経路。国道13号線へ出る二ツ屋の三叉路で、秋田駅方向へ戻るかのように秋田南高校側へ。次の交差点で国道と分かれ、大住の住宅地へ入るルート。
1993年には、約半数の便が大住団地より先へ延伸される。「みなみ野団地」行きとされたが、実際にはもう1つ先の「西潟敷」が終点。1996年には全便がみなみ野団地行きに。
2001年春には、他の牛島方面路線ととともに、秋田中央交通へ移管された。
移管と前後するどの時期かは分からないが、「みなみ野団地」のバス停名が「大住コミュニティセンター入口 みなみ野団地」になり、終点が西潟敷よりさらに先(バス停1つ)まで延伸されて「牛島西四丁目」となった。路線名も「大住団地線」よりも「大住みなみ野団地線」が一般的になった。
2017年10月には、牛島旧道・南高校前経由から、イオン秋田中央店前・卸センター入口・牛島市営住宅前の国道13号経由(いわゆる柳原経由)に変更。

運行本数は、市営バス~移管直後は1時間に2本運行されていた。その後、徐々に減便が進んでいる。

今回の減便も、利用実態に即し、限りある乗務員と車両をやり繰りするためなのだろう。
でも、どうしてこの路線だけが減らされるのか。
中央交通(あるいは秋田市の交通政策)としては、この路線は牛島・仁井田方面という大きなくくりの中では、幹線系統ではなく傍流・サブの系統であり、それとしては本数が多すぎたということか?
でなければ、次に述べる終点短縮の絡みか?

移動前・現行の牛島西四丁目は、住宅地の中に空き地のような土地があって、そこが牛島西四丁目停留所兼「回転地」であった。【22日補足】路線バスが方向転換する場所を、全国的には転回場、転回地、回転場などとも呼ぶようだが、中央交通ではおそらく市営バス時代から「回転地」と称していて、バス停名になっている所もある。
向かいが回転地・手前が西潟敷方向。ポールが1本、仮設トイレがある
駅から来てそこに入って客を降ろし、時間まで待機して、客を乗せて駅へ戻るという行路が多かったはず。時刻表上は15~30分間程度の待機時間(例えば13分着→30分発、03分着→30分発)が設定されている。

今回、西四丁目のバス停は移動しても、回送して回転・待機場所としては存続する可能性も考えられたが、時刻表を見ると、回転地としても使わなくなりそう。
変更後のダイヤでは、折返し待機としては長すぎる間隔が空いているものが多い。西四丁目と車庫あるいは駅などとの間で回送すると思われる。
ただ、数本は到着後わずか2分で駅へ戻ると思われるダイヤもある。待機する場所がないから2分にしたのだろうが、だとすればどこで向きを変えるのか。付近は家が建てこんでいるし、路上で切り返せそうな場所ってあるだろうか。
西潟敷からコミセンへ左折する駅行きバス
大住コミセン方向と西潟敷方向の行き来は、十字路を曲がらないとならないが信号機は付いているし、西潟敷側のほうが道は広い。右左折が大変だとか狭くて危険なので短縮するというわけではなさそう。
上り西潟敷。奥右に回転地がある
それに、仮に乗車率が悪いという理由でたった2停留所を廃止するというのは、短すぎて意味がなさそう。
そして、仮に西四丁目回転地を使わないで、どこかへ回送するとなれば、交差点を曲がるよりは、直進して雄物川堤防沿いの道路に出たほうが便利そう。

こうした状況から憶測すれば、「回転地の土地を使わなくもしくは使えなくなったので、回送しやすい経路に短縮(ついでに減便)」あるいは「減便することになって、回転地を使う頻度が減るので廃止、回送しやすい経路に短縮」のどちらかが理由な気がする。
いずれにしても「回転地の使用中止」「回送の便宜」「減便」の3つが関わっていそう。
【23日追記】コメントで情報をいただいた。回転地が使用できなくなることがきっかけのようだ。折り返しについては、堤防の道とその1本隣の狭い道をぐるっと回って戻るとのこと。

希望的観測というか妄想では、雄物川堤防へ回送でなく、新規営業路線として、川沿いに下って羽越本線をくぐって秋田大橋もしくは卸町方面、上って御野場方面へ行くようなルートができたら…



移動する牛島西四丁目バス停。
直線でも340メートル離れた移動先は、交差点のすぐ手前にある、小さい川・古川の小さい橋のたもとのようだ。
っていうか、そこ牛島西四丁目じゃない!!

所在地としては牛島字西潟敷と同東潟敷の境。西四丁目との間には牛島南二丁目をはさむため、ここを西四丁目とするには、なかなかムリがある。
ただ、それも分からなくはない。車両や印刷物、車内放送の変更の費用と手間のみならず、大して違わないのに「牛島西四丁目行き」が違う名称になっては利用者に混乱を招くから。
個人的には、全国的に最近多い、行き先(終点バス停名)を大々的に使うのって、なじみが薄いバス停のこともあるし、こういう場合もあって好きではない。「みなみ野団地方面行き」とぼやかした言い回しにしておけば、また違ったことになっていただろう。


今週初めの時点では、現地に掲示はなかった。
法令では1週間前までに行えばいいことになっているが、それは最低限のこと。そもそもホームページには出ているのだし。このことをまだ知らない周辺住民がいないだろうか。
【22日補足】今回のホームページに載った新時刻表は、変更点を朱書きしていない新ダイヤだけの提示。中央交通さんの気まぐれなのかもしれないが、コソコソと減便しているように受け取れなくもない。同じことをやるにしても、しっかり・充分に説明してもらえれば、受け手の印象は違うものになると思うのだけど。

牛島西四丁目バス停の移転先について
※この後の2019年10月の定期ダイヤ改正でも、若干ダイヤが変更された。

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10 コメント

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Unknown (ガンメタ)
2019-03-23 13:46:02
補足させていただきます。牛島西四丁目の回転地は借地なのですが、地主が土地を不動産会社に売却することになったため、3月いっぱいをもって回転地の使用が出来なくなったものです。そのために区間短縮ということになりました。減便については回転地が無くなり待機が出来なくなるため、これまでの折返運行から片道運行の便が増えるためです。折返運行の便は数本残されますが、長い待機が不可能になるために全部という訳にはいかなかったと思われます。西潟敷を廃止して牛島西四丁目をずらしたのは、行先表示器の変更には多額の費用がかかるためにバス停をずらすという策を講じたということです。折返運行の車両は終点に着くと、一度堤防の方へ向かい1つ手前の路地を右折し、突き当りを左折して大住茨島アンパスの通りに出て再び大住方向へ戻る形になります。
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Unknown (ガンメタ)
2019-03-23 14:32:25
再補足です、地元住民の方には数回の説明会を開催しています。
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情報ありがとうございます (taic02)
2019-03-23 21:14:37
回転地の土地がきっかけでしたか。ちょうど家1軒建てられるスペースでしたからね…
平日昼間などは本数が多めで、国道区間は柳原御野場団地線と続行するダイヤもあり、あまり乗っていない便もあったので、減便もやむを得ないかなという感じはします。
牛島西四丁目存続については、行き先表示だけでなく、路線図など印刷物の差し替えとか乗客への案内の面で、費用や混乱が生じかねないので、これも仕方ないでしょうね。何十年か後にはこうした経緯が忘れられ、謎に思われるかもしれませんが。
折り返しルートは、狭いながらも、右折しやすく見通しが良さそうで、よく考えられていると感じました。この区間で営業運転しても…と思ったりもしてしまいますが、新規区間延長はまたいろいろ難しいのでしょう。
この折り返しルートも含めて、地元には説明しているのでしょうね。ただ、末端部でない駅とイオン秋田中央店の間で利用する人などへの周知はちょっと心配です。
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Unknown (とき)
2019-03-29 19:12:59
はじめまして、バス路線調べてたらこちらのブログにきました。
昨日、秋田駅西口大住団地線の時刻表横に変更の紙が貼られてました。

雄和線はたまに利用してました。
雄和線乗客少なくてこの間なんか自分含め2人とか、そりゃ廃止になるなと。
バス旅好きなので、廃止減便は困りますが
仕方ないですね。
これからも、バス記事楽しみにしてます。
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コメントありがとうございます (taic02)
2019-03-29 23:32:02
はじめまして。
北都銀行~イオン秋田中央店前などでも、下り(大住方向)側には地図入りの案内、駅行き側には「時刻変更があるので、お問い合わせください」の小さい紙が貼られていました。

空港リムジンは除いて、秋田駅と雄和を直接結ぶ唯一の交通手段だったわけですが、芳しくなかったみたいですね。雄和方面はかなり削られてしまい、よそ者としては、不便じゃないのかと気になります。
仁井田の集落内を抜け、愛宕下橋を渡るという秋田市内の経路も特徴的でした。この辺りは、いずれ記事にしようと考えていますので、お待ちいただければ幸いです。
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参考情報 (神田線沿線住民)
2019-06-11 22:05:40
中央交通の音声合成放送使用されている声優の直井芳枝さんですが、どうやら現役引退なされたようで中央交通と大変深い仲?の小田急バスでは順次新しい声優さんのアナウンスに変更されているようです。
https://blog.goo.ne.jp/machidaeigyosho/e/615a7359348c1eb084b9b1608f23cc57

あくまでも個人的見解ではありますが、今回の大住団地線の終点を切り詰めにしたのは、広報周知的な面とともに、新たに吹き込みしなければならない手間を省くため(路線全体の放送バランスを整えるのであれば、始発から終点まですべて吹き込み直しになるでしょうし)だったのかなぁ、とも思っていました。

いずれ、中央交通の車内放送も徐々に新しい声優さんになっていくのでしょうね。
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来る時が来た (taic02)
2019-06-12 00:02:57
中央交通では、市営バスからの路線移管が本格化した頃に音声合成を導入し、当初から声は代わっていなかったはずですので、かれこれ20年近く聞いてきた声です。
音声合成といえども生身の人の声を使うため、時の流れには逆らえず、いつか来る時が来るわけですが、小田急では来てしまったのですね。

小田急さんを踏襲しがちな中央交通さんですから、おそらくいつかは追随するでしょう。
収録にどのくらい費用がかかるのか知りませんが、違う声で強引に部分的に修正することもなくはない予感もしますが…
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音声合成 (網地 耕部、)
2019-09-21 22:17:27
いつも中央交通のバスに乗車していますが、当バスの車内放送もいつかは羽後交通及び秋北バスと同じパターンに統一し、中央交通担当の方で『ピンポーン♪次は◯◯、○○です。お降りの方はお知らせ願います。…ピッ』にした方が良いと思いますが、質問者様は、どう思われますでしょうか?
また、長崎屋バスターミナル経由の仁井田御所野線の行先放送ですが、シルバーエリア経由の方とそうではない方も、同じく「ニュータウン御野場経由イオンモール秋田行」または「牛島・秋田駅西口・長崎屋BT経由大川反車庫行」になっていますが、ここは一掃、シルバーエリア経由の方に限って、かつて存在していた四ツ小屋駅経由と同じく「中央シルバーエリア経由」と付け足した方が良いと思われますが、こちらに尽きましても、いかが思われますでしょうか?
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狭い道への折り返しが打ち切りです。 (網地 耕部、)
2019-09-21 22:23:39
現在一部のタイプで実施している折り返し運行による狭い道を回るルートですが、9月30日を以て終了する事が他利用者からのコメントを通じて分かりました。以降は全タイプ、牛島西四丁目到着後は全部「回送」になるとの事です。また、上りに関しても、全タイプとも大川反車庫とかから西四丁目への「回送」を経て、西四丁目から秋田駅西口方面に向かわれる方式に変更になるようです。
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2019年10月改正 (taic02)
2019-09-22 17:39:58
大住団地は折返しの市道の除雪がよくないということらしいですね。回転地として借りていた土地が、重要な場所だったことを思い知らされます。

弘南バスでも全バス停で「お降りのかたは降車ボタンにてお知らせください」と、音声合成化された時から言い始めました。
個人的には、全バス停で言う必要は、むしろいらないと考えます。今どきボタンを押して知らせることを知らない人はいないでしょうし、ボタンにも書いてあるし…
放送が長くなってしまって、バス停間隔が短かかったり広告も入ったりすると、言い終わらないうちに次のバス停に着いたり、ほんとうに伝えるべきことが伝わらないこともあり得ると思います。

シルバーエリアは、利用状況を知らないのでなんとも言えませんが、通るのと通らないのがあるのなら、通ることを伝えたほうが親切でしょう。これは必要な情報かもしれません。
神田線は2019年10月から、旧道経由がなくなり、バイパス経由だけになりますが、そこはどうなるでしょうか。
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